細目

大寅鶫さわださんちのホームページ、旅の部屋。旅の情報。西表島・石垣島バードウォッチングの旅

さわださんちのホームページ

西表島・石垣島バードウォッチングの記録(旅行記)
2005年 2月17日から20日

 2月17日  西表島  雨

カンムリワシとキンバトを見るために西表島・石垣島にバードウォッチングに行きました。初めて、鳥見旅行の記録を載せますので、不足なところがありましたら御容赦ください。

西表島行きの船 午前8時15分伊丹発JTA141便で石垣島に向かう。機内ではシートベルトの着用のサインが消えず、石垣島の天候が気になりました。11時過ぎに石垣島に着きましたが、予想的中(^^;) 雨。

空港内レストランで昼食を摂って、タクシーで石垣港へ行きました(5分程度です)。最初に出る船の切符を買って、西表島に向かいました。西表島行きの船は2つの会社が同じ桟橋から船を出しています。更に西表島には2つの港がありますので行き先に注意してください。珊瑚礁を進んでいくためでしょうか、船底が平らになっているので、船は結構バウンドしながら進みます。1時間半ほどで西表島大原港に着きました。

西表島も雨でした。おまけに、蒸します。雨の中を歩いて、宿泊先の南風荘に向かいました。「今日は6人だから、好きな部屋を使ってください」とおおらかなご主人のお言葉に甘えて、個室として利用させてもらいました。
早速、車を貸していただいて、バードウォッチングに出かけました。3時でしたが、雨のためかだいぶ暗い空模様でした。マングローブでは、引き潮でシギ・チドリがいそうなものでしたが、ダイサギ以外は何もいません。周りの林にカンムリワシを見つけました。が、暗くて撮影困難。(^^;)(^^;)(^^;)
諦めて、「忘れな石」の方に場所移動。西表島は車が少ないので、車で移動中にも鳥を見つけるために、時速10Km程度で走りました。カンムリワシを5体確認しました。個体数は大変多いです。(撮影は(^^;)(^^;)(^^;))
サトウキビ畑をうろうろしたり、農道に入ったりしてみましたが、時間的に遅いのでしょうか、成果はもう一つ上がりませんでした。今日は諦めて、南風荘に戻りました。

シャワーを浴びて、夕食です。南風荘の食事の量は多いです。ご主人から泡盛を提供していただいて、鳥合わせをしました。周りの方には、宴会をしているように見えたかもしれませんが、鳥合わせをしていたのです。
夕食後は、コノハズクの声を子守唄にして休みました。

 2月18日 西表島 雨

木の根の地上に出た部分 今日も朝から雨でした。
ご主人にお願いして早めの朝食にしていただいて、未だ少し暗いうちから出掛けました。南風荘の前に、ジョウビタキがいました。何故、冬鳥が2月半ばに南の島にいるのだろう? と不思議な気持ちになりました。
鳥見をしながら、浦内川まで来ました。朝の方が、やはり多くの鳥を見ることができました。贅沢な話ですが、カンムリワシの個体数が多いので、電信柱に止まっているカンムリワシを見つけても無視するようになりました。観光の方には時間的に早いのでしょうね、人にも、車にもほとんで出会いませんでした。その分、ゆっくり車を走らせ(?)ることができました。
浦内川では、遊覧船で30分ほど川を上り、2つの滝(写真下)を見学に行きました。

マリュドゥの滝 上の写真は、木の根の地上に出た部分が非常に大きくなる樹で(名前は忘れてしまいました。オーストラリアでは幹の周りが大人5人が手をつなぐほどもあるという樹を見た記憶があります)、昔はこの部分で船の舵を造ったそうです。この他にも、貴重な木々や草花がいろいろありましたが、残念ながらその名前を記憶することはできませんでした。
動物では、キノボリトカゲがいました。(残念ながら、お見せするような写真には仕上がりませんでした)
雨の中を歩くこと1時間、やっと、目的の滝に着きました。
帰りの遊覧船から、アカガシラサギを見つけました。3時間ほどの浦内川探索を終えて(船着場では、オオルリとキビタキの声を聞きました。もうすぐ夏です)、1時過ぎになっていましたので、大原に戻る途中で昼食を摂りました。
途中、カンムリワシの成体(下左の写真)と幼体(下右の写真)に出会うことができました。(ラッキー)

