鼻の奥がカユクなるバツイチへの道


第8章 タイミング
第4話 うわべ




 何ヶ月もその状態が続いた。

 表面上はお互い笑いあうことも出来た。

 それなりに楽しくもあった。


 このままでいいのか?

 何かが足りないままでいいのか?

 何か満たされないままでいいのか?

 このままで幸せになれるのか?

 このままで幸せに出来るのか?


 …答えはすべてNOだった。


 このままではいけない。

 何かが足りなくって、それが欲しくってしょうがない。

 求めても求めても満たされない。

 このまま幸せになれるとは思えない。

 このままでK子を幸せに出来るとは思えない・・・


 見事なまでのないないづくしだった。


 なにか、ドラマティックなきっかけが必要だった。

 何でもいいからカンフル剤を打つ必要があった。

 そんなうわべとカラダとジレンマの交錯する付き合いが半年近く続いた、

 ある初秋の頃。

 K子が持ってきたパンフレット。

 「九州・博多」

 そう、旅行のパンフレットだった。

 藁にもすがる思いで、即、申し込んだ…



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