【Music Holiday】   聖地に来たる
      =ザ・フー歴史的初単独来日公演追っかけレポ Vol.12=    

2008/12/19

   【月曜日:before STAGE】  

 8時半にNホテルをチェックアウト。フロントでスポーツ新聞を見るが、さいたまの記事は載っていないようだ。時間があるので東京駅まで一駅分歩いてみるが、さすが大東京と言おうか、物凄い数のサラリーマン&ウーマンの行進である。その軍団の波の中、デカい旅行カバンとトートバッグを下げてプラプラ歩く怪しげな私…… しかし、君達には申し訳ないが、私は今日は仕事なんかせずに至福の夜を過ごすんだもんね、などとバカな台詞を心の中で呟いてみる。


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桜田門付近からの秋の風景 ヤングなお母さんに撮ってもらったバカ記念撮影
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同好の志は他にもいるのである なおもしつこくタマネギを入れて撮影
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某ブート屋店頭のミニ看板 某ブート屋店内の来日記念セール光景

   東京駅のコインロッカーに旅行カバンを預け、八重洲口のレンタカー屋で自転車を調達してて江戸城、というか皇居一周サイクリングに出掛ける。最初は少し寒さを感じたが、走ってるうちに体が温まってきて非常に心地よい感じになってくる。  
   八重洲口から時計回りルートでまずは二重橋のあたりへ。小さい「立ち入り禁止表示」を見落とし、ショートカットのために砂利のところに入ったら、警官に鬼のような形相で怒られてしまった。それから桜田門⇒半蔵門とペダルを漕ぐが、半蔵門へ登る坂がキツくて喘ぎモードになる。国会議事堂をバックにした紅葉が見頃で綺麗だった。


   半蔵門からは風を切って下り、田安門から武道館方面へと進入する。さいたまとか横浜にはよく来てるんだが、武道館は意外と初めてなのである。その初めてがフーというのは、まぁ偶然なんだが、よく出来ていて勝手に感動する。  
   田安門からの急坂を自転車を押して上り、ついに屋根上のタマネギを視野に捉える。大阪城ホールにもいたトレーラー軍団を横目に進んでいくと、正面入口に「ザ・フー来日公演2008 LIVE AT BUDOKAN」の大横断幕が。これには思わず「キターーー!」と叫んでしまった。横断幕の上にある重々しい「武道館」の看板と併せて、本当に感涙モノである。さすがに11時前だと誰もいないが、その静けさがかえって感動を呼ぶ。
   とにかく意味もなくその辺うろつきまくり、写真を撮りまくる。小さい女の子を連れて散歩に来てた若いお母さんに頼んで横断幕バックの記念写真まで撮ってもらう。お母さん「武道館っていう看板入れるんですよね?」私「あ、看板もですけど、横断幕切れないようにお願いします」お母さん「ざふーって書いてるのですよね?」私「あ、はい。よろしく」

   記念写真を撮ってもらった後、さらに周囲をうろつく。そのうちにチラホラとフーTシャツを着たヒトが撮影しているのを見かけるようになる。ようやくその場を離れてトイレ行ったり、吉田茂の銅像見て、またもや11時半頃戻ってくると、既に正面入口前にはウドーがフェンスを設営しており、横断幕の近くには行けなくなっていた。早起きは三文の得、とはよく言ったものである。


    武道館前で結局1時間以上過ごしたあと、あいにく月曜でお休みの東宮御所を眺めながら丸の内方面を通過し、八重洲口へ戻る。自転車返却後、軽めに昼食を取り、地下鉄で西新宿へと向かう。  
   知ってるヒトはとことん知ってる、知らないヒトは全く知らない西新宿ブート屋界隈だが、噂どおりかなりの寂れ様であった。昔は大物アーチストがライブをやる日は店先でビデオ流したりして盛り上がってたものだが、今はそういう光景も全くなく、昔よく行った店も少なからずシャッターを下ろしていた。 まぁ音源さえ手に入ればいいってヤツはトレントでダウンロードする時代だし、盤に拘るヤツはネット通販に流れるということで、対面販売は細っていく一方らしい。ブートのリリース枚数自体はむしろ増えているらしいが。  
   それでもいくつかの馴染みの店を覗いてみると、どこもフーの記念セールをやっていて、ちょっといい気分になった。これっていうのがなかったので買わなかったけど、というか、通販の方が安いように思ったからなのだが……

   ラーメン屋と怪しげなビデオ屋ばっかりになった西新宿の衰退ぶりに寂しい感情を抱きつつ、マクドで小休憩。ノーマルトートバッグからターゲットマーク・トートバッグに変え、いよいよ武道館へ乗り込むこととする。  
   なぜか飯田橋下車という変則ルート経由で武道館前に到着したのが5時半。既に陽は落ちていて、みんな記念写真は中々上手く撮れないようで、朝に記念撮影してる私は勝ち組だと、スケールの小さい喜びに充たされる。


   チケットを引き換えた後、なおも暗い会場前を徘徊していると、大人気のドラえもん氏を発見し、記念に写真を撮らせて頂く。ドラえもん氏、というか女性なのでドラえもん嬢と称すべきかもしれないが、彼女を初めとしたファン有志が「フーさま、アジアに来てちょ!」という愛情溢れる動画を作成し、フーサイドに送ったことが今回の奇跡の日本ツアー実現の要因ではないか、と言われている最重要人物なんである。  
   んで、なんでドラえもんなのかというと、かの名盤『クア"ドロ"フィニア』のジャケットをドラえもんに置き換えてパロッた『クア"ドラ"フィニア』が大好評で(彼女はイラストレーターさん)、勢い余って(?)ドラえもんファッションで会場に出没しているからなのである。本人さんは「ドラえもん」じゃなくて「クアドラちゃん」って呼んで欲しいそうだが。

   そんな最重要人物との邂逅もありつつ、いよいよ会場内へ。今日の座席はFCで大枚4万5千円払って手に入れた4列目やや右側である。左寄りだったので見えにくいかと心配したが、すごく良いポジション、オペラグラス不要でピートとロジャーの表情がはっきりと分かる場所であった。


   座席の両隣はまだ空いていたが、右隣の椅子下に見覚えのあるカバンが置いてある。「これは昨日さいたまで隣にいた人のカバンでは?」と思っていると、やがて現われたのはやはりその方(Oさん)であった。そうなると「偶然ですねぇ」から始まって自然といろいろお話させて頂く流れに。まぁ奇遇だと思ったが、話をきいてみるとFCチケット入手にいたる数分刻みの行動パターンが全く一緒だったという訳である。  
   Oさんはさいたまと今日の武道館のみの参加だそうで、私の見た大阪・横浜の感想などを話しているうちに、会場は異常なテンションに支配されていく。同じライブでも観客のテンションが全然違う、これって考えてみれば不思議なことなのだが、やっぱりそれが「聖地」の持つパワーなのだろうか。

   4回のライブ(追加公演を除く)でどれか1回しか行けない、という人のかなり多数は今日の武道館を選んだのであろう。昨日のさいたまが日曜5時という好条件だったけど、それでもやっぱり「ブドーカン!」 そんなみんなの執念、怨念が渦巻いているようである。

   とにかく、過去3回のステージとは全く比較にならない異様な盛り上がりの中、ついに7時10分に伝説になるべく「ザ・フー来日公演2008 LIVE AT BUDOKAN」がスタートした。


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