 ACCIDENT に逢う

クロウタドリ

クロウタドリ

雨の中での写真撮影を続けていたので、人も機材も濡れましたし、多少気分も落ちていましたので、 日本最南端の温泉「石垣温泉」に入りました。私たちの探鳥旅行は、楽しむことが基本です。オーストラリアへ探鳥旅行に行ったときには、オーストラリアの旅行社の方が、散策路から戻ってくるたびに「beer time」というのを設けて呉れました。(注)運転手は宿に帰るまでは、勿論、一滴も飲みませんでした。宿では、その分取り戻しましたが。

気分一新、石垣温泉の中庭を車で出ようとしたとき、

「カラス?」(西表島のカラスは本土のカラスよりも3周りほど小さいのです)
「…… いや、嘴が黄色いよ」
「エ……? そんなの居るの」
「形からしたら、ツグミだね」
「あ~!入っちゃった」
車はそのまま進みました。(沈黙………)

「これだ。クロウタツグミだ」
「そうだねぇ。記録としてもあるよ」
「引き返して!!」
というので、写せたのが、この写真です。
迷鳥、英語では「ACCIDENT」。本当に偶然でした。

ヤエヤマオオコウモリ

ヤエヤマオオコウモリ

体も気持ちも軽やかに、探鳥を続けていると、「バックして、何かぶらさがっている」
「エ、ぶらさがっている???」
確かに、ぶらさがっていました。ヤエヤマオオコウモリでした。目を開けていましたので、目線が合いました。しかし、堂々として、新芽を食べていました。暫くして、十分食べたのか、それとも、食事をジロジロ見られているのが気に触ったのか、ゆっくりとした飛行で林の奥へ消えていきました。

私たちは、大原に戻り、昨日の場所を再度散策しました。キンバトが出るという「忘れな石」に行きましたが、残念ながら出会えませんでした。
宿に戻り、ご主人にクロウタツグミの話をすると、大原にも来ているということでした。私たちの同定は合っていたようです。

 2月19日 石垣島 雨

シジュウカラ

石垣シジュウカラ

朝食もそこそこに、朝一番の船(7時50分)で石垣島に戻りました。強風注意報が出ていましたので、上下動が激しい船旅でした。
石垣島でも、早速レンタカーを借りて行動しました。が、西表島と違って、トロトロと自転車並みの速度では運転できません。まず、ポイントへ移動し、そこでの探鳥となります。海岸付近とバンナ岳周辺を探鳥しました。バンナ岳の水鳥観察所からは多くの水鳥を観察できました。が、カンムリワシには遭遇出来ませんでしたし、キンバトに会えるという養鶏場も見つけることが出来ませんでした。

予約していたペンションで、夕食を摂りながら、ご主人にキンバトに会える養鶏場のことをお訊きしましたところ、ご親切にもエコツアーをお仕事にしているお友達をわざわざ呼んでいただけました。お友達の方も非常に親切で、キンバトに会える養鶏場の場所以外にも、ご自身が知っているいろいろなポイントまでお聞きすることが出来ました。本当にありがとうございました。

