宮廷華やかなりし、絶対王政の時代
繁栄を誇る花の都に一人の放蕩児がいた……



AirsAdventure


「姫、あなたがお忘れになっても、私は…」
運命の出会い、そして新しい世界へ……
胸躍る冒険、美しいロマンス――貴公子ヘンリーが今旅立つ。

ゲームの枠を超えた豪華スタッフが贈る
正統派ロマンティック・ストーリーロープレ
『エアーズアドベンチャー』登場。
(パケ裏より)


ソフ○ップにて100円で購入しただけに暗黒面の期待が膨らみます。

ちなみにゲームを超えた豪華スタッフってのは、

制作総指揮/遠藤 雅伸(代表作:ゼビウス ドルアーガの塔)
美術監督/永野 護(代表作:ファイブスター物語)
音楽監督/三枝 成彰(代表作:NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」)
原作・監督/柴田 賀盆


一部を除けば実に豪華な顔ぶれですね。
原作・監督という最も重要と思われるポストに柴田賀盆氏という無名の御仁が名を列ねておられるので調べてみれば開発元のゲームスタジオの新人さんのようですね。
それを差し引いても同じ豪華スタッフをうたった「G.O.D」よか豪華ですね。
それにも関わらずこの破格のプライス…臭いますね。

中も中で取説の薄さが目を引きます。
音楽CDやPSソフトで慣れ親しんだブックタイプではなくパラパラと広げるタイプ。
その内訳は、1P:ストーリー、主人公&ヒロインの紹介、2P:仕様説明、3P:操作説明(移動画面)、4P:操作説明(戦闘)、5P:セガサターンCDの使用上のご注意

……

裏返してみてもstuff…もといstaffの一覧とセガお客様相談センターのみ。

いやぁ、近年の30Pをザラに超えるRPGの取説と比べると、なかなか潔い取説ですな。

みなさんはRPG買ってきてもその日は取説読んだら疲れちゃってゲームは明日からって経験ありません?
それとも取説なんて一回も見ない派ですか?

どちらにしても分厚けりゃ良いってモンじゃなし、用は内容が重要なのデス。
5Pの謎のキリトリ線からも目が離せません。

では、その中からストーリー紹介部分を抜き出して見ましょう。


○ストーリー紹介

宮廷華やかなりし、絶対王政の時代
繁栄を誇る花の都に一人の放蕩児がいた……

……その貴族の名はヘンサー・チェイサー・ビンセント。公爵家に生まれながら、4歳で両親と死別し、10歳のある夜、叔父の元を飛び出しより、自らの力量だけで浮世を渡り歩いてきた時代の寵児。12歳で贅沢の味を知り、14歳で婦人と臥所をを共にし、以来やんごとなき身分の恋人も、そうでない身分の恋人も数知れず。彼が去った所、夫人は一抹の寂しさと涙を残し、殿方には妻をとられた怒りだけが残る。
美貌、度胸、要領、金銭すべてを備えたような彼だが、唯一足りないものがあった。それは肉親への愛情と、人生を費やす意味……。18の年、ヘンリーはトラブルに巻き込まれる。貴婦人を巡っての恋の鞘当て、一攫千金のダイスの響き、決闘、そして恋の逃避行。しかし、恋の勝利者は、不義密通と賭博横領のかどで訴えられる。判決は公開による斬首であった。処刑当日、見物人の罵声と歓声のなか。ヘンリーは処刑台に立つ。「俺の首は細いんだ。死損じるなよ」。



>「俺の首は細いんだ。死損じるなよ」。


先ほどのぺらい取説からstuffの一覧の出番デス!
すぐさま該当するstaffを発見!
カバー・マニュアル/大塚ギチ  斉藤大助
このどちらか、または双方が戦犯なのですね、憶えて置こう。しかし、自分でもこういうエサへの食いつきのよさは自覚するところですが。

それにしてもぶっ飛んだキャラですねヘンサー君。14かそこらで魔王征伐のために僅かな黄金とともに親元から引き離された某勇者とはエライ違いデス。それにしても死刑にかけられた(未遂含む)キャラは数知れずとも不義密通・賭博横領なんて罪状で刑にかけられたキャラはまず居ないでしょう。


○仕様説明

>「エアーズアドベンチャー」では、鎧や剣、盾といった区別はなく、すべてが一体となった“装備”という概念で
>統一されています。“装備”は、主人公のヘンリーに3種類、お姫様のコーリンに2種類用意されています。


少なっ!

