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〒669-1133 西宮市東山台3丁目26−6
民法改正
民法/債権法改正(2020年4月1日施行)
民法の債権関係の規定(契約等)は,明治29年(1896年)
に民法が制定された後、約120年間ほとんど改正がされていませ
んでした。
この度、民法の規定を現代の社会・経済の変化に対応させるとと
もに、国民一般に分かりやすいものとする等の指針に基づき、大幅
な改正がなされました。
改正の項目は,小さなものまで 含めると合計200程度です。
※詳細は、こちらを参考ください
法務省HP「民法の一部を改正する法律の概要」
以下に
重要な改正点のポイント
を紹介していきます。
1.消滅時効に関する見直し
(改正法166条他)
改正のポイント
@消滅時効期間の統一
A時効の完成猶予(旧:時効の停止)、更新(旧:時効中断)
の制度の新設
B協議による時効の完成猶予制度の新設
・改正前の消滅時効の期間は、原則的には10年としながら、飲
食店の代金は1年、弁護士費用は2年、医療機関の診療費は3
年などと、職業別に規定されていましたが、
改正法は、債権者が
「権利を行使することができることを知った時から5年」、
「権利を行使することができる時から10年」
で統一されました。
よって、職業別の短期消滅時効、商事時効(5年)の規定は廃止
されました。
但し、すべてが一律「5年・10年」ではなく、例外もありま
す。
不法行為による損害賠償請求権
については、原則として、
「知った時から3年、不法行為時から20年」
とする従来の規定が維持されています(改正法724条)。
一方、
生命・身体への侵害による損害賠償請求権
については、
その法益の重要性に鑑み、一般の時効期間より長く、
「知った
時から5年、侵害時から20年」
とする特則が設けられました(改正法724条の2)。
2.法定利率に関する見直し(改正法404条他)
改正のポイント
@法定利率の引下げ(年5%→3%に統一)
A3年ごとに見直す変動制の導入
B商事法定利率(6%)の廃止
3.保証に関する見直し(改正法465条の2〜465条の10)
改正のポイント
@個人が保証人になる場合、保証額の上限を決めること
(根保証契約)
A保証人に対する情報提供のルールを設けること
B事業のための債務について個人が保証人になるときは
公正証書要件を課すこと
・改正民法では、個人に保証人になってもらうためには、保証
額の上限を決める必要があり、さらにその保証人に対して、
あらかじめ財産や収支の状況などを報告する義務が定められ
ました。
4.定型約款に関する規定の新設(改正法548条の2〜他)
改正のポイント
@電気、ガス、宿泊、保険、運送、通信などの定型的なサービ
スを行っている事業者が一方的に「定型約款」を変更すること
により、契約内容を変更することが可能であることを明確化
A約款の変更が相手方の一般の利益に適合する場合に限定
・定型約款を定める事業者は、サービスの提供にあたり、定型
約款を契約の内容とすることを利用者と合意するか、利用者
にあらかじめ表示することで、「定型約款」の個別の条項に
ついて逐一合意しなくても、その有効性を利用者に主張する
ことができます(みなし合意)。
但し、利用者の権利を過度に制限する条項や過大な責任を負
わせる条項については、このようなみなし合意の効力は否定
されます)。
5.賃貸借に関する見直し(改正法621条、622の2条)
改正のポイント
@敷金の定義(賃料債務等を担保する目的で賃借人が賃貸人に
交付する金銭で、名目を問わない)を明記
A敷金の返還時期(賃貸借が終了して賃貸物の返還を受けたと
き等)、返還の範囲(賃料等の未払債務を控除した残額)等
に関するルールを明記
B賃借物に損傷が生じた場合には、原則として賃借人は原状回
復の義務を負うが、通常損耗(賃借物の通常の使用収益によ
って生じた損耗)や経年変化についてはその義務を負わない
というルールを明記
6.請負に関する見直し(改正法562〜564条、559条)
改正のポイント
@請負人の業務の履行が不十分な場合、売買の規定を準用
A請負人の業務の履行が不十分な場合でも、注文者が利益を受
けている場合、請負人は、その利益の割合に応じて報酬の請
求をすることが可能
B注文者が破産手続開始決定を受けた場合、請負人の解除権に
関するルール変更
・仕事の目的物が契約の内容に適合しない場合の請負人の責任
は、原則として売買の規定が準用されることになりました。
すなわち、請負人の業務の履行が不十分な場合、注文者は請
負人に対し、@目的物の修補等、代替物の引渡し、または不
足分の引渡請求、A代金減額請求、B損害賠償請求、C契約
の解除を請求することができます。
・次のいずれかの場合において、中途の結果のうち可分な部分
によって注文者が利益を受けるときは、請負人は、その利益
の割合に応じて報酬の請求をすることが可能であることが明
文化されました。
一、仕事を完成することができなくなった場合
二、請負が仕事の完成前に解除された場合
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