足の指の間が痒くなる心意気

2002年12月16日(月)「たぬきときつね」

 きつねうどん。大阪のうどん文化を代表するこの料理は、明治26年に大阪船場丼池(どぶいけ)に今でもある「松葉家本舗」で開発された(激ウマです)。うどんの上に甘辛く炊いた四角い薄揚げ(関西では「お揚げさん」と言う)を乗せたものであり、おじいちゃんおばあちゃんの世代では「けつねうろん」と言う。また安倍清明にも関わる「葛の葉伝説」の白狐にちなんで「しのだ」とも。

 きつねと言えばたぬき、であるが、東京・大阪、そして京都でうどん屋(またはそば屋)で「たぬき」と注文すると、それぞれ全く違うものが出てくる。


東京の「たぬき」
…うどん、そばを問わず揚げ玉が入っている。大阪で言う「ハイカラうどん(またはそば)」に相当する。揚げ玉が入ることで「天ぷらそば(うどん)」と見間違うことで「たぬきに化かされた」ことからのネーミングか?


京都の「たぬき」
…刻んだ薄揚げの入ったあんかけのうどん、またはそば。別名「どろん」。たぬきが「どろん」と化けるのと、あんかけの「どろっ」とした様をかけた見事なネーミング。


大阪の「たぬき」
…きつねうどんのうどんがそばに変わったもの。つまり甘辛く炊いたお揚げさんの乗ったそば。当然同じパターンのうどんは「きつね」になる。


 つまり、大阪の人が大阪で言う「たぬき」を食べたいと思ったとき、大阪ではただ一言「たぬき」と言えば事足りるのだが、京都や東京では「きつねそば」と注文しなければイケナイのである。

大「おっさん、たぬきおくれ」
東「てやんでぇ、うどんかそばか、どっちなんでぇ!」
大「ドアホ。たぬき、いうたらそばに決まってるがな、このスカタン」
東「だったら最初っからそう言いやがれ、べらんめぇ…へぃ、たぬきお待ち!」
大「アホンダラ! これは『ハイカラ』やないけ!」
東「バ〜カ。このお江戸ではな、これを『たぬき』ってぇんだ。覚えとけ!」
…まず血の雨が降るのは確実であろう。


 全国的には東京風の「たぬき」が圧倒的多数。「大阪のたぬき」の生息範囲は狭く大阪の他、奈良、神戸まで。大阪・京都の「たぬき」の境目も大阪北部の高槻市あたりで見事に別れるという。またうどんのもう一つの本場である讃岐(香川県)には「たぬきうどん」と言うメニューはない。

 もう一つ。東京では家庭でも一般的な「冷やしたぬき」(冷やしたうどんに揚げ玉やきゅうりなどをあしらったもの)は、大阪では全くと言っていいほど見られない。「冷やしうどん」ならかなりの率で見かけるのだが。

 しかし「赤いきつね」はともかく、「緑のたぬき」は天そばだ。しかも小エビの天ぷら。コレじゃ「かき揚げそば」だろう。ああ、もう、何が何やら。

わんことの会話に似せた日記才人の投票ボタンです

登録は簡単です! 登録してから押していただけると、まことに励みになります
★☆本日の片言隻句☆★
下の句をつけて遊ぼう!
 

■レッツ、シモノーク!


■あなたのお名前(匿名でもOKです)


■メールアドレス(省略可)


■ご意見ご感想もあわせてどうぞ

今日のシモノーク

色白色黒 好み様々
3太郎


下の句ハゲシク募集中であります

下の句投稿にも、その他感想・ご意見にもどうぞ。
上の句のボタンを押すと送信されます。匿名・空メールも大歓迎です。

戻る     次へ     前へ