ニッキぐるぐる回し その7

この企画でマシマロさんに提供したテキストです
お題は「エロ」です

「針の穴」



今は昔、もう10年以上前・・・

大学時代にある親友がいました

身長180センチを優に越え

容姿端麗、ガッチリしたスポーツマンタイプ

そいつとはホンマに親友で音楽の好みから女性の好み、

すべてがバッティングしてしまうほど、気の合う仲間だったのです


そんな彼はワタクシと2,3回の女性をめぐるバッティングの後

ようやく、ワタクシの利害の範疇外の

ある後輩の女の子と仲良くなることができました

その後輩の女の子もなかなかのかわいい感じ

彼とは30センチ近い身長差が、

すごくアンバランスでそこがまたお似合いでした


良かった良かった。

もう、全面的にバックアップします

デートのお膳立てからコースの下見、金銭的な用立て・・・

ここでしっかり落ち着いてもらわないと、

いつこちらにまたバッティングの被害が及ぶやら・・・

とにかく戻れないところまで行ってもらうしかありません

そう。我が身の安穏のためには、ここでパツイチ決めてもらわねば!

おそらくハタから見てたら異様なくらい、

ワタクシは彼と後輩のラブラブ作戦にご執心でした


何回かのデートの後。

昨日の彼の電話から、おそらく今日のデートで

ぱっつんぱっつんにキメテもらえるだろう。

ワタクシはそう確信しました

そこで、彼に入念なレクチャーを行った後、

戦場に赴く彼の後姿を、一種の達成感とともに見送ったものでした


さて、その晩電話が鳴りました

親友「あ。俺やけど・・・」

3太郎「あれ・・・えらい早いなぁ。・・・ヲイヲイまさか」

親友「・・・うん」

3太郎「え?なんでや?なんか、不備あったか?」

親友「いや。お前の立てた計画は、完璧やった」

3太郎「ほしたら、お前。ちゃんとあの、ホテルまで行ったんやろ?」

親友「・・・うん・・・」

3太郎「ほたら!何がアカンかったんや・・・」

親友「いや、せやから・・・ナニが、アカンかったんや・・・」

3太郎「き。キミなぁ・・・」

親友「い、いやいや。俺が悪いんちゃうで!俺とちゃうで!」

3太郎「・・・ほなら!何がアカンかったんや?」

親友「いうならば…せやなぁ『針の穴に毛糸は通らん』ちゅうことやな」

3太郎「は?もしもし?」

親友「せやから!『針の穴に毛糸は通らん』っていうことや!」

それだけ言うと彼は電話を切ってしまいました



後に残された私は、電話を握り締めたまま大笑い!

だって、彼ったら。

あんなでっかい体で毛糸ですか!

もしかしたら細い、とかじゃなく

ふにゃふにゃだったんでしょうか?

正直やなぁ・・・ホンマに・・・



その後二人はめでたくゴールイン

いまやお子様までいらっしゃいます

ただ、針の穴が広がったのか、

毛糸が糸になったのか、については、謎のまんまですが・・・


戻る        前へ