

地獄へのツアーへようこそ、片道だから安いよ
私のタービンは、ハイフロー化はしてあるが、純正N3A1(日立HT)である。
定年退職をすると、男とは本当にすることがない。 毎日無駄な時間を過ごし酒を浴びるだけ。
そこで、壊れて部品取り用同然の純正FD3Sタービンをネットで安くかって分解して遊び始めた。
理由は、FDのタービンはオイルフロー方式であるが、直接この目で確かめたかったからです。
そして、ついに悪い虫が起き始めた。
https://minkara.carview.co.jp/userid/403423/car/2028036/4359648/note.aspx
悪い虫が動き始めたのは、みんカラのこのページが原因です、ありがたく参考にさせてもらいました。
まだ調子の良いタービンを家のガレージで独学オーバーホールしたのだ。
必要ある? 阿保か? それともバカ? いえいえ単なる暇人です。
え、何? 高回転するタービンのバランス取りはどうするって?
・・・・ 知らん。 聞かなかったことにする。
さあ、あなたも地獄ツアーに出かけましょう。 行先はあの世ですからパスポートは要りません。
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1:リペアキットについて
台湾の会社がリペアキットを出していて、ebeyと言うネット販売で2個購入した。

Turbo
Rebuild Repair kit Hitachi HT10 - HT12 38mm Type 1 For Mazda RX7 Twin
上の検索条件で探せば、リペアキットの購入は、誰でも特に問題なくできるでしょう。
写真はカタツムリ1個分、これが2個必要。

ツアー参加者が一人でも多くなるように、プリントスクリーンを貼っておくネ。
今はまだ現世の出発ロビーにいます。 向こうで鬼が手招きしていますヨ。
2:必要な工具について
初めての人は、ネットでボロボロでも良いので、同じ中古タービンを買って、分解のリハーサルをしないと無謀です。
それと、タービンを車から降ろすだけでも、ガソリンスタンドなみの工具が必要です。
特殊な工具は必要になった都度にホームセンタ等で購入でもいいでしょう。
現時点で、車載工具程度しか持っていないなら、待っているのは自爆です。
例として、タービンの本体の分解に絶対必要な工具です。
大きな物と小さなリング外し2個です。私は既に持っていたので、残念ながら工具の品番までは分かりません。
リハーサルタービン本体を現物見本として持って、工具屋に行ってください。
特に大きい方のリング外しは、リングの2個ある穴に入る出来るだけ大きい物でないと苦労しますよ。
中華の安物では、物凄くえらい目にあいます。

スタッドボルトを差し込み直したり、ボルトとナットを分離するのに便利な道具もあったら便利です。

普通の人は、ここいらあたりで考え直します。 普通の人は。
3:自分の技量について
最低限、フロントパイプの脱着程度の経験が無いと、タービンの取り外しが出来ないでしょう。
私は、機械と電気の知識はあると思っていますが、今回の作業でタービン脱着を6〜7回?10回はしていないと思う。
原因は、オイル排出パイプからのオイル漏れを治すのに時間がかかったこと。
もう一つは、タービン組み立て角度が元の状態からずれて、インタークーラへ繋がるパイプが、他に接触すると言う失敗を犯したからです。
少なくとも作業前に、YouTubeで沢山勉強してもこれです。
また、土日しか作業できないサラリーマンは、2ケ月以上かかると見てください。
当然、慣れれば1日で脱着できるようになりますが、針の山地獄を歩く根気が必要です。
ここで引き返せば、あなたはずっと後悔しか残りません。 それでも良いですか?
4:落とし穴
片側のタービンに2ケ所の取り付け角度を調整しなければならない場所があり、合計4カ所あります。
下左写真の赤と緑矢印の部分です。
この取り付け角度が元の状態から狂うと、脱着を何回も何回も何回も、確か6回以上しなければなりませんでした。
素人の私は、ケガキにて位置マーク(2番目の写真)としたが、角度誤差が大きくなり、3番目の写真の様になり、火の山地獄を4日ほど這いずりまわりました。
プロはと言うと、角度を位置決めする為の取り付け用固定治具を自作していると予想します。
1番目写真のA面(エキゾーストマニーホールド面)を絶対基準にして、B面(冷却水面)とC面(タービン出力面)の元の分解前の角度に固定した三角定規を自作するのが素人は良いのでは?
B面(冷却水面)の代わりに、オイル戻り蛇腹パイプ取り付け面の方が平面が大きいので良いでしょう。

