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■GLAY首位爆走、いくか500万枚?
      =オリコンアルバムチャート 97/10/27=

1997/11/3

   相変わらずGLAYが独走中で、ドリカムは2位キープ。初登場3位のX JAPAN、4位のFIELD OF VIEWと合わせて上位4位までがベスト盤で占められている。確かにベストはお買い得だが、何やらレコード会社の商魂にまんまと載せられているように感じるのは、アマノジャクの私だけだろうか?

   それにしても、強い、強い、つぉーいGLAYである。300万枚突破は当然として、最早あのglobeの450万枚を突破するかどうかが焦点となってきた。個人的には80年代産業ロックのようなあのサウンドは少し遠慮したいが……

   一方のドリカムは、本人達がソニーの勝手な(?)仕業であるこのベスト盤についてあまり快く思っていないようで、これくらいの売り上げがちょうどいいのかもしれない。とはいえ200万枚というとんでもない数字である。

■最強globe、最強ティーンズに敗れる
      =オリコンシングルチャート 97/10/27=

1997/11/3

   シングルチャートは6位までが初登場という大混戦となったが、大方の予想を裏切り、大本命globeをSPEEDが抑えた。今作は「テンパリ過ぎ」島袋寛子から「ちょっとだけ大人」今井絵里子中心のヴォーカリゼイションに仕上がっており、少し落ち着いて聴くことができる。

   2位に甘んじたglobeは、豊川悦司主演のドラマ主題歌。泣きメロ満載の王道パターンで、結局、小室サウンドの鍵は日本人受けするメロディとギターの絶妙なブレンド加減にあることを再認識。

   下の方では6位の広末涼子に注目。今までのシングルの楽曲提供者は、竹内まりや、岡本真夜、そして原由子とガールズ・ポップの王道狙いだが、果たして今井美樹の後継者を襲名できるかどうかは今秋発売予定のファーストアルバムのお楽しみ。

■エルトン・ジョン遂に落城、スパイスガールズに首位譲る
 

1997/11/3

   全世界で3200万枚という有史以来のセールスを記録したエルトン・ジョンのダイアナさん追悼ソングだが、本国イギリスでは遂にトップから陥落した。で、新しいトップシングルが、よりによってスパイスガールズ。別に彼女達には何の悪意もないが、典型的な使い捨てポップスがストップ役になったとは皮肉なものである。

   しかし、エルトン・ジョンも20年前はまさに今のスパイス・ガールズ的ポジションで猛威を振るっていた訳で、コアなロックファンからは随分馬鹿にされていた訳であって、新旧メガポップスターのバトンタッチと考えれば、面白いかもしれない。

   でも、大傑作ですよ、オリジナルの「Candle in the wind」が収録されたアルバム「Goodbye yellow brickroad」は。みなさん、騙されたと思って買ってください。最近、生誕50周年セールで廉価版が出てます。

■R.E.M.からドラマーのビル・ベリー脱退!!
 

1997/11/3

   現代ロックシーンでU2と共に最大の影響力を誇るバンドR.E.M.から、ドラマーのビル・ベリーが突然脱退した。「エネルギーがなくなった」だの「これからも友達だ」だのとNMEの記事にはあるが、結局脱退の理由はよく分からない。R.E.M.といえば、アセンズの学生時代から1枚岩の結束を保ってきたバンドで、まさにこの4人だからこそのR.E.M.だと誰もが思っていたはずだ。また、最強の4人で素晴らしいアルバムを作りあげてくれるはずだったのに。

   巷の噂では、前作「New adventures in Hi-fi」が、彼らの十年来の右肩あがりのセールスカーブを初めて下げたことから、音楽性を巡って少なからぬ対立が起こっていたとのことだが……

   メガ・セールスとアーティスティック評価が並立し得る数少ないバンドR.E.M.の今後に暗雲が立ち込めていることだけは事実だが、我々は、ベリーにも残された3人にも素晴らしい未来が拓けているように願うしかない。

■ローウェル・ジョージのトリビュート盤に桑田佳祐が参加
 

1997/11/3

   桑田佳祐のリトル・フィートへの傾倒振りは、サザンのファースト・アルバムに「いとしのフィート」なる曲が収録されていることによく表れているが、ただ単に好きというだけに留まらず、実際にトリビュート・アルバムに参加し、西海岸の猛者を相手に一歩も引けを取らないパフォーマンスを披露できるところが彼の凄いところだ。最近は、例の慰撫悶汰のジャズショーや、往年歌謡曲ライブなど濃い活動の目立つ桑田氏。今回のアルバム参加はその課外活動の集大成とも思える素晴らしい出来である。

   なお、ジャクソン・ブラウンとデヴィッド・リンドレーの共演復活というのもこのアルバムの聴き所だ。

■稀代の怠け者マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの新作は今世紀中に出るか?
 

