2002年(平成14年)6月22目(土曜目) (4/4)
「コンビニダンスストア」結婚式帰りの初老の夫婦がコンビニ店内で始めたレトルトカレーを巡るたわいない口論が、商店街を巻き込む修羅場に発展。笑いの巾に男女や夫婦の問題を提起する作品
 発起塾はわずか二年足らずで和歌山、京都、神戸、広島、高知、そして福島県いわき市にも教室を作った。各地で一年に一回開く定例公演や、自治体などに招かれて行う演目は数作品に絞り、公演のセツトを各地で使い回すなど運営コストの削減でも工夫する。この結果、一人月五干円の授業料などの収入で、大半の教室の収支は黒字かトントンになっている。
 ニューヨークで演じるのは全国二百五十人の団員からの選抜メンバー二十人。普段は別チームに属する。W杯の代表チームさながらの共演だ。すでに一昨年、昨年とニューヨークでダンスなどのレツスンを受けており、公演はその総仕上げという位置づけだ。
 「うちでも開いてくれ」との要請は後を絶たない。ニューヨークに続いて秋には東京公演を行い、本格的に関東に進出する。一方で「三年後のロンドン公演を目標にレッスンを始める」。
 団員の中からは、大手菓子メーカーのテレビCMに出演する人も現れた。テレビ番組のちょっとした出演などにも実績を積みつつある。「団員から、遠からず大スターを生み出したい。きっと需要はあるはず」。自身も五十歳を過ぎたら役者として入団し、舞台に立つつもり。若いころの役者志望が、気が付くと裏方に回っていた。いったんは眠らせた夢を、あと何年後かにはかなえる。「だって、そもそも、そのためにこの劇団を作ったようなもんですから」。 =敬称略 文・石鍋仁美 写真・塩田信義