足の指の間が痒くなる心意気
2003年6月20日(金)「実家に帰らせて頂きます」 |
妻が昨夜は帰らなかった。先に申し上げておくが、昨夜だけ、それも実家に泊まっただけなので、野次馬の皆さまにおかれましては、決して過剰な期待はなされませぬように。ただ単に学生時代の友達と飲みに行っているだけ、のはずだ。 「今夜は実家に泊まるよ」 と妻が言い出したのはその朝になってのこと。口先では、 「ええええ〜っ。なんで〜。さみしいよぉ」 などと小芝居を打つが、内心はもうニヤニヤなのだ。 久しぶりの独身気分。今夜は昔の女友達でも誘って飲みに行こうか、それとも早く帰ってAVでも見倒すか。 ウキウキしながら出勤。早く退勤時間にならないか、と仕事中もソワソワ。ところがその仕事でゴタゴタ。急に舞い込むドタバタ残業。気がつきゃ時計は9時、10時。露と消えにし我が独身の夜……。 家に帰ると、すっかり午前様。灯りの消えた部屋は寒々しく、独りには広すぎる。改めて妻の温もりが恋しく、そしてありがたいことに気付く。 こんなにサビシイのなら、独身にはもう戻りたくない。独身時代とたった一つ、そこだけ全く同じの、コンビニ弁当をむさぼりながら、しみじみとそう思った。 |