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  ラクトー王国執政事情  

妻>あなた,今年はたくさんとれたからといって,野菜を売りすぎないで.
国王>え? なんで?
妻>値崩れするから.
国王>でも今年のものはおいしいから,多くの人に食べてもらいたいな.そうそう,肥料のやり方を変えただけで,あんなにもいいものができるとは,
妻>あなた,……私の話を聞いている?(こめかみに血管がぴくぴくぴく)

息子>聞いていないってば,母さん.(うひゃひゃひゃひゃと笑いながら)
国王>おぉ,ユリ.お前のやり方で肥料をやったら,今年はたくさん取れたぞ.賢いなぁ,ユリは.どっちに似たんだろう?
息子>母さんの方だろ.(しれっと答える)
オーヴィス>…….
息子>そうだ,親父.オーヴィスと一緒に隣のヤマヤマ王国を偵察しに行っていい?

国王>デートかい? ませているなぁ,ユリは.
オーヴィス>違います!(真っ赤になって)
妻>木材の輸出状況を見てくるのね.ここ,2,3年で一気に増えたから,
息子>そうだよ,母さん.うちの国のライバルだからね.ちなみに親父が言ったことも正解だよ,オーヴィス.
オーヴィス>殿下! お戯れはほどほどにしてください.

息子>オーヴィス,私,一人で外国に行くなんて心細いわ.……ついてきてくださらないの?(うるうるした目で)
オーヴィス>その寒々しい演技は,もう必要ないでしょう!?(逃げ腰で)
息子>リザ,愛する君と一瞬たりとも離れていたくないんだ…….(きりっとした顔で)
オーヴィス>いちいちヴァージョンを変えないでください,殿下…….(もう泣きそう)

国王>ユリは,年上の女性が好みのタイプなんだねぇ.
妻>そのようですね.
国王>そっかぁ,女性の好みだけ,僕に似ているんだね.(ちょっと嬉しそう)

酪農王国ラクトー,小さな王国の平和はこのようにして守られるのであった…….
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