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君と一緒に歩きたい


私は,ミツキの携帯を見てみた.
メールの受信箱を開く.
――今,ひま? 時間ある? 電話していい?
――さっきの話,マジだから.俺のこと,真剣に考えてくれな.
まったく同じ文面,送った時間もさほど変わらない.

視界が真っ赤になる.
体が,ぶるぶると震えだす.
竹村,あんたという男は……!
私は,がたんと大きな音を立てて,椅子から立ち上がった!

――許さない!

数日後,私は竹村をデートに誘った.
なれなれしく私を美紀ちゃんと呼ぶ竹村と手を繋いで,街を歩く.
お昼時になり,私は「おなかがすいた.」と言った.
「ハンバーガー,食べた〜い!」
「えぇ〜,俺,昨日食べたばかりなのに…….」
渋る竹村を,バーガーショップへ連れて行く.
注文を済ませて,二階の禁煙コーナーの窓際の席へ.

その席では,十一人の女子高生が私たちを待っていた.
ミツキ,比奈(ひな),桜(さくら),真央(まお),理子(りこ),奈々(なな),かのん,智子(ともこ),香織(かおり),久美子(くみこ).
皆,同じ中学.
中学のときは話したことはなかったけれど,今回,私たちはとっても仲良くなれた.
「竹村君,お久しぶり!」
一番気の強い真央が,にっこりと微笑む.
うーむ,迫力の笑顔だ.
竹村の足が,一歩二歩と下がる.
私は,がっしりと竹村の腕を掴んだ.
「デートの続きをしよう,竹村!」
あなたが告白をした,私たち十一人と一緒にね!





――END(最低男)
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