足の指の間が痒くなる心意気

2002年3月20日(水) 「願わくば…」


「願わくば 花のもとにて 春しなむ そのきさらぎの 望月のころ」
                                     西行法師



今年もまた桜の季節となりました。

桜を見るとウキウキと浮き立つ心。

しかし反対になぜかこみ上げてくるような哀しみ。

仰ぎ見る桜の樹が大きければ大きいほど、

その哀しみは大きく迫ってくるようです。


桜の樹の下には、人の死体が埋まっているのだ。

その血肉を吸って、訪れる春の度に桜の精はその美しさを誇るのだ…



こんな話を聞いたことがあります。

桜の美しさの裏に潜む哀しみは、

それがあながちの嘘ではない、

と思わせる何かを持っている気がします。

桜の下ではしゃぐのも結構。

風に散り行く花びらに想いを託すのも、また一興。

人それぞれの毎年違う春に、桜の樹は毎年同じ姿で応えてくれます。


「風にちる 花のゆくへは 知らねども をしむ心は 身にとまりけり」 
                                         西行法師



ワタクシの住む北摂・山崎の桜は、まだ咲き初めたばかり。

一日の仕事を終え、駅を降りて家路に向かう道すがら、

街灯の明かりに照らされて一輪、また一輪とほころびていく桜の花。

自分にとってのこの春が、どんな意味を持って迫ってくるのか、

その花を見上げつつ、ふと足を止めしばし思いを馳せます。


ワタクシの春は、どんな春なのでしょう。

そして、あなたの春は、どんな花を咲かせるのでしょう。

ふと見えた、桜の樹の向こう側に、北斗七星が大きく立ち上がってきました。

天にも地にも。

確実に春は、その密度を増してきています。

別れ、そして出会い。

そういうものも春の風が運んでくるのです。

せめて潔く、桜のようにありたい、と思います。

春に追い越されないようにだけ、前には進んでいこう。

日記才人の投票ボタンです
片言隻句

春の風 何を運んで くれるやら

友との別れ 新たな出会い
伝助さま

花粉と塵と お目目の保養
けんちゃさま


今年は運んで 僕の桜花を
ラキさま


うれしき知らせも 重き便りも  3太郎
下の句日々ハゲシク募集中です

戻る     次へ     前へ