足の指の間が痒くなる心意気
2003年6月14日(土)「茶髪のストレス」 |
今朝の満員電車で見かけた、ちょっとした一コマ。 なんだか人混みの向こうが騒がしい。さては誰か貧血で倒れたんじゃないか? 若い女の声がかすかに聞こえる。 「……ちょ。……やっ」 続いてしわがれたオッサンの声がこう言った。 「お、俺は見てたんやからな。しゃあないな」 若そうな男の声が、薄く聞こえる。 「すいませんすいませんすいません」 どうやらこれは…… その声の方を見ても、乗客の頭しか見えない。しかし、若い男の茶色の髪の毛が、人混みの中、何故かひときわ激しく揺れ続けているのだけはよくわかった。そう、ペコペコ、と言った感じ。 大阪駅に着くと、果たして女性に引きずり降ろされる、スーツ姿の茶髪の若い兄チャンの哀れな姿。被害者、とおぼしき女性にネクタイの根元を掴まれながらも、なおもぼそぼそと謝り続けてる。その女性の顔は青ざめて引きつっている。 兄チャンのスーツは濃紺のサラリーマン風のものだったし、その下のシャツだって白い普通のカッターシャツ。なのに髪の毛だけ真っ茶っ茶。髪の毛以外はものすごく普通の勤め人風。そのスタイルを維持せんがために受けた、周りからの風当たりには、結構ツライものがあったろう。 そのスタイルのせいで、もしかしたら色々会社でストレス溜まってるのかも。彼を、痴漢、などというバカな行為に駆り立てるくらいに。 しかし上手くいけば、今朝のこの一件で、そういう諸々のしがらみからも解放されるかもね。そう、もう二度と。 |