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Ruby (CORUNDUM) ルビー 和名:紅玉 |
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【宝石ことば】 情熱 仁徳 威厳 【宝石のメッセージ】 「トラブル」 「神力」 「悪魔払い」 ルビーの効力 「ストーンパワー」 旧約聖書の中にも何度かルビーの事が出てきます。 「知恵はルビーより尊くあなたの望む何物にもそれを比べる事ができない」「知恵を得るのにはルビーを得るに勝る」など、例えられる表現で度々登場することから古代ではいかにルビーが高くかわれていたかを窺い知る事ができます。 ルビーのストーンパワーを感受しようとするのなら、体の右側でなければ効果がないという言伝えがあります。 左手は受け身の意味を持つ事から、ルビーが積極的な石であることのひとつの現われともとれます。 14世紀、フランスの旅行家サー・ジョン・マルダヴィルは「立派なルビーの持ち主は、その一生を周囲の人々と仲良く過ごし、平和な生涯を送る事ができるとしています。 財産も名誉も不当に奪われる事無く、あらゆる危険や災難から見を守り安泰と平和をくれる石だが、この石の力を十分に享受するためには指輪、腕輪、ブローチなど体の右側に付ける事が必要」と言っています。 また、ルビーのパワーが増幅するのは火曜日。 戦いの炎も恋の炎も思いっきり燃やしたい人は、火曜日にルビーを付けるよ良いとされます。 火曜日の神様(戦いと炎の神マルス)に願いをかければ、あなたの炎に油を注いでくれるかも知れません。 ルビーの本場インドでは、この石を粉にしたものが恐怖心を無くし快感を増幅させる秘薬とされていました。 サンスクリット語の古代の「医術の本」の中に「風邪と肝臓の治療に効果がある」と記されている事から、インドではルビーは冬の石だったことが伺えます。 インドに限らず、ルビーには多くの薬効が記されている石の代表格の1つです。 中国では古くは貴重な薬石とされ、トパーズ、エメラルド、サファイア、ヒヤシンスと共に「五つの貴重な粉薬」の1つにも加えられました。 西洋でもギリシャ・ローマ神話と結びつき、ルビーは炎と戦いの軍神・マルスが宿るとされ、石の中でも特に強力なエナジーを持つものとされています。 ルビーは、夏を司る宝石です。 ルビーにまつわるお話 イギリス王室の第一公式王冠の正面に飾られた317カラットの巨大なルビー、これが14世紀からイギリス王室に継承されてきた「黒太子のルビー」である。 カットされずに研磨されただけで荒々しく燃えるような輝きを放つその様は、この石の歴史を象徴しています。 さて、「黒太子」とは14世紀イギリス王室エドワード3世の皇太子の事。 彼は、戦争に明け暮れ戦場には必ず黒い甲冑を身に付け登場した事で恐れられていました。 1376年カスティリアの王ペドロは兄弟が起こしたクーデターにより国を追われてしまいます。 助けを求められたエドワードは、カスティリアに攻め入り形成を逆転させ、ペドロを無事復権させました。 この時、ペドロ王からお礼に贈られたのが巨大なルビーだったのです。 エドワードはこの戦いで戦死するが、この石は「黒太子のルビー」と呼ばれるようになりました。 1415年アザンクールの戦いで、この石は再び歴史上に登場。 ヘンリー5世の鎧の下に納められ王を守り、フランス王位をめぐるこの戦いに勝利を導いたのでした。 血のような炎をたぎらせ戦場でイギリス王を守護してきた「黒太子のルビー」は、19世紀ヴィクトリア女王の治世に第一王冠に装着され、以後の王室の守護石となったのです。 このルビーの正体、実はスピネルであったことは有名な話であるが、現在も「黒太子のルビー」と呼ばれ英王室で「コイ・ヌール」に次ぐ宝物として王冠に鎮座しています。 歴代女王の戴冠式には王冠に輝き、現エリザベス女王の時には、正面に付けられました。 ロンドン塔に陳列され、現在も王室の象徴として輝きを放っています。 ルビーの変色が不幸を予言したと言う話が、ドイツの「ウォルフガング・ガーベルショーヴァ-」という人の手記に記載されています。 彼は1600年12月5日、妻のカテリーネ・アーデルマンを残して、シュツットガルトを後にし旅に出ました。 彼は妻から贈られた、美しいルビーの指輪をはめていました。 ところが急激にルビーの色が失われ、それまでキラキラと輝いていた輝きがドンヨリと曇っていったのでした。 その色調は数日間も続いたので、彼は妻の身に何かあったのではないかと不安になり帰宅した。 すると、カテリーネは重い病魔に取りつかれており数日後には息を引取ってしまったのでした。 