足の指の間が痒くなる心意気

2002年10月24日(木) 「酔っぱらい」

酔っぱらいを助手席に乗せて車を運転するのは大変である。

昨日は職場の飲み会だったのだが、近所に住む上司とじゃんけんして負けたワタクシは上司を乗せて出勤。帰りもその上司を送るという非常にもどかしい役目を担うこととなった。当然、酒は飲めない。シラフで酔っぱらいの相手をするのも疲れるのだが、一時間あまりも酔ってクダをまく中年親父と車の中、二人っきりで過ごさなければならない、と言うのはなかなか味わえない苦痛である。

「だいたいあいつらはなぁ、ホンマに仕事する気があるんか!」
「そうですねぇ」
「どんだけガツン!と言うたろうかと思うたか。ヒック」
「そうですねぇ」
「な? 思うやろ?」
「そうですねぇ」
「おまえ、『そうですねぇ』しか言えんのか?!」
「いえ、判ります。その気持ち、よ〜く判るっすよ!」
「判ってりゃぁええねん。大体あいつらはホンマに仕事する気があるんか!」
「そうですねぇ」
「ホ〜ンマに、どつくで、しまいには!」
「そうですねぇ」
「おまえ、『そうですねぇ』ばっかしやないか!」
「あかん! ハンドル握ったらアカン!」
「おお。すまんすまん…、あ、そこ右ね」
と遠慮会釈無く言いたいこと言ってはまるっきりタクシー扱いする上司。その不満をどうして飲み会の席でブチまけてくれなかったのか、まことに残念だ。

やっと上司の家に着き、助手席側のドアを開けて引きずり降ろす。

「じゃ、ボクはココで」
「おお。すまんな、ありがとう」
「ついでに、明日休んで良いですか?」
「おお! 休め休め! 俺がおるから大丈夫や! まかせなさーい」
「はい、ありがとうございます。じゃ、おやすみなさーい」

予想通り今朝、上司から電話が掛かってきた。
「おい! なんで今日休むねん!」
「え? 昨日言ったじゃないですか」
「………そうやったかな?」
「ええ。『マカセトケ』って言わはりましたよ」
「…そう、そうやったな。あはあはあは」
「じゃ、すいませんがお願いします」

酔っぱらいもたまには使いようなのである。

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三言目には そんなん知らん
万屋KENさま

信じろと言う その目がトロリ
3太郎


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