足の指の間が痒くなる心意気

2002年3月23日(土) 「自衛隊がやってきた」


街に出ると就職活動とおぼしき、初々しいリクルーターの姿。

リクルーターのクセして。

お互いリクルートスーツ着たままの彼氏彼女といちゃつくのはいただけないが。

あなたたちはこの平成大不況の危機感を感じないのか?

昼下がりのオープンカフェで、そんなリクルーターカップルを横目で見ながら。


ふと思い出したのは、古きよき時代のこと。

就職なんて山ほどあった超売り手市場のころ。

自衛官になることすら、今のように難しくなるなんて。

想像だに出来なかった遥けき昔のこと。


当時高校生だったワタクシ。

ある日、同級生が垂涎モノのレアアイテムを持ってきた。

陸海空全部そろった自衛隊の最新兵器のシール。

「こ、こ、これ。どないして手に入れたんや?」

「ん?これ?ええやろぉ?」
自慢したくて持って来よったな、コヤツ。

「だから!どこで!どうやって?!」

「カンチンコンチン屁のカッパ。ほら『自衛官募集!』の立てカンの葉書あるやろ?」

「うんうん」

「その葉書を送ったら、な、な、なんと、このシールが!」

「うんうんうんうん!」

「Good Luck! My Friend!」

…というわけで早速帰り道で葉書をゲット。

一目散に家に帰り、必要事項を記入、速攻でポストへ。

あとは〜、シールが〜、届くのを〜、待つばかり〜♪


…数日がたった。

毎日毎日覗きこんできたポストにも飽きたころ。

いつものように帰宅したワタクシの目に入ってきたものは。

困惑と怒りの表情をあらわにした母の顔だった。

「ちょっと!あんた!何したん?」

「え?なになに?」

「今日、いきなり制服きた自衛官が来たわよ!」

「え?」

「『息子さんはご在宅でしょうか?』って、来たわよ!!」

「え?え?え?」

「もう、ビックリしたわよ!あんた、どういうこと?相談もなしに!自衛隊に入るつもり!?」

「いや、あの。実は…シールが、な…」

「…はぁ?あっきれた。なに考えてんの?もう、ワタシ、もう、ホンマに!」

「で、その自衛官、何か置いていかへんかった?」

「置いていったわよ!ハイこれ!」

母から投げ出されるように手渡されたモノは・・・

街角の立てカンとまったく同じポスター一枚きりだった。

自衛官さん。

せめて…シール…欲しかったっす…

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片言隻句

街角で 「ニイチャン、自衛隊、どう?」 ってオッサン今は見ず

就職難は こんなとこにも  3太郎
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