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  誕生死  

夢をみた。
夢の中であなたは生きていて、私はとてもうれしかった。
けれど、またいつあなたの命が失われるのかと不安だった。
切ないけれど、とても幸せで、
それが甘えだと知りながら、私は夢から覚めたくなかった。


夜が輝く。
もっとも美しく、もっとも悲しい瞬間のために。
私の目には、すべてのものがはっきりと、くっきりと見えた。
月が完全なる円を描き、命の環が閉ざされるとき、
大地と溶け合うように、一体となる。
今までずっと足りなかったものが、初めて満ちたりる。
孤独からの解放と、惜別の痛みをともなって、
それでも世界は、喜びを歌う。
私の声にこたえて、愛する人の面影を映して、
あなたは産まれてきたのだ。
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