上の写真は、イシガキシジュウカラです。本土のシジュウカラより大分色黒なのがお分かりいただけると思います。

 2月20日 石垣島 雨

今回お世話になったペンションの庭には早朝にズグロミゾゴイが出てくるそうです。が、今日は出てきませんでした。
早速、昨日お聞きしたポイントを周ることにしました。新川河口では、クロサギ・アカアシシギ・シロチドリ等に会えました。ヤツガシラのポイントへ行きましたが残念ながら会えませんでした。
キンバトに会える養鶏場(アカショウビンが掌に乗って餌を食べるという記事で有名になりました)は廃屋になっていました。昔を知る方が来て餌を撒くのでしょうか、パン屑が落ちていましたが、キンバトの姿はありませんでした。
心残りではありましたが、午後3時半に石垣空港に行き、4時半のJTA148便で伊丹に戻りました。

今回の探鳥旅行は天候には恵まれませんでしたが、西表島・石垣島の方々のご親切なお心により楽しく気持ちのよい旅になり、また迷鳥クロウタツグミにも会える幸運にも恵まれた旅になりました。

鳥類確認リスト

鳥 名2月17日2月18日2月19日2月20日メ モ
場所西表島西表島石垣島石垣島 
天候小雨 
カワウ   水鳥観察所から
アオサギ    
ダイサギ 
チュウサギ  
コサギ  
ゴイサギ   10数羽の群れ
アマサギのどかに放牧牛の背中で
アカガシラサギ   浦内川遊覧船から
クロサギ   コサギを追いかけていた
シロハラクイナ頻繁に出現するも、警戒心強い
バン    
オオバン   水鳥観察所から
イソシギ   仲間川河口
キョウジョウシギ   新川河口
アカアシシギ   新川河口
シロチドリ   新川河口
コチドリ   新川河口
ハジロコチドリ   新川河口 同定確立90%
ウミネコ   新川河口
タゲリ   お顔はどろだられ
カルガモ   水鳥観察所から
マガモ   水鳥観察所から
ハシビロガモ   水鳥観察所から
オナガガモ   水鳥観察所から
ヒドリガモ   水鳥観察所から
コガモ   水鳥観察所から
キンクロハジロ   水鳥観察所から
ミサゴ   ダイビングでの餌取り成功
カンムリワシ  西表での個体数は多い
チゴハヤブサ   石垣島のペンション裏庭海岸
チョウゲンボウ   
サシバ   
リュウキュウコノハズク  夜ながら鳴き通していたのかしら
ズアカアオバト    
リュウキュウツバメ  
ツバメ    
キセキレイ 
ハクセキレイ    
リュウキュウサンショウクイ   
シロガシラ    
リュウキュウヒヨドリ 
ジョウビタキ   何故か居ました
シマアカモズ  
イソヒヨドリ 
ツグミSP   クロウタツグミかと再出現を待ちましたが
クロウタツグミ   石垣温泉前庭にて
シロハラ 
セッカ   
イシガキシジュウカラ  
リュウキュウメジロ 
オオルリ   浦川遊覧船船着場にて
キビタキ   浦川遊覧船船着場にて
スズメ 
オサハシブトカラス 
番 外 編
ヤエヤマオオコウモリ   石垣温泉からの帰路
キノボリトカゲ   浦内川上流滝道に行く途中

今回の旅行でも、プラスチックのごみを見つけました。何気なく捨てたのでしょうが、プラスチックは大変厄介な代物です。もし、プラスチックが海に出て、それを魚や鳥が食べると、食べた魚や鳥の胃の中に残ります。プラスチックは、自然に無くなるということはありません。いついつまでも、食べた生き物の胃の中に残り続けます。
プラスチックが直接それを食べた生き物を死なせるということはありません。しかし、胃の中にプラスチックが溜まると、食事をしなくても、満腹感を覚えます。それで、食事を摂らなくなると思われます。すると、結果的に、プラスチックがそれを食べた生き物を死に至らしめることになります。
プラスチックを食べた魚を、今度は人が食べるわけです。
私の鳥の師匠が「人がおいしく頂けるものしか、残していってはいけない」とおっしゃっていました。一般的には「残していいのは足跡だけ。持って帰っていいのは思い出だけ」と言われています。すべてのごみは持ち帰りましょう。

探鳥旅行の目次に戻る