編集後記

今回で連続3回目となる北海道ツーリングであるが、3度ともなるとツーリングの要領も分かってきて手慣れたものである。
フェリーでの過ごし方、キャンプでのパッキング、一日の行程など、スムーズに運ぶことができる。
今年は過去2回より3日ほど長いツーリングになって、しかも民宿に一泊したので例年より4万円ほどの出費となってしまった。基本的にはキャンプツーリングをモットーとしているので(貧乏なだけかも)民宿は予定外であったが、それがバイクを置いてきた礼文島だけに、仕方ないことではある。
次回礼文、利尻に渡る機会があればキャンプ道具一式は持参することにしよう。

さて、今回のツーリングで印象的だったことをいくつか挙げてみよう。
まずお気に入りのキャンプ場として、美深キャンプ場網走の呼人浦キャンプ場ニセコの湯本温泉野営地。特に美深キャンプ場は8月にライダー祭りが催されるほどのライダーのメッカだけあって、施設も環境も整っている。なんといっても無料だし、しかもサイトへバイクの乗り入れができるということ、これはバイク乗りにとって安心だ。トイレも炊事棟もきれいだし、直ぐ目の前に温泉もある。ここをベースに道内を走るというライダーも多いようで、なるほどと頷ける。

呼人浦も無料のキャンプ場で、サイトの直ぐ前が網走湖という申し分のない雰囲気である。
ニセコの湯本野営地も無料サイト(無料の所ばかりを選んでいるようだが)で、整備されて間もないようでトイレも場内もきれいである。
キャンプ場がやや狭くて、シーズンの休日前は混むかも知れない。

ただしこれら3つのキャンプ場は近くに食料を調達するところがなくて、少し走らなければならないのが難点かな。

次に今回稚内で初めてライダーハウスに泊まったが、これは市内に適当なキャンプ場がなかったからである。一応市営のキャンプ場があって、小高い丘の上で見晴らしはよいのだが、そこへ至る道中に墓場があってどうも不気味なのである。
しかし初めてのライダーハウスは、宿主が地元の漁師上がりのおじさんというだけあって、毛ガニを嫌と言うほどふるまってくれら。1300円の宿泊料で儲けがあるのかと思うくらいの毛ガニの量だった。
後でそのライダーハウスの名前を知っているライダーが多いのにびっくりしたが、口コミで結構有名になっているようだ。
最も安く上げるにはフェリー乗り場のすぐ近くに波除けのドームがあって、あらかじめ情報を得ているライダー達はその下でテントを張っているようだ。
ただどうにもホームレスのような感じがするので、ちょっと頂けないが。

礼文島ではシーズンの盛りだったので、民宿がどこも満杯で相部屋にさせられたのは残念だった。そこの民宿はシーズンだけの営業だそうで、オフになると一家揃って札幌で暮らすという。今のうちに詰め込んで稼ごうという商魂だったのか…

次にねずみ取りについて。幸いにも、今年も一回もねずみ取りの現場に立ち会うことがなかった。北海道ではヘリコプターを動員してまでスピード違反やはみ禁の取り締まりをすると聞いていたが、3年連続ねずみ取りすら見かけなかったというのはどういうことか。
別に人っ子ひとり通らない間道を走っているわけではなく、絶景で有名な国道を走っているのだ。まぁ、へなちょこ親父ライダーでそんなにスピードも出していないから、捕まったとしても大した反則にはならないだろうが。

今回初めて北海道で食べたもので印象的だったのは、ほっけの糠漬けハタハタの唐揚げ、そしてウニ丼。糠漬けというのは沢庵、鰯や鯖のへしこなど私の好物であるが、ほっけのそれも酒の肴に最高!長く保存できるのだが、表面の糠の部分に青かびがびっしり生えて、ちょっと食べる気にならなくなるのが不満だが。
ハタハタの唐揚げは小樽の寿司店で出されたもので、値段もそれなりであったが、生のハタハタも唐揚げという食べ方があるのかと意外な感じがした。

ウニ丼は稚内と積丹半島で食べたが、値段はやはりそれ相応のもの。ただし、ウニ丼を食べるならまずしゃりは寿司飯、そしてウニは赤身のバフンウニであること。
それ以外のウニ丼なら、別に高いお金を出してわざわざ北海道で食べることもない。内地でも同じものが半値以下で食べられる。

最後に、長旅のツーリングで一番ゆっくりできるのはやはりフェリーの中ではなかろうか。とにかく乗ってしまえば小樽か舞鶴に着くまでフェリーの中から出ることはできないのだ。本を読むのも良いし、同室の人と話すのも良い。しかし一番贅沢な過ごし方は、酒をかっくらって四六時中寝ていること。これでこれからのハードなツーリングの体力が温存でき、また帰りは疲れを癒すことができるのだ。

フェリーの30時間の乗船時間は、長いようであっという間である。乗る度に短く感じられるのはやはり歳をとりつつある証拠かも知れない。

おそらく来年は北海道ツーリングは一休みになるだろう。毎年一人で遊んでは申し訳ない。やっとそんな気になったところで、長いようでやはり終わってしまえば短かった今年のツーリングの幕引きとしたい。


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