審美歯科／ホワイトニングについて

１人の口の中でも、歯の種類によって色が違います。下あごの真ん中が一番白く、上下の犬歯が一番色が濃い傾向にあります。
歯の色の基準の事を『シェード』といいます。歯の色はシェードの見本を並べたシェードガイドや専用の測定器で測定する事が出来ます。
歯の色は元々個人差が大きく、年齢や生活習慣、飲食物の嗜好などによって違いがあります。日本人の平均的なシェードはA３で、やや黄色みが強い傾向にあります。

クリーニングとは、歯の表面に付着したステインなどの汚れを専用の器具で機械的に取り除く事を言います。ホワイトニングを行う場合には、前処置として必ずクリーニングを行う必要があります。
ホワイトニングは、歯の内部に作用して、歯そのものの色を薬剤で科学的に白くしていきます。ホワイトニングでは、歯石やステインは取れません。

入れ歯や差し歯などの人工の歯は白くなりませんし、内因性の着色は希望通りの白さにならない場合があります。
内因性の着色とは、子供の頃に服用したテトラサイクリン系抗生物質の、歯の内部への沈着による変色、神経を抜いた歯の変色、歯の治療に使用した金属からでる金属イオンによる変色、加齢に伴う自然な変色などがあります。

●ホームホワイトニング･･･自宅で出来る方法です。
まず、お口の型を摂り、それに合わせて歯科医院でトレーを作ります。
トレーに１０％の過酸化尿素を満たし、１日２時間程、歯にトレーを装着します。
１週間ぐらいで白さを実感でき、２〜３週間で理想の白さになります。オフィスホワイトニングより白くなりますが、時間がかかります。

●オフィスホワイトニング･･･歯科医院やホワイトニングサロンで行う方法です。
３５％の濃度の過酸化水素を使います。短時間で効果をあげられますが、薬剤の浸透が弱く、白さは長続きしません。
結婚式や発表会といった特別な日までに早く白くしたいというような方には適しています。

●デュアルホワイトニング･･･ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを並行して行います。
２つの方法を併用して行うのでより高い効果が望めます。白さもホームホワイトニングより長続きします。

歯の着色の元となっているのは、エナメル質の中にある有機性の着色物質です。
オフィスホワイトニング剤の主な成分である過酸化水素は、光や熱などによって分解し、科学的に不安定なフリーラジカルを発生してエナメル質の中の着色物質を分解し、着色の少ない物質に変化させます。
ホームホワイトニング剤の主な成分である過酸化尿素は唾液や体温の影響で１３が過酸化水素に、２３が尿素に分解されます。過酸化水素はさらに分解してフリーラジカルを発生し漂白作用が、現れます。また、尿素はたんぱく質を分解し、フリーラジカルの漂白作用を助けます。

一般的な軽度の黄ばみ程度なら、２〜３週間のホワイトニングで白くなります。
急いで白くしたい方や、何度も来院できない方には1日で仕上げるオフィスホワイトニングが適しています。
ですが、一般的な歯の色より濃かったり、薬の副作用による重度の変色があると短期間では白くなりにくい事があります。
そんなケースでも、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの時間と回数を増やす事で、より白くする事が出来ます。ただ、残念ながら、白さの限界もありますのでどのくらいの白さを目指すのか、どれぐらいの期間続けるのか、よく相談してください。
ホワイトニングの効果は個人差がありますが、半年から1年で「後戻り」します。オフィスホワイトニングは薬剤を使用する時間が当日１日程と短いので、後戻りも早くなります。
後戻りしやすいかどうかは嗜好品や生活習慣によっても変わってきます。
喫煙される方や、コーヒー、お茶、ワインなど着色成分の含まれるものを普段多く摂取されている方は少し控えめにするよう心がければ、効果がより長く持続します。

一般的にホワイトニングに痛みを伴う事はありませんが、知覚過敏によって、しみる事があります。
その場合は、まずトレー装着時間を短くして様子を見て下さい。同時に普段使用している歯磨き剤を硝酸カリウムの入ったものに変えてみるのも手です。硝酸カリウムは歯の神経にしみる刺激を遮断する作用があります。
もう一つは、フッ化物ジェルを使用する事です。歯の表面を強くし、知覚過敏を和らげます。
ホワイトニングを始めた時に、薬剤の味やトレーに違和感を感じる方もいますが２、３日で慣れてしまいます。