1997/11/3

   91年以来沈黙を続けているマイブラのケヴィン・シールズが、先般のスマッシング・パンプキンズに続き、プライマル・スクリームのニューアルバムにも顔を出している。「そんな暇あるんやったらさっさと自分のバンドの活動せんかい!!」とお怒りの諸兄は多いであろう。

   しかし、完璧なギター・アンビエント・ワールドを作り上げた前作「愛なき世界」の異常なまでの完成度を考えると、ケヴィンが長年グズグズしている気持ちも分かる。分かるが、それでは困る。あんたらもストーン・ローゼズになっちゃ困るのだ。

   とにかく、つまらんもんでもいいから、シングル1枚でもいいから、新作を発表してくれ。今年中などとは言わんから。死んでお詫びなんてサムライじゃあるまいし。

■今年の「ロックの殿堂入り」発表、パンクももはや歴史か?
 

1997/11/3

   フリートウッド・マック、イーグルス、ママス&パパスなど「殿堂入り」を果たした顔ぶれについては、まあそんなもんかなと思うが、びっくりするのは落ちた連中の方。ビリー・ジョエルなんてまだバリバリの現役なのに、じじい扱いされて入ってるし、何より一番驚いたのは、ニューヨーク・パンクの雄ストゥージズ。

   いくらバンドの活動時から20年も経てるとはいえ、パンクが殿堂入りとは時代も変わったもんである。もし受賞してたら、イギーポップがあの怖い顔で傷だらけの体をさらしながらスピーチしたんだろうか。それはそれで見てみたいが。

■少年少女戦争尻目に余裕の大人サザンがゆったりチャートイン
      =オリコンシングルチャート97/11/17=

1997/11/21

   今年一の強さを誇っていた最強少女軍団スピードを今週蹴落としたのは、最強少年軍団V6。まあ、いつものV6節で新機軸は見られない。同じジャニーズでもSMAPはあんなに面白い音を作っているのに、何だか差別されてるよなぁ。もっと差別されてるのはTOKIOだけど。

   その他の初登場組は、前作からガラリと変わった王道ミディアム・バラードを送り込んできた5位のサザンのみ。あまりにも予想通りの音でスリルはないが、メロディの宝箱桑田佳祐の底力を見せ付けられるナンバー。

   今週は全体的にガチャガチャした曲の多いトップ10となったが、その中で異彩を放つのは、9位にジャンプアップしたジュデマリのバラード「LOVER SOUL」。いかにもバンドブームに乗って出てきました感が拭えなかった数年前が嘘のような貫禄振りだ。キャリアは長いが全然成長しない何処やらのヴォーカルとギターの男2人組みバンドにも、ちょっとは見習って欲しいものである。

■まだまだ死なないビーイング。小室ファミリーには負けません
      =オリコンアルバムチャート97/11/17=

1997/11/21

   とうとうGLAYが首位陥落! 代わって王座に就いたのは、アルバムは実に久しぶりのWANDSのベスト盤。ビーイング勢の中では頭一つ抜けたグルーブを持っているこのバンドは、しばしばメンバーチェンジを繰り返すことでも有名で、もう結成当時のメンバーは誰も残っていない。それでも、やや歌謡曲的ではあるものの骨太なグルーヴィ・ボトム・サウンドを保持し続けており、同じビーイングのヴォーカルとギターの男2人組バンドなどとは雲泥の差である。

   あと注目は、8位のミッシェル・ガン・エレファント。今年に入って、エレファント・カシマシの苦節十年ブレイクを筆頭に、飾り気のないストレートなロックがオーバーグラウンドに浮上してきているが、キンクス、フーあたりの影響がバリバリのミッシェル・ガン・エレファントもまさかここまで売れるとはねぇ、思いませんでした、私は。嬉しいけど。

   しかし、スパイス・ガールズって日本でも人気あったんですねぇ。

■このまま先細りは避けてくれ、ジョン……
      =シーホーセズの元ドラマーから脱退に関する反論、ライブも精彩なし=

1997/11/21

   長い間、曲がりなりにロックを聴いてきた中でも、やはりストーン・ローゼズはその衝撃、思い入れからして殆ど別格に近い存在であった。だからこそ、悲劇的な最期にも関わらず、それぞれのメンバーの新しい活動を応援していきたいと思っているし、そういう思いで見つめてきた。

