lookingback
(2001.5.16FUN HOUSEより発売)

 風の街 /01.3.7
■大友康平氏のモノローグが入るところが好き嫌いの別れるところかもしれないが、楽曲としてはK.ODAの最近のテーマである、「頑張ろうsong」の1つなんだなあとおもう。
この曲を聴くとやっぱりK.ODAはラブソングだけの人じゃなく、季節の美しさ、人の心の移ろいを描きつづける人なんだなと再確認する。誇りを捨てずに生きていく・・みたいなね。
「ここから見える街は、まだ変わろうとしている・・」の部分の幾重にも重なる彼のセルフコーラスには心に迫るものが。

 夏の別れ /88.6.1(Still a long way to go)/01.3.7(風の街)
■この曲を聴くと思い出すのはオフコース解散直前の武道館ライブだ。K.ODAはこの曲の時にちょうど涙に声を詰まらせ、歌えなくなったのだ。「想い出は想い出として・・」など、珠玉のフレーズが散りばめられるてあるこの曲だけれどやはり圧巻は自身の声を重ねた透明感溢れるコーラス部分。それらを聴くほどに、以前K.ODAが「三度のハーモニーなんて単純でツマラナイ」と語っていたのを思い出す。それにつけてもK.ODAって子音の発音がきれいなんだよね・・などと妙に感心してしまうのって僭越かな??(そりゃそうだ、第一級のプロだもんね)

 She so wonderful /88.6.1(Still a long way to go)/アルバム初収録
「君がいれば〜」っていうカッコイイコーラスに「あれ?誰??」と思い、調べたところ、鈴木雅之氏。
ああ、そういえば「別れの街」以来鈴木氏も随分前からいろんな曲に参加しているけど、今回のは特にいいな〜とおもった。もちろん佐藤竹善氏も参加していて、この二人の声がK.ODAの声を正反対の方に広がらせているところが、オリジナルとそう変化ないアレンジにもかかわらずアドリブ感溢れて、心地よい仕上がりにさせているのではないかな?と思う。

 愛の中へ /81.12.1(over)/アルバム初収録
■オリジナルは「じゃかじゃ〜ん」というイントロからして(ちなみにラブストーリーは突然にのイントロは「キュコカーン」と表記されるらしい)ゴージャスだったのだけど、今回のバージョンはもっとしなやかな感じに仕上がっている。力が抜けた感じだけど、その分、緻密なサウンドになった感じ。「聞かせて、あなたの声を・・」の最強高音コーラスは今も健在!K.ODAって今が声の最盛期かもしれない・・。よく透明感溢れるとか、繊細な声とか評される彼だけど、一度ステージで彼の歌う姿を見ていただきたい。あの痩い身体をしなるようにシャウトし、歌う姿は力強いといってもいいほど。本当は結構野太い声なのかもしれない。普段の会話とかは結構、ぼそっとした低い声だしね。(笑)

 言葉にできない /81.12.1(over)/アルバム初収録
■オリジナルのバロック音楽様に対して今回はピアノの弾き語り。「嬉しくって嬉しくって・・」のところの彼のシャウトして謡う表情が目の前に浮かぶよう・・。 「今、貴方に会えて・・wo wo wo・・」のシャウトで、ふっと1982年にタイムスリップしてしまい、そのあとに続く弦楽のエピローグでまるで1つの映画を見終わったような気分になる。ステージでこの曲が流れるとき、バックスクリーンに映画「ひまわり」の広大なひまわり畑のシーンが映し出され、「we are,over,thank you」のメッセージも流れたのも懐かしい思い出。あの頃、こういったメッセージ1つが「解散か??」に繋がってしまっていたな〜。それにそういえば、オリジナルでは曲の最後に、K.ODAのミキシングエンジニアのビル・シュネー氏の声でこのメッセージが挿入されていたっけ

 さよなら /79.12.1(シングル)/アルバム初収録
■この歌をカラオケで歌って、爆死している輩は多い(累々たる屍って奴ね)。(笑)このバージョンになって更に難しくなったし。屍数はふえるいっぽうでしょうね(←いぢわる)K.ODAもこの曲をセルフカバーすることはさすがに手ごわかったという話。オリジナルが発表された時、「もう、終わりだね・・」の「もう」の部分はギターのE線とA線を爪弾いたときに出来た旋律というのは有名な?話??ラストの「・・さよなら」をうたいあげずに、押し殺すように聴かされると、誰しも寒い頃の少し痛いような想い出が蘇ったりするのかなあ

