会社案内


     C A D (キャド)



 建築物を完成させるためには、設計段階はもちろん、
工事中も含めて、実に多くの図面が作製されます。

 木造住宅に限れば、その伝統により大工さんに一任
すれば、極端な話、間取図一枚だけでも家は完成でき
ますが、自分の思いをたくさん詰め込み、じっくりと
 綿密に設計や計画を進めたなら、製本された設計図は自然と分厚くなっているはずです。

 
  そんな設計図面ですが、最近はCADと呼ばれるコンピューターを使った製図が主流となり、
 手書きの図面をすっかり見かけなくなりました。

  CADは、Computer Aided Design の略で、日本語にすれば 「コンピューター支援設計」 と
 訳すことができ、つまりその助けを借りながら、ディスプレイ上で設計製図やデザインを行う
 システムの事です。

  1960年代に、アメリカでその研究は始まったとされ、現在では立体を表示・操作する3次元
 のみならず、アニメーションなどの時間軸を含めた4次元CAD、さらに海外では、工程・原価
 を管理する機能まで持った、5次元CADと呼ばれるものが開発され進化を続けています。


  さて、皆さんの中にはコンピューターと聞いただけで、なぜか妙な幻想にとらわれ、CADを
 使えば、精密な設計や整然としたデザインが自動的に出来上がるのではないかと、勘違い
 している人もいるかも知れません。しかし、CADはその名の通り支援をするだけで、実際に
 設計やデザインを手掛けるのは、マウスを握る本人である事に違いはありません。


  また、CADを利用した図面であれば、単純に誰が描いた図面も一様で、個性が無くなりそうに
 思われますが、それは大きな間違いです。

  大雑把な人なら大雑把に、丁寧な人なら丁寧に、その人の性格やセンス、作図の上手下手が
 プリントアウトされた図面に明白に現れます。手書きの図面と同じで、そこから設計者の性別や
 年齢、さらに経験の度合いまでも何となく読み取ることさえ可能です。


  いくらテクノロジーが進化し、優れた機能を持ったシステムが開発されても、設計やデザイン
 など、人間の思考や感性を基にして創造する分野には、その中心に決して侵すことのできない
 核の部分が存在し、だからこそ、その限りない魅力に、多くのデザイナーが夢中になるのかも
 知れません。


  されども一方で、ドラフターに向かってシャープペンシルと消しゴムで格闘していた時代から
 見れば、現代のCAD製図の利便性は画期的である事に間違いありません。

  やはり (C) コンピューターは、(A) ありがたい、(D) 道具です...。



戻る


Copyright (c) 2007,Seki Koumuten