足の指の間が痒くなる心意気
2003年4月13(日)「嫁の奇行」 |
夜中に隣でわんこがむっくり、しかし慌てた様子で起きあがる。 きっとトイレだろう、と思ったが一応念のため。 「どうした?」と声を掛ける。わんこは顔のあたりに手を当てながら小走りに洗面所へ。鼻のあたりを押さえた手のすき間から間抜けな声が漏れ聞こえる。 「は、鼻血が……」 そうかそうか、キミもナニがアレなんだね。このところホント、忙しかったからね。そう思って手ぐすね引いて、ベッドの中でわんこの戻りを待ち受ける。戻ってきたらガバッと抱きついて、そのまま巻き落としに引き倒して、それからそれから……うひ。うひひ。ひさしぶりだぁ。 戻ってきた……! 呼吸を整え、間合いを測る。 ……よし! 今だ! ガバッ! と抱きついたわんこの顔の中央には、グイグイと無造作に両の鼻にねじ込まれたティッシュが、にょきにょき。牙みたいに生えていた。 ビックリして思わずすごすごと腕をほどき、背中を向けて寝てしまった。怖かった。 |