>変更するとパラメーターと、戦闘時のキャラクターグラフィックが変化します。

あ、そういうことですか。
そうですよね、コーディネートが大切ですよね。某勇者のように猫のきぐるみで禍々しい呪われた剣とか装備しちゃうようなことはヘンリー君には出来ませんよね。
お気に入りが3着しかないと考えるのも苦しいですが・・

さあ、予習も済んだ事だしゲームをスタートだ!
おお! メーカーロゴが飛ばせる!?
あ、でもタイトルロゴは飛ばせないのね……

まずは主人公の名前を入力……
名前入力画面の背景は舞踏会ですか!? っていうかアイコンがドレス着飾った御婦人がないですか!?
ん? 変な男がギャグアニメのような仕草でなにか探しておりますな。
とりあえずは無視してアイコン役の婦人を動かして見ましょう。

……
間違いありません、変な男は婦人(アイコン)を追ってきてます!
試しに立ち止まってたら目の前まできて膝付いてなんかしてるよ!?

全速で振り切ってもまたギャグな仕草で追いすがってきます。
寒気がしてきたのでさっさとこの舞踏会をお開きにしてしまいましょう。
婦人をオススメに進めてポチッとなと。
「ヘンリー」
良かった、「ぎえがち」とかまったく意味の無い文字列をあてる「里見の謎」とは違うようですね。

ちなみに他にも名前が用意されていますが今回は取説通りで行きます。
ヒーローの名前入力が終了するとCGが流れます。ここで先ほどの変態がヘンリー君であることが判明!なんということでしょう!
CGは、主人公が画面を横切り、婦人がその後姿を見送るというものなのですが、その動きは糸人形より不自然。
ガックンガックンしながら歩く男が画面からフェードアウトすると、薄汚れたピーチ姫が彼の後姿を見送ります。
しばらく見ないうちにめっぽう老け込んだようで、配管工、清掃員と職を転々とするヒゲ親父はどうしたのでしょうか?

続いてヒロインの名前入力です。
OK、一見問題なし。アイコンはヒロイン自身のようだし、場面はお花畑、蝶々が蜜を求めて飛んでるなどメルヘンな雰囲気ですな。
アイコンをオススメに進めてクリックと……


あわわぁぁっっ!!?




スクワットしてるっ!?

ま、間違いありません! この女、スクワットしやがった。
STUFF的には花を摘む仕草といいたそうですが、こりゃスクワットです。
ボタン連打なんてやらかした日には何がなにやらわかりません。
さすが筋金入りのすけこましヘンリー君と冒険しようというお姫様、常日頃から鍛錬を怠りません。

ヒロインの名前を取説通り「コーリン」に設定し終了。
これで冒険の書が生成され、下記の「冒険を始める」を選べばいつでも冒険が始められます。

→冒険を始める
  設定を変える

ここまでですでにくたくたの黒南風は思わず「設定を変える」を選んでしまいましたが。

いざ、本編スタート!
するといきなり斧と水の入った桶が映ります。取説を読んでなかったらなんなのかわかりませんな。
そしてこれからこの斧がヘンリー君の細い首をぶっ飛ばすわけですな。

画面はひいて処刑台の全体像が把握できるようになります。
公開処刑とあって人だかりが出来ています。
このショウの主役たるヘンリーは縄で縛られているわけでもなく棒立ちデス。
後ろのスキンヘッドのマッチョメンが先ほどの斧で首を落とすのですな。
桶が随分離れたとこにあるのが気になりますが・・

そうこうしてるうちに公主会の面々が喋りだします。

 「ヘンリー・チェンサー・ビンセント!」

 「汝 法に背き 安定を乱した罪は大きい
  よって処刑を行い
  罪深き汝を救うものとする」

 「言い残す事はないか?」

不義密通・賭博横領とあれば公開処刑も致し方ありますまい。

 「オレの首は細いんだ 仕損じるなよ」

これで取説のほうは天然ということが発覚しました。しかし、“死損じる”なんてどう変換したらでるのでしょうか?
それにしてもヘンリー君、ふてぶてしい・・更生は期待出来そうにありませんね。
ますます処刑は正しい判断のような気がしてきました。

スキンのマッチョメンが斧を振り上げて・・って、立ったままかよ!?
縦に振り下ろすの!? 横に薙ぎるの!?
でも、ふたり身長差なさそうだからホントに仕損じるよ!?






のはずが、コーリンが刑をやめさせヘンリーは自由の身に・・
姫様、なんかヘンリー君に運命感じちゃってます。
ワルに憧れるお年頃なのでしょうか?「マジで〜ヤンキーがもてる♪」

 「もてる男は得だ
  姫様の心も溶ろかしおった」

見届け人たちがつまらなそうにヘンリーがもう自由であることを告げる。
すでに残忍なショウを期待していた観客たちも関心を失っているご様子。
かくして狼は再び野に放たれることとなった!

