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     「黄金比」



 ある一定の規則で並んだ数の列を、「数列」 と呼びます。

 中でも、 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 … 
のごとく、「隣あう二つの数を加えると、次の数になる」 と
言う規則を持つ数列を、考案したイタリアの数学者の名前
を取って、「フィボナッチ数列」 と呼んでいます。

  そして、この数列はどんどん進めていくと、隣合う数の比が、どんどんある比(1:1.618 … ≒ 5:8)
 に近づきます。


  その比は、「黄金比」 と呼ばれているもので、人間が形を最も美しく感じる比率と言われ、
 古くから建築や美術の世界で、たびたび応用されてきました。

  以前のコラムで取り上げたパルテノン神殿の縦横や、ギザのピラミッドの底辺と高さの比、
 ミロのビーナスの身長に対するおへその高さの比など、その実例は世界に多く存在します。
 
  日本においても、あの有名な北斎の浮世絵 「富獄三十六景 神奈川沖浪裏」にも、黄金比
 に基づく、大胆な螺旋(らせん) の構図が隠されているそうです。

  身近な物を例に挙げれば、クレジットカードや名刺の縦横も黄金比です。


  その美しさの秘密は、「フィボナッチ数列」 が自然界に多く存在するところにあるそうです。

  草木の枝分かれの数、ひまわりの種やバラの花びらなども、その数列に従って、外周へ
 数を増していくと言われています。

  また、巻貝や蜘蛛(くも)の巣も、その比率で一回転ごとに大きくなっていくそうです。


  ならば、住宅の設計においても、建物の外形や窓の寸法、タイルやタタミのサイズまで
 「黄金比」 にすれば、絶対美しくなるかと言えば、そうはいきません。

  全体としての調和やバランス、もちろん機能性も無視できません。


  難しい数学とも関係し、ちょっと謎めいたところに少々魅かれますが、アクセサリーと同じく、
 度が過ぎると逆効果で、何事においても、さりげなく、ほどほどが一番良いのかもしれません。


  「黄金」 に目がくらむ事のない様、気をつけたいものです。

 

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