【Music Holiday】  しかし、邦楽聴くようになったなぁ>自分(^^;) 
      =不定期連載音楽コラム 『Guitar And Pen』 Vol.1=    

1999/2/28

wb01480_.gif (190 バイト)未だリハビリ中、退院までもう少し? :  Mr.Children『Discovery』wb01480_.gif (190 バイト)

discovery.jpg (9411 バイト)   少し前に、シングル『終わりなき旅』をケナしてしまったミスチルだが、ようやくニュー・アルバムを手に入れたので、感想などを少し。

   全体を通しての印象は、平均点って感じかなぁ。心配してた説教臭い歌詞は見受けられないが、曲の出来不出来の差が激しい。タイトル曲の『Discovery』から先行シングルの『光の射す方へ』へという導入部は、まさにELOが如き上昇感に満ち溢れていて、「やったぜ!」ってな快感だが、後はノレたりノレなかったりで、結局は傑作の認定にはイマイチの出来だった。

   特に気になるのが、ロック系というかアップテンポというか、そっち系統の曲に冴えがないこと。アコースティックな曲は、『Atomic Heart』以前に戻ったような清々しさを醸し出していて、素晴らしいのだが、アップテンポ系は、前作『Borelo』で到達した高みから一歩後退した感がある。

   ただし、バラード系でも『I'll Be』は駄目だなぁ。9分もやる曲じゃないでしょう? 『ゆりかごのある丘から』『Alive』の長さは必然だったが、この曲の長さは単なる無駄。長いだけが大作じゃないと思うのだが……


wb01480_.gif (190 バイト)ナカコーが歌い出したぞ! : スーパーカー『My Girl』wb01480_.gif (190 バイト)

photo.jpg (13800 バイト)   青森生まれのクールな田舎者、スーパーカーのニュー・シングル『My Girl』は、デジタル・ビートを導入した前作『Sunday People』から一転して、情感あふれるミディアム・バラード。でも、ファースト・アルバムにだって、アコースティックな曲はあったし、ミキちゃんの歌うシングル・カップリング曲『Alright』『Halkroad』も、胸キュンのバラードだった。だから「バンドの新生面発見!」みたいな売り方はちょっと違うと思いますよ。

   本人達は嫌がるかもしれないけど、デビューからこのシングルまで、どんなタイプの曲にも一種の『スーパーカー節』みたいなものがあるし、ノイズがあろうがなかろうが、ナカコーの書く珠玉のメロディ、ジュンジの醒め切ってるけど胸を焦がす歌詞の素晴らしさは、このシングルまでずっと不変のものだ。

   ただ大きく変わったのは、ナカコーの歌。聞いた瞬間にせつなくなっちゃうミキちゃんのヴォーカルとは違って、ナカコーの聞き取りにくいダウナーな歌い方は、やる気があるのかないのかさっぱり分からず、『スーパーカー=ジザメリ・マイブラ直系のノイズ・バンド』みたいなイメージ作りに図らずも寄与していた。

   ところが今回の『My Girl』とカップリング曲『Wavement』では、これまで歌詞カードを見ないと充分伝わってこなかったジュンジの詩のパワーを、ナカコーのボーカルを通して直接感じとることが出来るのだ。これこそが、ホントの新生面発見、じゃないのだろうか?

   「やる気なし世間適応力ゼロ人間(by コーダイ)」のナカコーが僕らにアクセスしようとし始めた時、スーパーカーはもっと凄いバンドになるはずだ。さあ、セカンド・アルバム発売まであと少し!

wb01627_.gif (253 バイト)Seeker's Holiday Camp