足の指の間が痒くなる心意気
2003年9月3日(水)「パチンコ屋に出る鬼婆」 |
パチンコ屋に集まる客の中には、時折ではあるが実にコチラの好奇心を掻き立てられる人がいらっしゃる。昨日見たのもそんな人の一人だった。 おばちゃんである。年は40代後半くらい。ダイエーとか関西スーパーとかで780円くらいで売ってそうな柄物のTシャツに、半パン、サンダル。もちろん化粧っ気もない。よく日に灼けて真っ黒。眉間には常に縦皺がより、目は鷹のように鋭く、出そうな台を見極めん、と端の台から舐めるように見回しながら、コッチへやって来る。 目の端にそのおばちゃんを捉えたボクの背筋に、鳥肌が立った。コワイのだ。なんだか鬼婆に追いつめられていくような感覚を憶える。おばちゃんの目つきはまさにそんな感じなのだ。また一歩、また一歩と鬼婆は近づいてきてボクの隣の台の前をじっくりと他の台よりも長く観察している。非常にヤバイ。 (座るな座るな、アッチ行け!)心の中で強く念じたがソレも虚しく、鬼婆はついに隣に座ってしまった! しかし鬼婆は打ち始めた自分の台はろくろく見ずに、なおも周りの台を大きく上半身ごと動かして、ぎょろぎょろ見回している。どうやら他に出そうな台をまだ探し続けているらしい。せわしない。落ち着かない。目がコワイ。ボクは目の端でそんな鬼婆を観察しながら、自分の台で打ち続ける。 サッと鬼婆の目線が体ごと大きく動いた。一つ向こうの台で「リーチ!」と効果音が聞こえてきたのだ。鬼婆はじっとソチラを凝視している。……きっとこれは「はずれろビーム」を送っているに違いない。コワイよぉ。ビームの効力か、そのリーチは見事に外れる。これはいかん。鬼婆どころか貧乏神でもあるのか! 恐ろしい。 そんな恐怖に耐えながら、なおも打ち続けていると、ボクの台にリーチ、キターッ! 案の定、鬼婆兼貧乏神はギッ、とコッチを睨みながら「はずれろビーム」を浴びせてくる。しかしそのビームを跳ね返し、見事大当たりゲット! しかも確変! 鬼婆は聞こえよがしに舌打ちすると、なおも他の台をぎょろぎょろと物色している。そして自分の玉が無くなるとサッとどこかへ移動していった。 そして向こうの方で次に座った台でも、ぎょろぎょろと「はずれろビーム」の繰り返し。いったいあの鬼婆は、パチンコやってて楽しいのだろうか? ああはなりたくないモノだ。 |