沖縄旅行記〜


2004年11月30日から12月2日まで、沖縄へ行ってきました。
個人行動が少なくネタ的にどうだろう…?
と思いましたので今回はちょっとさくらさんとカンナさんに協力してもらいます(なんだそりゃ)。

沖縄旅行記
一日目の記録
二日目の記録
三日目の記録
小ネタ集



一日目の記録

さくら:カンナさん、どうしてカンナさんと私なんでしょう……?
カンナ:ん? なんだいさくら。
    あたいと二人じゃ不満かい?
さくら:い、いえ! そんな事は!
    (……そりゃあ二人っきりなら大神さんと二人の方が……)
カンナ:なんか言ったかい?
さくら:いいえ、何も!

さくら:で、沖縄に到着したわけですけど、まずはどこに行くんですか?
カンナ:んー、まずは中城城跡に行こうか。
さくら:「なかじょうじょうあと」ですか?
カンナ:「なかぐすくじょうあと」だよ。
    琉球では城のことを「グスク」って言うんだ。
さくら:はぁ〜、全く違うんですねぇ。
    で、ここ入り口なんですが全然お城が見えないんですけど?
カンナ:この坂を登っていくんだよ。
    まぁ、最もグスクは今は残ってなくてあるのは石垣だけだけどな。
    それでも、ここは世界遺産になってるんだぜ?
さくら:カ、カンナさん!
    琉球王国の『グスク及び関連遺跡群』が世界遺産に登録されたのは
    2000年12月の話ですよ!
カンナ:あー? まあいいじゃねぇか、細かい事は。
さくら:よくありませんよ!
    あたし達は太正時代の人間って事忘れちゃ嫌ですよ?

 義朝補足:この坂を登ったところには広大な芝生の広場があります。
      ここは嘗て遊園地が建設されていたそうなんですが
      今はそれもなくただ広大な広場となっております。
      印象としては遊園地があった割には小さいかな?


さくら:あ、ここが入り口ですか?
    結構狭いですね……。
カンナ:正確にはここは裏口だけどな。
    狭いのはここは砦だから
    敵に容易に侵入されないよう工夫してあるのさ。
    門に入るまでの間も階段だっただろ?
さくら:…? はい。そうですけど。
カンナ:門を打ち破られないために
    車輪のついたものを通さないようになってんだ。
    あと、この門自体も業物なんだぜ?
さくら:そうなんですか?
カンナ:ただ石を組み合わせてるんじゃなく、
    強い揺れの地震でも石が崩れないような組み方をしてあるんだ。
    豆腐積みっていうらしいぜ。
さくら:…なんだか豆腐っていうと簡単にくずれちゃいそうな名前ですけどね。
カンナ:はははっ。
    けど実際には今でもこうやって崩れないで残ってるからな。
    14世紀くらいからだからたいしたもんだろ?
    1853年にはあのペリーもここで現地調査をやって
    『石は・・・非常に注意深く刻まれてつなぎ合わされているので、
     漆喰もセメントも何も用いていないが、
     この工事の耐久性を損なうようにも思わなかった。』
    と記してるくらいだしな。
さくら:へぇ〜、そうなんですか。
カンナ:エジプトのピラミッドに通じるものがあるそうだよ。

 義朝補足:中城に石積みの形式は三種あり、
      豆腐積みの他野面積み、亀甲乱れ積みなどの石積み技術が
      使われています。
      ちなみに、沖縄の城壁は角が丸いです。


さくら:うわぁ〜、城が坂の上にあるから回りがよく見渡せますねぇ。
カンナ:ここは重要地点として扱われてたからな。
さくら:この城の城主様はどんな人だったんですか?
カンナ:とりあえず判っているのは護佐丸って言ってその当時の王の義理の父親に当たる名将だったらしいぜ。
    阿麻和利っていう敵の襲来から中山を防御するために
    この城に移って来たんだ。
    その護佐丸が増築して今の中城の形になったんだって。
さくら:義理のお父さん…
    ということは王様の奥さんの御父上ということですね。
    強かったんですか?
カンナ:ああ。ただ忠実に任務をこなしていたんだけれど阿麻和利の計略によって謀反の疑いをかけられて
    前からは阿麻和利、後ろからは王軍に攻められて
    この城で自害したそうだよ。
さくら:そんな……ちょっとかわいそうですね。
カンナ:そうだなぁ。
    その時に、家族も全員自害したそうなんだけど、
    たった一人末の子供だけが抜け穴を通って逃げ出した、
    という伝説があるんだってさ。
さくら:抜け穴? そんなのがあるんですか?
カンナ:さあ。
    ただ、そうじゃないかって場所はあって今調査中らしいぜ。

