伊勢志摩ツーリング

1994.10.2(San)〜10.3(Mon)

10.2(San)
 
 今回のツーリングは、秋の伊勢路を走るとともにおいしい海の幸を満喫しようという発案により、毎度のメンバーであるF氏、U氏と私の3人で志摩半島の突端にある御座岬を目指すことにした。

 7:20愛車CB400SFのエンジンに火を入れ近所のF氏宅へ向かう。F氏は既に自宅の前でアイドリング中、バイクはFJ1200、初老の域に入っているのに相変わらずクソ重たいオーバーリッター車に乗っている。もう1人U氏とは阪名道路の針インターで9時に落ち合うことにしている。

 私とF氏の自宅は中国縦貫道の神戸西インターのすぐそばにあるので、中縦を利用する時は大変便利だ。今回も和歌山方面に行く時と同じように中縦から近畿自動車道、西名阪自動車道を経て阪名道路へ至る。私は基本的に高速道は嫌いなのだが(スピードが恐いのと景色が楽しめないため、お金もかかるしね)、和歌山や今回のように三重県方面に行く時には、時間と経路を考えると高速を使わないわけにはいかない。

 9時きっかりに針インターに降りる。U氏も既に着いていて、3人合流していざ伊勢路へ。もちろん伊勢路の途上にある名所旧跡を回ることは忘れない。まず、女人高野の室生寺へ立ち寄る。高野山は女性の入山が禁止されているのはご存じと思うが、唯一ここ室生寺は女性が入ることが許可されているお寺である。女性のお参りが多いというのもそんなことが関係しているのか。境内をうろうろ散策するが、深閑とした木立の中での静寂が心地よい。本堂はずっと奥にあるということだが、いつもの横着心が出て入り口あたりで引き返す。門前には土産物や食べ物の店が並んでいて、天然水のコーヒーを入れてくれる喫茶店で休憩する。

室生寺
F氏と私(右)

 さて、次は曽爾高原。伊勢本街道から県道へ回り曽爾高原の標識を頼りに進む。山道を登ると何処から湧いてきたのかハイカーの列。この季節ともなると涼やかな秋風が心地良いことだろう。国立曽爾少年自然の家を通過し、高原の入り口にさしかかる。そこにはちゃんと駐車場が完備されていて、横着な自家用ハイカーも楽に高原を散歩できるようになっている。

さて、我々はバイクを路肩に止めて、そこから高原へ歩く。あたり一面ススキが風にたなびいている。高さ100m位の小高い丘があって、皆弁当やジュース類を持参して登っている。頂上ではさぞ見晴らしが良いだろうが、ライダーブーツでは往復1時間はかかりそうだし、体力的にこれからのツーリングが耐えれなくなりそうなので、記念写真を撮っておしまいにする。

曽爾高原
曽爾高原


 このあとは一路伊勢を目指す。また伊勢本街道に戻り国道398号を東進、勢和多気から伊勢自動車道に乗り伊勢西インターで降りる。今回は距離を稼がなければならないので、自動車道を利用する。ここから伊勢志摩スカイラインに乗ったが、有料道路の割にしてはグッドとは言えない。次は鳥羽からパールロード。伊勢湾が見え隠れする快適な道路だが、格別いいとは思えない。パールロードを降りてから阿児町、大王町を過ぎて4:30御座岬の先端の志摩観光農園キャンプ場に到着。管理人(経営者)の奥さんが出迎えてくれた。この奥さんは本当に親切で感じの良い女性である。キャンプ場も掃除や草刈りなどの手入れが行き届いていてきれいだ。

 キャンパーは我々3人以外にはいない。それもそうだ、今日は日曜日なのだ。昨日の土曜日は家族連れで賑わっていたということだが、あまり少ないのも寂しいものだ。テントを組み立ててから夕食の買い出しに行く。まず漁港の前の鮮魚の卸店で伊勢エビとサザエを買う。さすがに伊勢エビは高価だが、「ぼろ」といって手足の取れたものは市場では商品価値が低いので、安く買うことができる。まさか手足までは食べないので、みてくれなどどうでも良い、胴体があれば十分である。1人に一つ造りにして、あと塩焼き用に一匹ずつ合計6匹買う。それとサザエを少々。それから、ちゃんこ鍋の材料と肝心のビールを買いに町中まで走る。

 さて、心ウキウキとキャンプ場に戻り3人で手分けをしてディナーの準備。可哀想だがエビ君には死んでもらおう。と、ナイフを入れると断末魔の声を出しながら暴れまくり、なかなかうまく身が取れない。普通甲殻類を調理するには出刃を使うのだが、ツーリング用の薄刃のナイフしかない。四苦八苦しながらなんとか一匹目を解体したが、甲羅にはまだ身がいっぱい付いたままだった。二匹目からは何とかうまく解体できた。で、最初の一匹目は甲羅ごと焼くことにした。サザエも刺身と壷焼きに分けて、さあ炭焼きの開始。一方、ガスコンロの方にはちゃんこ鍋がぐつぐつ煮えている。今夜はこれまでのツーリングにない最高に豪華な食事になった。

志摩観光農園キャンプ場
左はF氏

 食事が始まるとどこからともなく数匹の猫が現れてきた。我々を遠巻きにして空きあらば失敬しようと狙っている。これは毎度のことのようで、奥さんがネズミ花火を持ってきてくれて、たまにこれに火をつけて猫をおっ払って下さいと言う。寝る前には食べ物をしっかりテントの中にしまったのは言うまでもない。

 本日の走行距離 328KM