 あなたのすべて /78.7.20(シングル)FAIR WAY収録/99.10.21(こんな日だったね)
■拙作「鬼神の少女」という短編を書いていた時、この曲をエンドレスできいていた経緯もあって、個人的にはおのずとこの話の絵がうかんでくる。緩やかに流れるようなメロディーと透明感溢れるフレーズは心地よいとしかいいようがない。 「そんな目をして、なにがあったの?・・」彼女が男に問い掛けるそんな言葉に女であるわたしでさえドキドキしてしまう。「風と光とあなたが心のままに、わたしのなかで、煌いている。あなたのすべて、今、類なきもの・・」の移調によるリフレインがまた泣かせる、そして、最後のサックスの冴え冴えした音・・嗚呼園山さん・・(笑)

 心は気まぐれ /76.11.5(Song is Love)/アルバム初収録

■前曲とはかわり、軽快な歌詞は、「眠れぬ夜」の続編(?)ともいわれたらしい。 「シャクな話だけど、揺れる心止めることもできず、だまっていた・・・」という歌詞そのとおり、この曲に心揺らされ、ドキドキさせられ、それがなんとも愉快な、まるで恋の始まりのような楽しい気分にさせられるのである。「・・生意気な女・・」好きな男にそう言われてこその女冥利か??それにしても今回のこの豪華なコーラス陣、それに終わり部分のK.ODAのアドリブっぽい歌い方「心はいつでも、いつでも・・」あ〜大人だな〜。これでこそ大人の男の歌い方だ!!(笑)

 愛の唄 /75.12.20(ワインの匂い)/97.7.22(伝えたい事があるんだ)
「めぐりくる、季節にも、懐かしい匂いがして、ふるえてた、あなたの温もりさえよみがえる・・」ねっ、こんな風に季節を美しく歌える人ってそうそういないでしょ。 世の中、好き嫌い、出会った別れたって歌だけじゃないんだよってことが改めてよくわかる気が・・。ってそのわりに、タイトルは愛の唄。ま、「愛」だって、きっと妙齢の男女の間だけとは限らないとおもうし。(この歌以降、タイトルに「愛」は増えたかも?)このアルバム全編を通していえることだけど、曲の最後あたりのアドリブっぽい歌い上げがこの曲の凄く素適に仕上がっている。サックスの音色とK.ODAの声のセッションとでもいうか・・

 もう歌はつくれない /74.5.5(この道を行けば)/00.3.23(WohWoh)
■元々「別れの情景1」の続編で「別れの情景2」というタイトルだったがこの曲。selecstionというベストアルバムには1のほうが入ったくらいだから、当時(といっても、リアルタイムではないけど)個人的には2であるこの曲の方が好きだったので、なんで、2がベスト版に入らないのかなあ?などと思っていた。しかし、27年前の楽曲がこのように生まれ変わる姿を体験できるのは、本当に贅沢なこと。とつとつと弾かれるピアノに思わず聴きいってしまうのは、無理からぬこと。
 そして、この歌に出てくるような男に惚れた日にゃ、地獄だなあ(笑)

 君住む街へ /88.6.1(Still a long way to go)/アルバム初収録
■風の街がこのアルバムのトップであれば、最後はこの「君住む街へ」しかないだろう。 この曲もいわゆる「いっしょに頑張ろうsong」なのだし。 この曲のエンディング部分も圧巻、「・・wo wo wo wo ・・lalala・・」となにげに歌い上げているかみせて、そのボーカル力は将に「言葉にできない」。「歌い続ける繰り返し、君がまたその顔を上げるまで」 K.ODAはソロになった後のコンサートでも最後の曲としてこの曲を歌っていたけど、やはりこの曲で思い出されるのはオフコース解散直前武道館ライブ。
「君住む街までとんでゆくよ」の言葉どおり、彼は解散後もソロとして数々のツアーを敢行してくれたが、この曲を聴くとなにやら勇気づけられるとともに、なにかが終わってしまう、そんな少しの寂しさが湧き上がってしまうのはなぜだろうか・・ だから、 Looking Back2でも最後の曲?なんだろか?






この文章を書くまで、実はファンクラブ発行の「Far East Cafe Press」のK.ODAが語るLooking Back 2という企画記事が読めませんでした。読んでしまったら、そこから離れられないような気がして・・。さあ、これでK.ODAのコメントが読める〜(涙)ま、全くの自己満足だとしてもね・・・

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