990723 Fri.
ニセコの朝夜中にテントの屋根をたたく音がしたが、やっぱりか?
6時に目が覚めテントのファスナーを開けて外を見ると、確かに地面は濡れている。
あ〜ぁ、やっぱり予報通り今日は雨のようだ。
お湯を沸かして即席みそ汁を作りおにぎりを食べていると、雨が降り出す。最初は降ったり止んだりだったが、次第に断続的に降るようになってきた。止みそうもないので、合羽を着込んでテントの撤収に取りかかる。濡れた状態でテントをたたむのはホントに面倒だ。さすがにこの雨の中で撤収の準備をしているのは私しかいない。
雨の中の撤収は通常の倍くらい時間がかかる。

キタキツネ

8時20分、やっと荷造りを終えニセコを発つ。晴れていれば絶景なのだろうが、残念ながら雨とガスで視界がすこぶる悪い。50キロくらいのノロノロ運転で峠を登り下る。ニセコを抜けるまではほとんど雨であった。途中でサイドカーを装着した大型バイクとすれ違ったが、タンデムの後ろには奥さん、そしてサイドカーには子供と合計3人乗っているではないか。しかも全員合羽を着込んでいる。サイドカーの子供はちっちゃなヘルメットにゴーグルを着けた姿がかわいい。

道道66号、ニセコパノラマラインを通過し岩内市内へ。そこから積丹半島へ向かう国道229号へと右折する。この国道は天候によって通行規制があるようで、それを知らせる電光板が目に付く。
波静かな日はきれいな海岸線が見渡せるのだろうが、今日は海も荒れていて絶景は台無しだ。ただ単に走っているというだけだ。

10時25分、神威岬へ。広い駐車場だが、車が数台とバイクが1台だけ。ここから岬の先端までは歩いて30分ほどだが、風も強くガスも深く、この天候ではとても行く気にはならない。
トイレを借りてすぐ出発。


10時40分、バイク雑誌に載っていた国道沿いの「浜寿司」へ。ここのウニ丼が定評あるというので注文する。ここは食堂ではなく純粋の寿司屋である。
出てきたウニ丼は赤身と白身が半々載っている。白身の方はムラサキウニ、赤身の方はバフンウニといってこちらの方が味は良い。したがって、値段もバフンウニの方が高い訳だが、普通はムラサキウニだけだが、サービスで半々にしたとのこと。うれしい心遣いじゃないか。しかもご飯がすし飯だから、稚内で食べたウニ丼より格段にうまい。これで2800円だから、稚内の3500円は高すぎるというものだ。とにかくここ「浜寿司」はお奨めの店である。
「浜寿司」の隣が積丹ユースになっていて、雨でどこへも行けない茶髪のにーちゃん達が退屈そうに店の前でたむろしている。

12時25分、余市のニッカ工場着。22年ぶりに入ってみる。工場内はウィスキー工場だけあって、ほのかなウィスキーの香りが立ちこめている。まず入り口で記念撮影。
順路にしたがってウィスキーの製造工程を辿る。サービスカウンターで5ccほどのアルコール度60%のウィスキーを試飲させてもらう。喉に強烈な刺激がある。それに誘われて、同じ60度数の10年物の蔵出しのウィスキーを買ってしまった。180ccで1500円也。
あとニッカの髭のTシャツとウィスキーグラスをお土産に買った。
ニッカ工場前 ニッカ白樺

winebar13時40分、ニッカを出る。
国道5号に入ると次第に交通量は増える。さて今夜の泊まりをどこにしようか。キャンプなら安くて済む。ビジネスホテルで夜を豪勢にするのもいいなぁ。走りながら考えていたが、空模様もイマイチだし、キャンプはやめとこう。そうなると去年飛び込みで泊まった天狗山ユースが思い出された。え〜い面倒だ、ユースにしてしまえ。

というわけで、勝手知ったる道順、14時20分、いつの間にか天狗山ユースに着いていた。チェックイン前にもかかわらず強引に入れてもらう。荷物を解いてまずコインランドリーへ溜まっていた洗濯物物を放り込む。身軽になったところで、今夜は小樽の夜を散策しよう。ユースのすぐ前がバス停というのは有り難い。

14時52分の小樽駅行きのバスに乗る。駅から運河まで歩いてみる。小樽は北の商都、石造りのレトロな銀行や証券会社の建物がたくさんあり、それだけで落ち着いた雰囲気を醸し出している。

まだ日が高いので、ワインバーに入って地ビールを飲む。さすがに客はわたし一人。
冷えたビールを飲みながら、しばし時を忘れてのんびりする。

裕次郎記念館 運河まで下って、次は石原裕次郎記念館へ行こう。市内を巡回する100円均一のバスに乗る。マイカル小樽で降り、石原裕次郎記念館へ。1500円払って入館。いや〜、観光客が多い。中年の女性が目立つ。
館内は裕次郎メモリアル、写真やアルバム、レコード、生前身につけていた装身具、愛車などなど、すごい数の展示物である。京都嵐山の美空ひばり記念館も同じ趣向の建物で感動したが、特に裕次郎ファンでもないけれど、ここもなかなか良かった。

小樽の馬車記念館を出てまたバスに乗り、次は北一ガラスの通りに出る。さすがにガラス工芸の店、しかも同じブランドの店が建ち並んでいる。バイクだと壊れ物は土産にできないので、見て回るだけ。しかし、値段は結構な札が付いている。

そこから歩いて運河通りまで戻り、時刻表の広告に載っていた「しかま」という寿司屋を探す。市バスの広告に載っているくらいだから、怪しいお店じゃないだろう。

18時20分、「しかま」でにぎり寿司とハタハタの唐揚げを注文。ハタハタの唐揚げというのは珍しく、しかも美味だった。

17時30分、天狗山行きのバスに乗りユースに引き返す。洗濯が終わっていたので、乾燥機に投げ込み風呂に入る。ビールを飲み直し、することもないので二階に上がってベッドを作り横になる。
二階は全てベッドルームになっていて、10セットくらいあるだろうか。ほとんど埋まっている。寝るだけだから照明も薄暗い。

いつの間にか寝入っていたが、階下の騒がしい声に目が覚める。夜中の12時を過ぎているというのに、若い男女が大きな声でしゃべっているので、やかましくて寝られない。あげくには風鈴をがちゃがちゃ鳴らす始末で、仕舞いに堪忍袋が切れて「何時だと思ってるんや」と怒鳴ってやったが、「戸を閉めればいいじゃん」なんて女の方がほざいてやがる。

バカタレ!二階には扉などないわい!ほざいたのは太ったひどいブス女だったけど、旅先ではどんなブスでも話し掛けられることが多いようだ。ブスでもいいが、性格だけはブスであってはならん。
結局熟睡できず、朝を迎えることになる。

本日の走行距離 172.2km


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