 義朝補足:ちなみにこの中城、正門側の一部に大きな穴が開いてます。
      第二次世界大戦中に日本軍が基地を造るべく
      城壁を崩そうとしたのですが
      城壁は二重作りで崩す事が叶わず
      日本軍は基地作りを諦めたとか。

カンナ:あ、そうだ。
    さくら、腹へらねぇか? これでも食えよ。
さくら:丸いドーナツ…ですか?
紅 蘭:サーターアンダギーっていう沖縄の代表的な菓子やね。
    坊さんが口あけて笑ってるみたいやっちゅうんで
    中国では開口球、台湾では開口笑とか言われてます。
さくら:え? こ、紅蘭?
カンナ:一体いまどっから出てきたんだ、アイツ……。

 義朝追記:この日はこのあと残波岬まで沈む夕日を見に行ったんですが
      到着すると同時くらいに雲で太陽が隠れてしまいました。
      ……残念。
      心の底からどうでもいいような事ではありますが
      ここに至る途中にあるホテル(残波岬ロイヤルホテル?)
      近くにあるシーサーは沖縄で一番大きい。

二日目の記録


さくら:おはようございます、カンナさん。
カンナ:おう、おはよう、さくら。
    ちゃんと朝メシ食っとけよ?
さくら:はい。
    …あれ、これって大根の炒め物ですか? なんだか美味しいですね。
カンナ:これは大根じゃなくてパパイヤだよ。
さくら:パパイヤってあの甘い果物ですか!?
カンナ:ああ。
    まだ青い実はこんな風におかずになるんだ。
    ちなみに、一緒に入ってる肉はポークランチョンミート。
    塩漬けした豚肉を固めたヤツだな。
さくら:へぇ〜。で、今飲んでいるのは?
カンナ:これはシークヮーサーのジュース。
さくら:?
カンナ:和名はヒラミレモン。スダチみたいな柑橘類だよ。体にいいんだぜ。
    茶がよければこっちはどうだ?
さくら:……どくだみの匂いがしますね…。
カンナ:どくだみも入ってるけど、ウコンも入ってるぞ。
    うっちん茶ってんだ。

 義朝補足:うっちん茶はウコンが入っていれば
      うっちん茶なのかもしれません…。
      私が飲んだ分はウコン、ドクダミ、霊芝が入っていました。
      モロに薬草茶の味。キライじゃないですが。
      そして何気に書いてしまいましたが
      カンナのいた時代はポークランチョンミート、ないですね。
      米軍当地時代に沖縄に定着した食材ですから…
      ひょっとしたらパパイヤも?


さくら:あ、機織の音が聞こえますね。
カンナ:琉球絣だな。
    琉球ってぇと紅型染めの着物が有名だけど、絣もあるんだぜ?
    幾何学的な模様に見えるけど、これも全部意味があるんだ。
    たとえばこの#みたいな模様は水を示してるとかな。
さくら:いい色ですねぇ。やさしい黄色。
カンナ:ほら、そこに生えてる木がその色の元だぜ。
さくら:この木の葉っぱで染めてるんですか?
カンナ:ああ。この木はフクギって言って防風林としても植えられてるんだ。
    染物に使えるようになるのには
    50年から100年は経ってないとダメだな。
さくら:はぁ〜、気が遠くなるような話ですね…。

さくら:あれ、ここ…『後継者育成室』ってありますね。
カンナ:琉球絣の後継者の育成をしてるんだってさ。
    7〜12月の半年間で琉球絣の基礎を学ぶんだ。
さくら:卒業したらすぐに仕事があるんですか?
カンナ:まさか。
    そこから織り元について修行だろ。
さくら:あ、やっぱり。

カンナ:知ってるか、さくら?
    沖縄の着物は葉っぱから作ってるのもあるんだぜ?
さくら:へ?
カンナ:芭蕉布って言ってな。
    芭蕉の葉から繊維をとるんだ。夏の着物に使うな、大体。
さくら:麻よりちょっとゴワっとした感じですね。
カンナ:やっぱり織るときに繊維が切れやすいんで
    織るときには霧吹きをかけたり蒸気を当てたりしなきゃダメらしいぜ。


