中国台湾の現行コイン(1)


現在、発行されている硬貨



 
 下の6種は、現在発行されているものです。なお、台湾部でも大陸部と同じく、貨幣の単位は100分=10角=1元(圓)です。ただし、台湾では分という単位はとっくに消滅したようです。

 
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現 行 50 元 硬 貨


 50元は金色のけっこう大きな硬貨です。描かれているのは両岸(大陸と台湾)でともに尊敬を集めている孫文です。台湾地区の硬貨の特色は、中華民国時代そのままに民国暦を採用していることですが、50元硬貨だけは、西暦も併用しています。2002年から発行されています。
 裏面(右側)の中央の円には偽造防止のための特殊加工が施されており、見る角度によって「50」と「五十」の二種類の文字が浮き出るようになっています。

 材質は不明です。


20 元 バ イ メ タ ル 貨


 20元もバイメタルの大きな硬貨で、正十二角形という凝りようです。「中華民国90年」とは、辛亥革命が起こった1911年が「中華民国元年」ですから、1911+90=2001年発行の硬貨です。描かれているのは、霧社事件(1930年、台湾先住民タイヤル族が日本の植民地支配に抵抗した武装反乱)の際の指導者モーナ・ルダオです。なお、この硬貨は台湾でも、ほとんど流通していないそうです。2001年から発行されています。
 表面(左側)下部の小判型のところに、これまた偽造防止のための特殊効果が施されており、角度によっては「2001」と西暦年号が浮き出るようになっています。
 材質は、銀色部分は白銅、金色部分は黄銅だと思われます。



10元白銅貨 5元白銅貨 1元青銅貨 5角青銅貨


 10元・5元・1元・5角の4種は皆1981年から発行されています。10元と5元は白銅貨で、1元と5角は青銅貨です。10元・5元・1元に描かれているのは蒋介石であり、5角には台湾地区の「国花0である梅の花が描かれています。
 こういった梅のシンボル化された図案を見ると、日本も中国も同じ文化圏であることを改めて実感します。

 ※台湾を中国の一部とすることに反発を感じる日本人は少なくないかもしれませんが、一方で、ヤフオクなどでは、これらの台湾地区のコインが、よく「中国のコイン」としてオークションに出されています。確かに一種の「無知」の産物なのかもしれませんが、「日本以外の漢字使用国=中国」というのは、ある意味では常識的な判断だと思います。実際、台湾も正式には「中国」(「中華民国」であっても)を自称しているのですから。







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