足の指の間が痒くなる心意気

2003年8月27日(水)「情けは人のためならず」

 昼飯によく行くソバ屋。静かな店で何よりソバも旨く、気に入っている。文庫本を一冊持って、3日に一度はその店に行く。

 ところが今日は様子が違った。頼んだソバが運ばれて、さていただきます、というところで、ちょうど店の反対側からけたたましい音が聞こえてきた。

 赤ん坊の泣き声。文字通り、火がついたかのように、激しく間断なく、大音量で泣き続ける赤ん坊。

 もうすぐボクも人の親だ。そして赤ん坊は泣くモノだ。お母さんだって大変だ。その辺はよくよく解っているつもり。ま、仕方ない仕方ない。すぐにお母さんがあやして、赤ちゃんだって泣きやむことだろう。

 ……しかし、まったく泣きやまない。延々と、もう5分近く泣いている。うるさいやかましい。いや、赤ちゃんは大丈夫なのか? 気になってソバの味もわからない。母親はなにやってんねん、と首を伸ばして見てみると、なんとなんと。ろくろくあやしもしないで、悠々とソバをすすっているではないか。

 とうとうたまりかねたのか、その親子のすぐ近くに座っていたオッサンが、勘定に立ったついでに母親に向かってお小言を。えらいぞ、オッサン。
「やかましいな。ええ加減、外連れて行けよ」

 母親達が応える。
「仕方あらへんでしょ。赤ちゃんは泣くモノやねんから。お昼くらいゆっくり食べさして下さい!」
「赤ちゃん連れてんねんから、もうちょっと優しくして欲しいわ、ホンマに」

 いや、ソレは違う。優しくして欲しかったら、まず他人に優しくするべきだろう。自分の赤ん坊に。そして自分の周りの人たちに。優しくしてあげよう、と思わせてくれる人でないと、優しくしたくても優しくできない。いや、したくない。

 彼女たちの気の毒なほど神経質な答え方と、その台詞がイヤに耳に残った。きっとあの母親達も、自分たちの赤ちゃんにはさんざん振り回されてるんだろう。それは察することは出来るんだが。

 だからといって、その騒音を止める努力もせず、周りに向かって「ガマンしなさい。仕方ないでしょ」と言われてはたまらない。

 結局、母親達は自分たちの食事を終えるまで、己の赤ん坊には見向きもしなかった。彼女たちにはそれは慣れっこになってはいるのだろうけれども、ボクにはその光景は非常に違和感の残るものであった。

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