奈良新聞(平成11年7月15日版)掲載
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家庭で測る血圧・その1
                       県医師会 下里直行    

 
健康ランドやスポーツ・センターなどで、なにげなく測った血圧が高かった。
 家で測るとそれほどでもないのに、病院で測ると必ず高血圧だと言われる。
 高血圧のクスリを飲んでいるが、本当に効いているのか不安である。
 血圧に関して、このような心配や疑問を持っている人は血圧計を購入して、
自分で測定してみてはいかがでしょうか。

 今回から二週にわたり、家庭血圧の測定法と活用の仕方についてお話します。
 血圧計は家電用品売り場や薬局などで購入できます。
 最近では、全自動でも四千円〜六千円ぐらいです。
 機種はカフ・オシロメトリック法の「上腕用」を選ぶといいでしょう。
 指先や手首に巻くタイプのものは、上腕に比べると少し制度が落ちるものも
あるようです(参考資料==)。

 
また、十年以上前に購入したものは測定法に問題があるので、新たに買い替
えたほうが賢明でしょう。
 購入したらかかりつけ医に、誤差の調整をしてもらってください。
 左右どちらの腕で測ってもかまいません。
 排尿・排便の前後にこだわる必要はありませんが、前後どちらかに条件をそ
ろえてください。
 高血圧のクスリを服用している人は服用前に測定します。
 一日に何回測定してもかまいませんが、原則として、朝起きて一時間以内、
朝食前に、座って測定します。

          
朝起きた直後が平均値    

 
起きた直後の血圧が、一日の血圧変動の平均値に最も近い値を示すからで
す。

 
以上のような方法で測定した血圧を、少なくとも二週間から一ヶ月間記録し、
 その平均値を算出します。それが家庭血圧です。
 家庭血圧の理想的な値は、上の血圧が125mm/Hg未満。下の血圧が75mm
/Hg未満です。

 
の血圧が130〜135mm/Hg以上、下の血圧が80〜85mm/Hg以上であ
れば高血圧の可能性があります。

 
次週は家庭血圧測定の有用性について説明します。 
           

       
  【参考文献:柊山幸四郎、他:日臨内医誌、13(2)、1〜6:1998)】