訪 朝 紀 行 (1997)


1997年8月12〜17日


【付録】 金剛山観光案内


 「世界の名山」として知られる一万二千の峰を擁する金剛山は、朝鮮東部の東海岸に位置しています。
 金剛山は、南北50キロ、東西40キロの広大な面積を占めています。
 金剛山は、毘盧峰を主峰として分水嶺をなしており、、東側を外金剛、西側を内金剛とよびます。
 金剛山の地脈が伸びている東海には海金剛があります。
 金剛山は、雄大で秀麗な千姿万態の景観をなしています。
 そのため、世界の金銀・財宝をすべて与えても金剛山と引き替えることができないという、諺が伝えられています。
 金剛山は、数多くの名勝が一か所に集まっている景勝の集合体であるといえます。
 金剛山は、古くから「一万二千峰」とよばれている、切り立ったように高くそびえている無数の峰々や万状の奇岩、絶壁の下を流れる深い渓谷、壮快な千丈の滝と谷間を流れる清らかな水、鏡のような潭と湖水、海辺の特色ある音色や美しい珍奇な草木、これらのすべてが互いに調和して神秘境をなしています。
 金剛山を探勝するツーリストは、そのたぐいなき絶景に魅了され忘我の境にひたるでしょう。
 毘盧峰を主峰としてそびえ立つ金剛山は、山頂と山ろくの気候が異なり海岸側と陸側の気象も違います。
 金剛山のある境域に雨が降る時、他方では滝から清く薄い霧が大洋の光を受けて空中に美しい虹をえがくかと思えば、別の方では彩雲が峰々をただよい渓谷を流れます。
 金剛山は、植物相がひじょうに多様かつ豊富ですが、温帯から寒帯にわたる数多くの草花と特種植物をはじめ、千余種の植物相が成育しています。
 また、様々な樹木は季節ごとにそれぞれ山をいろどり、金剛山の風致をいっそう引き立てています。字が刻まれており、金剛山の美をひときわ引き立てています。
 百花が咲きかおる春の金剛山は宝石のように光輝き、流れゆく雲も奇岩、絶壁にたわむれ、緑したたり小鳥さえずる夏の金剛山、満山に紅葉燃えさかり谷川に映る月光さやかな秋の金剛山、風が吹き全山が霧水と氷柱で粛然とさせる冬の金剛山、このように、金剛山は四季別にそれぞれ異なった神秘境をみせます。
 金剛山は、その姿態が随時に千変万化して人びとを魅惑します。
 日の出と日没時には黄金色が全山を包み、奇妙な峰々ごとに銀色の輪がとりまきま崇厳な光景を見せます。
 雲が流れ霧が動く時には、峰々と奇岩怪石がそのままいっしょに移動するようです。
 植物相が多様かつ豊富な金剛山には、さまざまな動物が生息しています。
 内金剛は、金剛山の渓谷美を代表する万瀑洞をはじめ優美な景観をもって女性的であり、外金剛は万物相の集仙峰など金剛山の山岳美を代表する峰々や多くの滝がある渓谷を擁する雄大な絶勝をもって男性的といわれます。
 そして、海金剛は壮快な海岸の景色と美しい湖が調和してすぐれた風景をなしています。
 朝鮮人民は、世界的な名勝である金剛山を昔からこよなく愛し多くの遺物、遺跡、詩歌、伝説などを残しています。
 金剛山にまつわる伝説や物語は、峰々や岩ごとに、潭と滝などにこもっているので、ツーリストをいっそう楽しませます。
 金剛山の楡帖寺、長安寺、神溪寺など四つの大寺と百余の庵、多くの石塔、石どうろう、石仏、碑石などは、朝鮮人民の才知と英知をうかがわせます。
 外金剛の主流峰と万寿峰、内金剛の香炉峰をはじめとする名所の巨岩には文字が刻まれており、金剛山の美をひときわ引き立てています。

(朝鮮松涛園貿易会社)


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