 義朝補足:南風原(はいばる)の琉球絣事業協同組合より。
      この街は戦後いち早く絣で復興を果たしたそうです。
      染物は基本自然のものですが最近は化学染料も多く、
      アルカリ性が強い化学染料を中和させるために
      水あめを混ぜるそうです。
      ちなみに紅型染めの着物ですが
      本土の着物の礼装は左肩に模様があり右肩には何もないのが
      通常となり、沖縄では全て左右対称となります。微妙な違い。

カンナ:お、そうだ。
    ちょっと面白いもんをさくらに出してやるよ。
さくら:なんですか?
    うわ、大きい鉢と茶筅ですね…
    御抹茶でも作るんですか? これで。
カンナ:いや、違うよ。
    まあ見てなって……。

    まずは煎り米を作ってそれを湯に入れて…と。
    これをこの鉢に入れて、茶も鉢にいれる。
さくら:このお茶、いい香りがしますね。
カンナ:さんぴん茶ってんだ。
    ジャスミンが入ってるからそれの香りじゃねえか?
さくら:サンピン……あんまりいい言葉じゃないですね。
カンナ:ハハハ、もともと中国の三等ジャスミン茶が名前の由来らしいしな。
    まあそれはさておき、これを茶筅で泡立てていく…と。
    この時気をつけるのが円を書くように混ぜるんじゃなく、
    直線の往復で泡立てていく事だな。
さくら:うわっ、すごい泡が立ってきましたよ?
カンナ:まだまだ。10分から20分は泡立てつづけるぜ。
さくら:カンナさん……疲れるのはわかりますが
    立て膝はお行儀が悪いですよ。
カンナ:これを作るときはこういう構えでやるもんなんだよ。
    ……っと、こんなもんかな。

    茶碗にさんぴん茶を入れて、真ん中に赤飯をちょい、っと。
    その上にこのさっき作った泡を盛る。
    で、最後に砕いた落花生をふって、ブクブクー茶の完成!

さくら:わー、ソフトクリームみたいですね。
    まさに名前のとおりブクブクの泡。
    で、さじとかはないんですか?
カンナ:んなもん無いよ?
さくら:じゃ、どうやってコレは……。
カンナ:泡を吸うんだよ。
    茶碗を回したりして泡や赤飯を残さないように。

さくら:け、結構難しいですね…。
    なんだか始めのうちは
    お茶の風味のする空気を吸っているだけな感じが……。
カンナ:ちんすこうやサーターアンダギーをつまみながら飲むんだ。
    誕生日とかの内輪の祝の時に飲むもんだよ。
さくら:これ、結構面白いですね。

 義朝補足:大正、昭和初期に那覇で飲まれていたもので、
      特に女性に好まれていたそうです。
      珊瑚礁の影響でカルシウムを多分に含んだ
      沖縄の地下水のおかげでこのように泡がたつんだとか。
      ちなみに一度立った泡は一時間ほどは消えないそうで。   
      毎月第三土曜日の午後2時〜3時に
      久茂地公民館で無料体験教室をやっているそうです。



三日目の記録

カンナ:やっぱ最終日だし、首里城は押さえておかなきゃダメだろ!
さくら:国宝の首里城ですね!
カンナ:五百年くらい琉球王国の城として使われていたんだぜ、首里城は。
さくら:五百年! すごいですね。
カンナ:まあ、その間には何度か焼けちまって建て直しもされてるから実際には今あるのは建ててから二百年ってとこだけどな。

さくら:本土の城と違って真っ赤ですね。
    どちらかというと中国の雰囲気がします。
カンナ:そうだな。琉球は中国と日本の両方の文化を継承してるからな。
さくら:柱に龍の絵が描いてありますね。
カンナ:おいさくら、あんまりきょろきょろすんなよ。
    人手が多いんだから、髪の毛が回りのヤツに当たるぞ。
さくら:ああっ、すいませんっ!
カンナ:龍は国王の象徴だからあちこちに見られるぜ。
    ちなみに正殿には33体棲んでるだってさ。
さくら:へぇ〜。数えられますかね?

 義朝補足:国宝だったのは大正時代の首里城。
      その後沖縄戦で焼失し、
      現在見られるのは平成に入ってから復元されたもの。



さくら:はい、ってなわけで3日間にわたる沖縄旅行でした。
カンナ:駆け足だったけどな。はしょりすぎだし。
さくら:楽しんでいただけたなら幸いです!
    次はあたしの故郷、仙台に……。
カンナ:いやさくら、そんな予定ねぇから。

 以下は上で書かなかったちまちまとしたネタを……。


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