水稲斑点米カメムシ類の心配は?

  センチピードグラスのは種または定植翌年から、7月から9月にかけて、多くの穂が出てきます。この穂に水稲斑点米カメムシ類がつきます。水田畦畔カバープランツとして、カメムシを寄せ付けるようでは適当ではないとのご指摘を受けました。そこで2002年以来、畦畔でのすくい取り及び越冬確認調査と本田の斑点米の被害調査が滋賀県農業試験場で続けられてきました。

 2003年のすくい取り捕獲頭数は、イネ科雑草地に比べて極端に少なく、更にイネ科雑草には7種類の斑点米カメムシが寄生していたのに、センチピードグラス畦畔では3種類(ホソハリカメムシ、トゲシラホシカメムシ、アカスジカスミカメ)のみでした。また越冬確認調査では設置したトラップでの捕獲はありませんでした。また2003年には、あえて本田無防除として斑点米被害を調査していますが、斑点米被害率は0.1%でした。
 2004年の継続した調査でも、ほぼ2003年と同様の傾向が確認され、2カ年調査からセンチピードグラス畦畔はイネ科雑草地に比べ水稲斑点米カメムシ類の捕獲頭数は著しく少ないことと、雑草地には多いクモヘリカメムシは寄生しないことが報告されました。なお2004年はカメムシ防除1回で斑点米被害率は0.05%でした。
 またセンチピードグラスの出穂は滋賀県の早生水稲の出穂期の7月下旬までは少なく、この点からも水稲の斑点米を増加する原因とはなりにくいと考えられますが、通常の防除と組み合わせたり、できればセンチピードグラスの穂が出ないよう管理することが必要であるとされました。 

出穂畦畔 ホソハリカメムシ トゲシラホシカメムシ アカスジカスミカメは準備中

 

イモチ病の心配は?

2003年6月にセンチピードグラス ティフブレアのセル苗に稲のいもち病に似た病斑と急性病徴が確認されました。すぐに滋賀県農業試験場により、稲への感染試験、稲のいもち病菌のセンチピードグラス ティフブレアへの感染試験をした結果、互いに感染し合わないことが確認されました。なお、普通種での発病は今のところ確認されていません。
 センチピードグラスのいもち病は、これまで報告が無い新発見となりました。遺伝子レベルの解析では、イネ科植物を犯すいもち病菌の中でも、最も稲のいもち病菌に近いことがわかっています。詳細は滋賀県農業試験場の報告(PDF形式)をご覧ください。

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