   しかし、ローゼズ瓦解の張本人(?)ジョン・スクワイアの新バンド、シーホーセズには、残念ながらかつての熱き思いを見出すことはできない。今回のニュースも真相がハッキリした訳ではないが、非常に後味の悪いものだ。ローゼズ時代の究極の名ドラマー、レニと比較すれば、大抵の輩は平凡に見えるのは当然のことで、一ファンとしては「そんなん、最初から分かってるやん」とジョンに注進したくもなる。プレイヤビリティを求めるのならローゼズを壊すべきではなかったのだ。反対にプレイヤビリティを求めないとするなら、何故このような一方的な解雇を行うのか? 性格最悪でも作品が素晴らしければ許されるが、今のジョンは……である。

   先日のライブでも、通り一遍のパフォーマンスを見せるのが精一杯で、むしろ「やる気がない」と言われても仕方のない盛り上がりに欠けるステージだった。ローゼズの初来日と同じたった55分間のショウ。しかし、その内容は雲泥の差。あのきらめくばかりのジョンを見れる日は、もう戻ってこないのだろうか?

■中国、そしてチベットに真のロックが響く日は来るか?
      =90年代最高のロック・チャリティ・アルバム「チベタン・フリーダム・コンサート」発売=

1997/11/21

   ロックとチャリティというのは今や切っても切れない仲で、一方では偽善だ何だとの批判も数多く見受けられるが、個人的にはこの種のイベントには賛同を表する方で、今回の「チベタン・フリーダム・コンサート」に関してもその意義は大いに評価すべきものであると思う。

   結局、USA・フォー・アフリカがなぜあんなに情けなかったかというと、音楽がつまらなかったからである。音楽はあくまで音楽。チャリティと言えども、いやチャリティだからこそ音楽自体が高い質を保たなければ、説得性に欠けてしまうのだ。このライブでは、言い出しっぺのビースティーズを初めとして、ペイヴメント、ブラー、ビョークなどの「今は旬組」と、パティ・スミス、U2などの「歳は取ってもトンガってるぜ組」がハイテンションなパフォーマンスを披露しており、理屈抜きの傑作ライヴ・アルバムに仕上がっている。

   もうひとつ、特筆すべきは3枚組のCD3がエクストラ仕様になっていて、チベット問題の資料が豊富に閲覧できること。わざわざ、別に関連文献などを入手しなくとも問題のアウトラインはこのCDで同時に把握してしまえる仕組みで、これからのチャリティ・アルバムのあるべき一つの方向を示したものとして注目すべきだろう。

■ポップの鎧を着ていた過激派か、はたまた過激派がポップの鎧を着たのか?
      =数限りない弾圧をくぐり抜け世界制覇目前、
         ポップ・パンク・バンド、チャンバワンバ13年目の大ブレイク=

1997/11/21

   私は目を疑った。全英2位である。チャンバワンバが2位なのだ。そして、その後もっと驚いた。全米トップ10入りである。

   この珍妙な名称を有する純英国産バンドは、ライブエイドはブッタ切るわ、出産モロ写真をジャケットに使用して発禁は食らうわ、全編盗作のアルバムは作るわ、当然政府には何から何まで喧嘩を売るわ、とまあ大変な活動を十三年間に渡って繰り広げたのだが、そのあまりの過激さ故にオーバーグラウンドとは殆ど無縁であった。

   んがぁ、しかしぃ、ここ97年に、もはやサッチャー女史もいないこの時代に突然のブレイク。確かに、以前から発禁連発の歌詞に反比例して、とてもキャッチーな曲を書くバンドではあったが、それにしても、少し怖くなるくらいの売れ方である。更にはもっと恐ろしいことに、ここ日本でも売れ始めているのだ。

   ちょっと、ジジくさいことを言いますが、皆さん、チャンバワンバのアルバムをどんどん買ってくれるのはいいですが、ちゃんと歌詞も読んでくださいね。どんなにポップになってもチャバワンバは戦う集団。言いたいことはハッキリ言う人たちです。だから、ちゃんと聴いてあげましょう。

■あの人がいなくても頑張るもんね!……?
      =クイーンの企画盤に初のフレディ抜き新録曲収録=

1997/11/21

   フレディ・マーキュリーの死からもうすぐ7年になるが、考えてみればクイーンは、まだ正式な解散宣言を行っていない。蔵出しアルバム「メイド・イン・ヘヴン」が発表された時には、さすがに本当の最後かと感無量になったが、結局公式発言は一切ないまま、突然この「クイーン・ロックス」が出現した。