少なくとも、私がやってしまった安易なケガキ方式は止めなさい。
血の池地獄で湯治しても直りませんよ
もう、あなたはこの世にはいません、今どこか分かります?
その5 YouTubeで見たのと異なる事もある
逆回転ネジだと思ったが、私の場合(ハイフロー化)は、通常の通りの回転方向のネジだった。
逆回転が普通と思うが、ネジの回転方向をよく確認してから作業しないと破損させてしまいます。
このツアーの目的地の地獄へ早く着きすぎます。
三途の川を渡った記憶は残っていますか? 六文銭も払い終えましたヨ。
当然覚えていませんね。
その6 FD3Sで良く起こる修理現象
オイルリターンの蛇腹金属パイプの組み上げが、隠された難所です。
●蛇腹金属パイプは、タービン本体に付けた状態でタービンをエンジンに組む事をお勧めします。
タービンをエンジンに組み上げて、後からパイプを付けるのは無理です。
●蛇腹金属パイプの両端のフランジ部分は、小さな傷がないか確認して綺麗に掃除してください。
新品ガスケットを使用しても、オイルが漏れる状態のみ、接触フランジ平面を新品砥石で軽く磨きます。
素人がやると平面が崩れ曲面になり、余計にオイル漏れの原因になりますので注意。
蛇腹金属パイプ新品1本で、たしか諭吉様がお一人天国へ召されるのでは?
●写真のガスケットは、左右で外観も品番も異なります。
私はamazonでの300円をケチって、天女から見放され三途の川を何日もさまよいました。
エンジンをかけて5分もすると、タービン周りから煙がでました。水かオイルとは思えど、
タービンカバーの為、ライトで照らしても場所の確定が出来ません。 日数ばかり経過。
水周りの銅ワッシャを使い回ししたのが原因と思い、再度組み上げも直らず。
挙句の果てには、タービンカバーを付けずに、組みなおし。
何回ラジエター液を入れ替えたやら。 最後には、水道水だけを入れてた。
●結論は、オイル戻り側のガスケット不良でした。 水とオイル通路のワッシャ、ガスケットは新品を。
私は中古を再使用する悪い癖があり、いつも遠回りします。
地獄のさたも金次第を実感しました。
●このガスケットは取り付けに、何度も、何度も、何度も、何度も位置がずれていないか確認してください。
素人が取り付け失敗を起こし易いところです。
特にエンジン前側、写真の左側。 よく見てください上下非対称なんです。

おめでとうございます、あなたは立派な偉業を成し遂げました。 地の果ての地獄にて。
その7 ついでに作業しましよう
潜望鏡が外しにくい対策
タービン脱着時に、後方タービンの吸入管(俗名:潜望鏡)の取り外しがなかなかできません。
そこで、下の写真のボルトを入れ替えると、次から楽になります。 直ぐに次回が来ますから!
下らない暇ネタ。
冷却水のパイプに耐熱布を巻き、ステンレスの針金で固定した。 少しは効果あるかな?

あなたは急ぎ住民票を移してください。 閻魔大王様が永住権を授与してくれるそうです
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半年も前の作業だったから、順番もいい加減かもしれないが、写真を貼っていきます。
外したタービンとエンジンルーム
タービンの外し方は、ネットでで沢山でているので、事前に印刷しておく事を強く勧めます。
https://minkara.carview.co.jp/userid/155783/car/52816/1289675/note.aspx
ここのページは分かりやすく記載されています。
ありがたく参考にさせていただきましょう。

左:元の角度にしなければならない1箇所目のボルトを外した。 ケガキもしたが、エライ目に。
右:元の角度にしなければならない2箇所目のリングを外した。 ケガキもしたが、イタイ目に。

最初の難関のリング外し

ここまで来れば、ゆっくり焦らず、回転方向とボルトをなめない様に

ヘンテコな頭のボルトもあった(私だけかも)、そしてその奥に軸メタルが見えてくる
排気側の防熱円板の奥に、小さなリングが見えており、その奥も軸メタルがある
並べてみた
部品の位置と向きが重要、特に部品の向きが忘れやすい。
ゴムのOリングが組み上げ時に位置がずれない様にするのが難しかった。

ここの金属製リングも外しにくい。

ここまでの作業をすると、必ず何らかのアクシデントがあります。
それを解決するためにネットで調べまくる様になるでしょう。
発狂しても私を恨まないでください。 安易にツアーに参加したあなたが悪いのです。
困難を時間つぶしと感じる老人だけが試みてください。 人柱は多いほうが楽しいから。
ちなみに、この地獄ツアーに延べ日数で10日ぐらいかかりました。 実作業だけですよ!
現役サラリーマンが、3ケ月で地獄から生還できれば、あなたはすごいと思います。
家庭もちならそれ以上かも。
添乗員はなんとか地獄から帰れました。
一緒に行った人はまだ帰ってきていませんが、その内に連絡があるでしょう。
2022現在、まだタービンブローは起きていません。
終わり
FD3S 純正タービン・オーバーホール
お涙頂戴 、 地獄旅行記の編
ああ悲惨 、 屍が累々