足の指の間が痒くなる心意気

2003年9月1日(月)「安産腹帯」

 8月29日は戌の日だった。イヌの日。犬は昔から多産で安産なので、そのお犬さまにあやかって、妊婦は戌の日に腹帯なるモノを巻くのだ。

 関西近郊では随一の安産の神様、中山観音さんでご祈祷済みの5mの晒し木綿の腹帯には、墨で黒々と「十一面観世音菩薩」と大書されている。迫力満点。確か結婚式は神父さんを呼んでやってもらったような気がするが、妻・わんこの安産のためだ。背に腹は替えられん。

 と、いうか神様はどうでもいい。要するに親戚がよってたかって妊婦を肴に盛り上がる。そのための一種のイベントなのだ。どうせ赤ちゃんが生まれたら「お七夜」とかいって神社にも行かねばならないし。これでイスラムのセレモニーがあれば、ほぼパーフェクトだ。あとユダヤ教も。

 本来腹帯は、保温のためや、妊婦のお腹を下から支えて腰に負担がかからないようにするためのモノなのだが、お腹が余り出すぎないように、という意味もあるとも聞く。ならばわんこには最適のアイテムだ。これは巻かねば。

 ところが両家の母親がよってたかって帯を巻いたあとのわんこのお腹は、二重三重に巻かれた5mの布の分だけ、確実に大きく見えた。5ヶ月の妊婦が7ヶ月にもなったよう。逆効果も甚だしい。

 まあまあ、これで無事にセレモニーも終わった。さあ、お楽しみの食事会だ、と家を出ようとすると、わんこはこっそり腹帯を解いている。
「せっかくやから今日くらいそのままにしといたら?」
と言うと、
「これじゃご飯が食べられないでしょ」
と、なおも帯をほどく妻。

 案の定わんこは、会席料理を出てきた端からぺろりぺろりと誰よりも早く平らげ、ボクの分まで狙う始末。これでは5mの腹帯がいつか足りなくなってしまうのではないだろうか。今夜寝てる間に腹帯をもう一度巻いてしまおう、と心中密かに誓いを固める。もちろん、簡単には解けないように固結びで。

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「食べた分 大きくなるのは 妻ばかり」
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赤ん坊まで 栄養行かず
3太郎


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