   このアルバムは、いわば一種の企画モノで、ロックテイストの曲を集めたコンピレーション作品である。私のようなクイーンマニアにとっては、「バラード集」「ロジャーの作った曲集」「ジョンの作った曲集」と同じく、既にカセットで作成済みであろう企画だが、メンバー自身の選曲で改めて1個の独立した作品として聴いてみると、このバンドがいかに優れたハード・ロック・パフォーマンスを演じていたかを再認識できる貴重なアルバムとして丁寧に構成されていることが分かる。

   目玉その1は「I Can't Live With You」の97年ミックスだが、これはさほどの変化がある訳でもなく、まあこんなもんである。問題は目玉その2。これがクイーン史上初の完全フレディ抜き制作曲「No-one But You」なのだ。ブライアンとロジャーがヴォーカルを分け合うミディアム・バラードのこの曲は、中々の佳作に仕上がっているが、気になるのは「結局、クイーンって3人で続けていくの?」という点。ファンの多くに「きっぱりと終って欲しいよな、シミジミ……」という思いと「やっぱ嬉しいよな、ルン!」という思いを複雑に交差させる迷惑かつ歓迎されるべき、そして「君以外誰もいない」などとタイトルからしてややこしいこの曲が、一足早い3人クイーンからのクリスマスプレゼントである。


■13年ぶり新曲のおじさん頑張るも、時代は若者が席捲
      =オリコンシングルチャート97/12/8=  

1997/12/10

   今やレコード売り上げ面では、先輩のSMAPを圧倒するKinKi Kidsの4週連続1位を阻止したのは、国民的御懐妊シンガー安室ちゃんの休養前最終シングル。何だか曲調まで落ち着いちゃって刺激に欠けるが、ひとまずは御苦労さんということですね。

   ニューカマーの2番手は3位のスピッツ。10ヶ月ぶりの新曲は、イントロのブレイクビーツ(?)で一瞬度肝を抜かれるものの、結局はいつもの少しせつないスピッツ節。いいですねぇ。こういう化粧してない普通のバンドがもっとチャートに入ってきて欲しいもんです。

   あと、ついにトップ10入りした松本梨香の「めざせポケモンマスター」にも注目。あながち、アニメ人気だけとは侮れない良く出来た曲です。オーロラ輝子と並ぶ今年の代表的ロングセラーになりました。

   しかし、チャートが若い!! 10代、20代以外では、30代を飛ばして、不惑越えの大滝詠一先生のみである。SPEEDの4人足しても、大滝先生とあんまり変わらんのじゃないか?

   そういえば、もうすぐクリスマス。ということは山下達郎大先生の例の曲がまた入ってくるので、それまで大滝先生何とか踏ん張っていてください。あと、ワム!なんてのもボチボチ季節限定で売れ出します。


■男の色気と言っても色々あるようで……OLキラー河村が大差で実力派槙原をかわす
      =オリコンアルバムチャート97/12/8=

1997/12/10

   今週は1、3、10位と入っている男性ソロ・ヴォーカリストがトレンド。

   1位の河村隆一は、八面六臂の大活躍だった今年を締めくくる最初で最後のフル・アルバムが爆売れ中。ピアノ・バラードや一時期のボウイもどきのポップ・ソングなど母体のLuna Seaでは見れなかった柔軟なヨコノリを見せてくれた1年間だったが、来年はまたあのタテノリに戻るのかなぁ。嫌だなぁ。

   続いて、何時の間にか10年選手になってしまった槙原敬之が2位に初登場。その風貌はますます違う方向へ進化しているが、繰り出すポップ・ワールドはジャパニーズ・ポップスのひとつの完成形の域に達してきたようだ。そして、3人の中ではもっともブルース色の濃い(というか他の2人には実は全くないのだが)山崎まさよしが10位にチャートイン。

   バンド系では、4位のMOON CHILDが面白い存在。オモチャ箱を引っくり返したような幅広い音楽性は、少し前のL-Rみたいで、聴く者をワクワクさせてくれる。また、バンドではないが、小室ファミリーの変わり種hitomiの説教臭くないポジティヴィティも新鮮。

   洋楽勢で唯一圏内7位に入っているのが、アイルランドの歌姫エンヤ。うむ、ツェッペリンの10位より上に行くとは少なからず複雑な心境である。

■武道館3DAYSといえば昔はとてつもないステイタスでしたが
      =現代のビートルズは誉めすぎだけど、やっぱり素晴らしいオアシスの来日決定=

1997/12/17

   シングルのジャケ写に統一協会の合同結婚式の写真を使ったことで、スポーツ紙のみならず一般紙にも登場してしまった「現代のビートルズと言われるイギリスの4人組人気ロックグループ」オアシスの3年ぶり2回目の来日が遂に決定した。

