九州ツーリング                 1994.7.14-7.19

7.14(Thu)

 いよいよ初めてのロングツーリングの始まりである。同行は職場のツーリング仲間である福本、上江洲両氏。行き先は、福本氏の関西汽船の株主優待券で半額で行けるというおいしい申し出により、文句なしに九州と決まった。しかし今年の夏は例年にない小雨、猛暑である。よりによって暑い方角に行かなくてもという思いはあるのだが、廉価で行ける魅力には勝てない。
 仕事を終え、21:35発のフェリーに乗るべく神戸中突堤へ向かう。出発前に近所のスーパーで簡易食料を仕入れ、福本氏に積んでもらうべくマンションを出るが、重みでバランスを崩し危うくこけそうになるが、なんとか体勢を持ち直す。しかしこれがこの先の不吉な予兆であるとはこの時には気がつかないのである。
 8:30神戸ポートターミナルに到着。出発までの間に、持参したヤエスのハンディ機(FT-729)で大阪のアマチュアとQSO。Tnx JF3UFV
21:35、フェリーは滑るように神戸を出航する。我々3人は2等船室、さすがに平日なので客は少ない。場所を確保してから早速酒盛りとなる。ところが、同じブロックになんと!若い外国人の女性がいるではないか。飲み始めたころは横目で様子を窺っていたが、酔いが回ってくると中年の悲しい性、慣れぬ片言の英語でおそるおそる話し掛けてみた。既にしたたか酔いが回っていたので、まともな文章で話すことができない。しかし、単語のオンパレードでもなんとか意味は通じるもので、彼女の言うことはおおよそ以下のようであった。生まれはカナダ、今は名古屋の神戸屋というパン屋でアルバイトしている、これから松山の友人に会いに行く。話に高じていると、同室の人からうるさいと文句を言われたので、廊下のベンチに移動してさらに話し込むが、そのあたりから記憶にない。およそ深夜に部屋に戻って寝たと思う。

 翌朝5:35松山港に到着、ここで彼女は我々に挨拶をして去っていったが、私はというと二日酔いで毛布にくるまったまま、返す笑みがひきつっていた。

7.15(Fri)

 9:30別府国際港に到着。あ〜、また二日酔いだ(;-;)。こんな調子で今日からまともに走れるのか不安になってきた。しかし、別府上陸は高校以来23年ぶりだ。胸の高まりを押さえて、さあ楽しく走ろう。
今日は一目散に23年ぶりのやまなみハイウェーを走らなくては。この道路は今年の春から無料になった。別府はどこも寄らずまず湯布院へ向かう。ここは近年観光客が多く訪れると聞いているが、なるほどのどかな温泉町の雰囲気はある。JR湯布院駅前の喫茶店で休憩する。湯布院駅は湯治場には似つかわしくない斬新なデザインの駅舎だ。

湯布院駅前
JR湯布院駅


 湯布院で一息ついて、次は念願のやまなみハイウェーだ。天気は快晴、というより暑すぎる。しかし雨よりはましだ。にもかかわらず、やまなみハイウェーですれ違うバイクはほとんどいない。皆北海道や信州に行っているんだろうな。

 阿蘇山の麓の内牧で昼飯のラーメンを食べ、ついでに夕食を仕入れて今夜のキャンプ場である「グリーンピア南阿蘇」へ向かう。
 今日はまだ金曜日だ、どうりでキャンプは少ない。テントを設営し終わり、さあ食事の準備をしようかという段になって肝心のビールを買い忘れていることに気づいた。何故か私が買いに行く羽目になり、バイクでまた麓へ引き返していたところ、土砂降りの夕立になった。すごい雷で、後ろに立てたモービルアンテナに落雷しないかと冷や汗もの。急いで酒屋にかけ込んでしばらく雨宿りをさせてもらった。
その時バイクを雨がかからないように隣の小屋の庇の下に置いていたのがいけなかった。雨がやんでいざバイクを引き出そうとしたが、その時バランスを崩して大事なバイクをこかしてしまった。生憎横に庇を支えているポールにバイクのタンクが当たってしまい、タンクまでへこんでしまった。出発する時の悪い予感がこんなところで起こってしまったのだ。雨がやんでから泣き泣き引き返したのは語るべきも無い。

阿蘇山キャンプ

本日の走行距離 164km