 「秘密結社にきたまえ」

へ、変なの来たぁっ!!?
自分から“秘密結社”って名乗ってるし!
まだ野次馬が溢れているというのになんということでしょう。

 「表の世界ではもう生きてはいけまい
  我々は君を同士として受け入れよう
  さあ こっちだ」


す、すぐ後ろに憲兵いるんだけどなあ・・
だがRPGの常、ついていくしかありません。ついでに野次馬に話しかけてみましょう、意外な情報が手に入るかもしれませんし・・

 
「一度結社に入ると逃げられないぞ
  ろくでなしには怪しい結社がお似合いだ」


い、以外過ぎる情報だよママン・・
素薔薇しい認知度デス。“秘密結社”の存在は一般ピープルにも深く知れ渡っているようデス。

そしてヘンリー君は入団試験を受ける事となります。
試験は全部で三つ。
まずは「戦いの試練」
結社員と戦い、これを粉砕(文字通り)します。入団試験のたびに正規結社員の命が散ってたんじゃ永久に組織拡大は望めない気がするのは私だけでしょうか?

続いて「探索の試練」
迷宮(一本道)を突破し己の力を示せ!
…はい、上に書いたとおり一本道デス。しかし、問題なのはダンジョンの構造だけではない!
なんとこのゲーム、ダンジョンパートでは画面上か下にしか移動できないのである。
例えばT字路なら、十字キー左右を操作し、進みたいほうを画面上にしなければならない、ヘンリーは常に画面上を見ているからだ。ちなみに画面下に移動の際はヘンリーはちょっぴり足元を気にしながらムーンウォークするぞ。

こうして無事迷宮を突破し、「入団式の偶像」をGETすれば第二の試練は終了。そして遂に最後の試練「行動の試練」に挑戦できるんだ。うわぁ〜…ぃ。

実際に結社の仕事を手伝うこととなったヘンリー君。「まずは商人に扮した結社のメンバーと接触せよ、詳細はその男から」という指令を受け、ひさしぶり(5分ぶり)のシャバへ。
そして商人から「薬草を買って来い、話はそれからだ」という完全にパシリと化す貴公子ヘンリー
ああ、もし薬草買う前に鍛冶屋で装備鍛えて金なくなっちゃたら商人のとこに戻りましょう。薬草代くれます。
薬草を買って戻ると薬草には一切触れられず、酒場に行けと言われるので向かいましょう。

 パリィーン!

 「けがしちまった
  だれかやくそうもってないかあー」

私の頭が痛いデス…
男は勝手に薬草をパチリ、「あんた親切だ ケロリとなおっちまった」といい仲間と共に自己紹介をしてくれます。

そして彼らから資産家セゴーの屋敷に行けと言われるので向いましょう。
街の人々の話ではセゴーという輩はかなりの資産家で、姫を嫁にと王家に対して圧力をかけれるほどのものらしい。
セゴー邸につくと門前でセゴー自身から手紙を渡されます。
この手紙を宮廷に届けろというのデス。配達まで承る秘密結社ってなんなんでしょう?

我らがヘンリー君は門前で手紙開けてるし……

お使いを終えたヘンリー君は入団を許可されることとなった。

そこにローブの男乱入!

 「姫様になんたることを!」

開口一番物騒なことを口走ります。
そしてなんとセゴーに姫様が誘拐されたというのです。そしてそれに協力したという嫌疑が結社にかけられたようデス。

 「我々が国王陛下に背くはずがあるまい!?」

……何の結社なのでしょうか? 第三セクター?
こうしてヘンリー君は処刑の際自分を救ってくれた姫様がさらわれたと聞き結社を抜け姫様を探す旅へと赴くのであった。

結社を抜け王都を出たヘンリー君は時たま飛び出す“空前の一撃”でモンスターを蹴散らしたり、“不覚の一撃”を喰らって困ったり、神出鬼没の弟マリロとの再会、他人の奥方を寝取ったりしながら、姫をさらったセゴーを追い詰めていくのでした。

そしてある神殿に姫がいるとマリロから聞かされたヘンリー君は、一路北へ向うのですがその途中雷鳴が轟き、まるでヘンリー君に警告をしているようだと思っていたら、「兄さーん! 今の光すごかったね!」神出鬼没の弟マリロ登場。
「こんな立派な装備が空から降ってくるなんて!」「兄さんへの贈り物だよ!」








ネタバレ大有り総括へ

戻る