   前回の来日は、デビューアルバム発表後のクラブツアー。いわゆる「東名阪クアトロ廻り」というやつで、オルタナ系の若手バンドの来日パターンである。普通は、その後ブラーみたいにホールクラスにステップアップしていくのだが、さすがはオアシスだ、いきなりの武道館3days。東京のみというのが残念だが、デカいことは素晴らしい的に巨大化の道を突っ走ってきた彼らのこと、きっと武道館でも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることだろう。

   今のオアシスの人気からすれば、ドーム公演でも十分ペイできると思えるのだが、2−3万人クラスの会場も通り越して武道館とはスマッシュも随分と手堅くきたもんである。もっとも、来年初めはストーンズ、U2、エルトン・ジョン&ビリー・ジョエルと、オアシスなんぞ青二才に考えている(であろう)超大物がドームを抑えているので、ブッキングが出来なかったのかも知れない。

   ただ、オアシス狂想曲も一時の勢いを失っているようで、特にステージが予定調和的になりつつあるとの批判が本国イギリスでは出てきている。だからと言って今回の来日公演に何らの影響がある訳ではないが、そんな批判を吹き飛ばすためにも「ああ、良かったねぇ」だけではなく、「なんじゃあれは?」と客に言わせるようなライヴが見れることを期待したい。

■鏡を通す方が自分はよく分かる、のかな?? 奥田民生地味に大活躍
      =オリコンシングルチャート 97/12/22=

1997/12/29

   KinKi Kidsのセカンド・シングルが返り咲きで通算3週目の1位獲得。ファースト・シングルの山下達郎に続いて今度は懐かしい馬飼野康二先生の作曲です。15年前のマッチと同じパターンで、80年代のアイドル黄金歌謡時代の再来を目指すのか?80年代といえばこの人も功労者、大滝詠一先生もロングセラーを予感させる再上昇の4位につけている。

   初登場は共に奥田民生プロデュース作品で、5位のPuffyと8位の浜ちゃん。Puffyはまたしても60年代テイストプンプンの佳曲で、また元ネタ探しが始まるんだろうなぁ、私もその一員だけど。最近、Puffyの今までのシングルを聞き返してみたのだけど、奥田民生というのは全く恐ろしいほど多くの引き出しを持つミュージシャンだということを改めて感じてしまった。世間的には、60-70年代のクラシック・ロックあたりがお里だと思われているみたいだけど、ホントはこの人にお里なんかないんじゃないか、とさえ思ってしまう間口の広さ。ただ、その広さが、自らの作品よりも、他人への楽曲提供、特にPuffyにおいて顕著に現れている点が面白い。

   もうひとつの浜ちゃんの方は、もっと奥田民生自身の作風に近いダラけた雰囲気のギターロック。けど、浜ちゃんが歌うと、何か昔の吉田拓郎にソックリです。浜ちゃんの曲では、「エキセントリック少年ボウイのテーマ」(この曲を作った増田俊郎も天才だ)に次ぐ優秀作。

■「何故日本のバンドが海外で通用しないのか?」ということを少し考えさせられるチャートでした
      =オリコンアルバムチャート 97/12/22=

1997/11/3

   初登場1位は古典芸能歌手、氷室京介だが、時間の無駄なのでコメントはつけません。3位に入ったユーミンは、毎年もう終わりか、と思っているのだが、なかなか元気ですねぇ。というか、昨年あたりから、マンネリを脱して、第二全盛期を迎えた感がある。ひとつ壁を突き破って、同じようなメロディの曲でも随分躍動感が出てきた。

   4位の初登場BUCK-TICK、5位のGLAY、6位のB'zと、このあたりは騒がしいタテノリ路線。1位の氷室も同じだが、どうしてこの人達はリズムを大切にしないのだろうと、今更ながら感じてしまう。拳を上下させるだけが、盛り上がる手段と思っているのか?リズムは早ければいいというものではないし、遅ければいいというものでもない。リズムとは、「拍子の数」ではなくて、「拍子の間隔」なのだと私は思う。この人達は表の「拍子」しかみていないから、どの曲も同じような表情になってしまう。「拍子の間隔」を楽しむことが出来て、初めて真のリズム、即ちグルーヴが生み出せる。

   フォーク・ギター1本でもロックは出来る。ピアノ弾き語りでもグルーヴは作り出せる。ジョー・ストラマーの「Punk is attitude − パンクとはスタイルではなく姿勢である」という名言を、のしを付けてこの人達に進呈したい。

   結局、1位にもコメントしてしまいました。

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