第三章 伏見稲荷大社

全国に3〜4万社あるといわれている稲荷神社の総本宮、伏見稲荷大社を紹介させていただきます。
京都市伏見区、JR稲荷駅、京阪伏見稲荷駅すぐのところにあります。
伏見稲荷大社は京都東山三十六峰の最南端の「稲荷山」にあり、日本で三番目に初詣の参拝者の多い
神社で、お正月のニュースなどでは必ず紹介されていますね。
2011年には稲荷山に大神様が御鎮座されて1300年の記念に当たる年です。
非常に歴史深く敷地も広い神社ですので、全てを紹介することは出来ませんが、京の風情を一時味わ
っていただければと思います。



楼 門


この建物は天正17年(1589年)豊臣秀吉の造営とされてきました。
秀吉の母大政所殿の病悩平癒祈願が成就すれば一万石奉加する、と記したいわゆる“命乞いの願文”が伝来しています。
その願文には、母の生命を3年、だめなら2年、それでもだめなら30日の延命を願ったとあります。秀吉の母は4年後の文禄元年(1592)7月に他界しました。祈祷料の1万石は後に5千石に値切られたということです。
昭和48年に楼門の解体修理が行われたところ、願文の年次と同じ「天正17年」の墨書が発見されました。
神社の楼門の規模としては最も大きいものに属します。



本 殿

応仁2年(1468)の兵火により、境内の殿舎堂塔の全てが焼亡し、やがて仮殿の復興があったようですが、その後に諸国へ勧進が行われようやく明応8年(1499)に竣工されました。

屋根は「打越流造(うちこしながれづくり)」と言い「稲荷造」と称されています。





千本鳥居



TVなどでお馴染みですね。
「千本鳥居」と呼ぶのはこの二列の鳥居のことです。
稲荷山の境内全体では、約一万基もの鳥居があります。
鳥居を奉納する習慣は、江戸時代以降に広がり、願い事が「通る」或いは「通った」御礼の意味があるからです。


奥社奉拝所


きつねの顔の絵馬

おもかる石

本殿の東方、千本鳥居をぬけたところ通称“命婦谷”にあり、一般には「奥の院」の名で知られています。この奥社奉拝所はお山を遥拝するところで、稲荷山三ケ峰はちょうどこの社殿の背後に位置しています。


根上り松

根が上がる=値が上がる と言うことで、証券や金融関係の参拝者も多数参られるようです。



神宝神社 熊鷹社 新池

神宝宮と称するのは、御親授の十種神宝が奉安されているからと云う。
十種神宝は、羸都鏡一、邊都鏡一、八握劔一、生玉一、死反玉一、足玉一、道反玉一、蛇比禮一、蜂比禮一、品物比禮一の十種の天璽瑞宝である。

熊鷹社の後ろにある池を新池と言い、谺ケ池(こだまがいけ)との別称があります。
池に向かって手を打ち、こだまが返ってきた方向が吉報であり願いが叶うと云う言い伝えがあります。



三徳社

御幸奉拝所

白瀧社

三ツ辻と四ツ辻の間にあります。
三つの願い事が成就すると信仰されるようになったそうです。

古く平安の頃より御幸辺(みゆきべ)と呼ばれ、お山参詣の重要な経路でありました。
ここから北へ山道(舗装されてます)を行くと東福寺へ行きます。
京都一周トレイルのコースにもなっています。

四ツ辻から御幸奉拝所へ向かう途中に上りと下りの石段があります。
下りはかなり長い石段が続いており、数分歩くとこの白瀧社へ着きます。




一の峰 二の峰 三の峰

稲荷山の最高峰(標高233メートル)です。
ここを末広大神と崇める信仰があるようですが、これは親塚を建てた以前からつづく信仰らしく、神蹟改修を示す親塚裏面に(明治10年6月、燈明講奉納・末広社)という刻字があるようです

ここは青木大神と崇められています。

白菊大神と崇められています。

京都国立博物館に出陳されている「変形神獣鏡」がここから出土しました。
公式HPでは「明治20年代の半ばごろの改修工事の時に出土」と記述されています。




間の峰

御釼社

薬力社

ここは伊勢大神と崇められています。

この神蹟は山上古図に釼石(雷石)と記されているところです。稲荷山の三つの峰と同じように、古くからの神祭りの場であったようです。

おせき社、喉の神様とも言われています。




傘杉社

御膳谷奉拝所

眼力社

薬力の滝と清明滝の間には杉の巨木が立ち並んでおり,傘杉社,一本杉社,三本杉社など巨木をご神木とする社が続いている

「御前谷」とも記され、稲荷山三ヶ峰の北背後にあたり、往古はここに神饗殿(みあえどの)と御竈殿(みかまどの)があって三ヶ峰に、神供をした所と伝えられています。
三つの峰の渓谷がここに集まって一の峰、二の峰、三の峰を拝する要の所。

眼病平療・予防の神様です。ここのは逆立ちする珍しいきつねがいます。




清瀧

大杉社

八島ヶ池

御膳谷奉拝所から北へ向かって下り坂があり、200メートル程下ると清滝があります。

大きな杉が祀られています。 「田植祭(たうえさい)」などの神事が行われる神田が池の奥にあります。



産場稲荷

安産・子育ての神さまを祀る神蹟。狐と犬はお産が軽いことから、それにあやかるための信仰も生まれました。
昔、この場で狐がお産をし、その子を安らかに育てたことで狐穴を祈願すると安産できると伝えられています。
お産の前に神蹟の前に灯されたローソクの短いモノを授かって帰りましょう。分娩に入ったらその火を灯すと「短く」済むといわれています。


第四章 八坂神社へ