会社案内


     ユニバーサルデザイン



 建物の段差を解消したり、スロープや手摺を設けるなど、
高齢者や障害者にとっての障壁を取り除く 「バリアフリー」
と言う概念はかなり一般化し、ご存知の方も多いと思います。

 昨今、その 「バリアフリー」をさらに一歩進め、障害の有無
や、年齢、性別、国籍などにとらわれず、多様な人々を対象に
 都市や生活環境をデザインする 「ユニバーサルデザイン」 と呼ばれる考え方が、推し進められて
 います。


  ユニバーサルデザインでは、障害者のみならず、小さな子供も、何の不自由も無い健常な
 若者も、老若男女を問わず利用可能である事を目標にデザインされ、そこがバリアフリーと
 大きく異なる点です。

   実例をあげれば、頭を洗っている時、リンスと識別するため、シャンプーボトルの側面に
 付けられた凹凸の印、日本語の解らない外国人のために、絵文字を使用した施設の各種
 表示や、車椅子利用者に限らず、ベビーカーを携えたり、大きな荷物を抱えたままでも使用
 できる、広いスペースの男女兼用トイレなどが知られています。


  そんな中、最近ではおかずを食べやすい大きさに揃えた 「ユニバーサル弁当」 なるもの
 まで登場しているそうです。


  高齢者や障害者にとってたいへん有意義なその概念も、健常者を対象にすれば、
 あまりにも過剰に考える事には少し抵抗を感じます。


  人は年齢を重ね、様々な経験 (障害) を乗越えてたくましくなります。また、私たち日本人
 が豊かな感性を持ち合わせているのは、環境が大きく変化する四季の移ろい (外的刺激)
 があるからだ、とも言われています。

  便利さや快適さを追求するあまり、ユニーバーサルデザインも行過ぎると、健常者にとっ
 ては、良い事ばかりではないのかも知れません。 


  また、個人の住宅の中にもユニバーサルデザインの考えが持ち込まれていますが、本来
 住宅は、その建築主特有の種々の条件を考慮して創造するものであり、その住人にとって
 ぴったりの 「オンリーワン」となる事が理想です。

  住まいにおけるユニバーサルデザインでは、住人自身の将来的な経年変化まで加味して
 おこう、と言う考えがある様ですが、自分自身の未来など誰にも分かるはずもなく、そもそも
 住宅は、リフォームという手段をとれば、その時の状態 (未来の自分) に最適に対応させる
 事が可能です。



  物や施設などの充実のみならず、誰もが優しい心を育み、高齢者や障害者はもちろん、
 どんな人に対しても、ちょっとた思いやりを共有共感できる社会づくりも大切です。


  健常者には、そんな 「心のユニバーサルデザイン」こそ、必要なのかも知れません。




戻る


Copyright (c) 2007,Seki Koumuten