彼女の死後、不思議な事にたちまちルビーの輝きはもと通りに戻ったそうです。 ルビー:(コランダム) ルビーは、クロムと鉄の含有量によって、赤色やピンク色、紫色、褐色を帯びた色まで様々な色調に富む宝石です。 双晶を繰り返した結晶はひび割れしやすいがダイアモンドに次いで硬度の硬い鉱物です。 結晶の形は六角柱で、先端は先細になっているか平らであり、新しい層を形成しながら成長するので地質学的条件と環境の違いにより、累帯構造と呼ばれる色の変化が生まれます。 同じコランダムでサファイアは青い色をしているが、なぜルビーだけが真赤な色を発色しているのでしょうか。 その秘密は、酸化クロムによる金属原子が起因しています。 しかも、割合が「1.89%程度であること」がルビーの赤色を発色させているのです。 同じルビーの赤色も、酸化クロムの含有量の微妙な違いで変化するのです。 中でも鮮やかな鮮赤色は、最高のルビーの色とされ「ピジョン・ブラッド」(鳩の血)と形容されています。
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Carnelian (Chalcedony) カーネリアン 和名:紅瑪瑙 |
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【宝石ことば】 思いやり 堅忍不屈 剛毅
【宝石のメッセージ】 「憂鬱の解消」 「裁判に勝つ」 カーネリアンの効力 「ストーンパワー」 イタリアの医師カミロ・レオナルドゥスは「宝石の鏡」1502年の中で、カルセドニ−が「憂鬱を防いだり直したりするとしています。 ロバの毛で結び身に付けて入ると、嵐や不吉な事件を防ぐ」と著し、さらに200年ほど前の「宝石の翼」ラギエル著には玉髄に右手を高く上げた人の姿を彫ったものは持ち主に健康で安全な旅をさせ訴訟に勝たせ災害を遠ざける」とあります。 右手を高く上げるのは宣誓を意味し、正しい使用を示。 旅の護符は人生の旅から派生したイメージと考えられます。 というのも、カルセドニ−を印ににする事は、古代バビロニアの時代から行われており、印の効力に対する願望、つまり告訴や訴訟に勝つ、不吉な事件の危険を防ぐなどが、次第に印の素材であるカルセドニ−のパワー(メッセージ)に変化したと思われます。 カルセドニーは右手の小指にはめると尚良いパワーを得られます。 カーネリアンにまつわるお話 古代のユダヤ人は聖書に基づいて、カーネリアンを3月の誕生石に決めていました。イスラム教でも神聖な石として護身符に使用していました。 これは、イマーム(イスラム教との宗教的元首)が、常に右手の小指にカーネリアンの指輪をはめていたことによります。 特にジャファルがイマームの時、この石を愛用していました。 「この石を携える者は、願い事が叶えられる」と、発言したことで人気に拍車がかかり、神聖視されたといわれています。 イマームの所持したカーネリアンには彫刻してあったといいますが、この石を印象として大切にした人では、ナポレオンが有名です。 宝石好きの皇帝の中でも特に知られるナポレオンですが、彼が一番大切にしていたのがカーネリアンの印章でした。 印章は本人の証であり象徴なのですから、いかに彼が大事にしていたかが判ります。 ナポレオンの印章は八角形で、印面には「神にすがる奴隷アブラハム」という銘が刻まれており、エジプト遠征中も片時も手放すことはなかったそうです。 この印章は、後に義娘のオルタンス姫に与えられ、さらにナポレオン一世の弟ルイ(オランダ王)の第三子であるナポレオン三世に譲られます。 さらに第二帝政を樹立したナポレオン三世は、一世同様カーネリアンの印章を大切に扱い、時計の付属品として終生愛用しました。 彼は息子(ナポレオン・ウジェニー・ルイ)に、これを守護符とするよう遺言してこの世を去りますが、ルイは父の遺言通り細い鎖をつけていつも首にかけていたそうです。 紅玉髄:カーネリアン カーネリアン又はコーネリアンとも呼ばれ、半透明、帯赤橙色のカルセドニ―の一種。 昔は血の流れを鎮め、熱を冷ます効果があるとされています。 赤みがかった色は、酸化鉄が起因しています。
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参考資料
日本ヴォーグ社 宝石の写真図鑑 冷たいジュエリ
八坂書房 宝石ことば
双葉社 宝石の常識
講談社 宝石宝飾事典
読売新聞社 宝石
DeAGOSTINI TREASURE STONE
成美堂出版 最新シルバーアクセカタログ1200
美土理書房 宝石の気能
創元社 彫金教室
NTT出版 華麗なる宝石物語
ムーンフェイス・ローズマリー