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     神業(かみわざ)



 日本には、「八百万(やおよろず)の神」と言う言葉が
ある様に、あらゆるものが信仰の対象となり、数多くの
神様が存在します。

 それ故、全国にある神社の総数は、何と約10万社を
数え、中でも最も多いのが、その3分の1近くを占める
 「稲荷神社」で、2万〜3万社があると言われています。
 次いで1万〜2万社の「八幡神社」が第2位だそうです。


  毎年お正月には、家族で近くの神社へ初詣に出かける方も多いと思いますが、確かに
 鳥居や玉垣などは何処でもよく見かけます。また市街地でも、「鎮守の杜」の森林が目に
 入れば、遠くからでもその存在がすぐに分かります。それに、改めてよくよく思い起こせば、
 誰もが自分の身近に、意外とたくさんの神社がある事に気付くはずです。


  しかし、そんな神社も、なかなか境内の建物の配置にまで気を止める事は少なく、一般に
 神社の建物が、拝殿(はいでん)、幣殿(へいでん)、本殿(ほんでん)の、三つの部分から成り
 立つ事は、あまり知られていないのではないかと思います。


  鳥居をくぐって、まず手前にあるのが「拝殿」で、賽銭箱(さいせんばこ)が置かれ、皆さんが
 鈴を鳴らし、拍手(かしわで)を打って拝礼をする場所です。壁面によく大きな絵馬(えま)などが
 掛けらている建物です。
 
  そこから1段高く、奥へ続く「弊殿」は、弊帛(へいはく)を供える場、つまり神様にお供えをする
 場所です。そしてさらに奥の最も高い場所にあって、やや小さいものの、ひときわ立派な建物が
 「本殿」で、ここが御神体が安置される社殿、つまり「神様の住まい」です。


  ところで神道では、清く、明るく、うるわしい心が大切にされ、「神様の住まい」は常に清浄で、
 新しい事が理想とされるそうです。そのため神道の本宗である伊勢神宮では、二十年ごとに
 社殿の建替えが行われています。それは、「式年遷宮(しきねんせんぐう)」とも呼ばれ、建築
 技術の伝承も、その目的のひとつだそうです。

  何と驚くことに、この祭事は約1300年前から続けられており、来る平成25年に第62回目を
 迎えるそうです。ちなみに、前回平成5年に行われた遷宮にかかった一連の経費の総額は、
 327億円だったそうで、これまたびっくりです。


  一般に神社の建築費は「浄財」、つまり「寄付」によってまかなわれます。しかも社殿には、
 節のない、木目の美しい、よりすぐりの木材が調達され、屋根には銅板が葺かれ、軒下の
 部材にはたくさんの繊細な彫刻が施されます。

  ある意味、神様はかなりの坪単価の豪邸を、いともたやすく手に入れることになります。


  自己資金だけではマイホームの実現が難しい我々庶民からみれば、神様の住まいづくりは
 とても恵まれていて、なんとも羨ましい限りです。


  人知れず神様にも苦労があるのかも知れませんが、その普請は真に「神業(かみわざ)」です...。



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