


やちむん(焼き物)

琉球のやちむん(焼き物)はバラエティ豊かでおおらかさ、
温かさを感じさせることが多い。
これは沖縄の風土や独特の文化が根底にあるからであり、
生活の密着した道具として育まれてきたからである。
時代の流れとともに、近年、都会化が進み登り窯を炊くことが困難になった為、那覇市の壷屋から、読谷村の『やちむんの里』に
窯元が移ってきた。
常秀工房
常秀工房は今から15年ほど前に 那覇の壷屋から、読谷村に移ってきたそうです。
登り窯は金城次郎氏のものを共同窯として使用しています。

とても広い工房の中は,土間になっていました。
直射日光の差し込まない工房内は 器の急激な乾燥を防いでくれるそうです。
また、土間に器を直接置くことで、 乾燥を遅らせることもでき、
軒先は物がおけるように長くなっていていろいろな工夫がなされているそうです。
実際、たくさんの成形されたうつわなどが軒下に長い板にのせられ乾燥されていました。
直射日光を防ぎ、雨をしのぎ、 器の乾燥などに最適なんだそうです。
工房の中では若い職人さんがロクロでたくさんのカップを作成されていました。
うつわ屋
うつわ屋<うつわやー>と発音。
常秀工房のギャラリーと販売所を兼ねています。
工房よりも一段高いところにある、 小さくても小粋な建物です。
建物に行くまでに数メートルスロープになっていますが、
瓦がたくさん積み上げられていて(写真手前)、
とてもいい雰囲気のお店でした。
設計は、稲嶺清寥さんです。
お店の中には、やちむんの中でも、
とっても小ぶりでかわいいカップやお茶碗、お皿などがいい感じに並べられており、すごく繊細で女性好みの焼き物がたくさんあったように思います。
思わず、わたしもカップを買ってしまいました。
読谷山焼北窯

やちむんの里の一番奥の北側にある工房です。
読谷山焼の各工房で修行していた4人が独立してつくった窯
ということです。
とても広い敷地に工房、登り窯がありました。
乾燥中のお皿がたくさん並べられており
見ているだけでなぜかとても おだやかで温かい気持ちに
なってしまいました。 1枚1枚手作りのお皿。
国際通りなどでお店に並んでいる完成したものとは
また別の顔を見せてくれます。
やちむんができるまで
土づくり→成形→乾燥→絵付け&釉薬→窯入れ→火入れ→窯だし
やちむんの里では、2ヶ月に1回のスケジュールでやちむんが焼かれます。
登り窯は、袋がいくつもある巨大な窯。そのため、いくつかの工房が共同体で、登り窯を維持していきます。共同体というスタイルは昔ながらのもので、職人同士が近くにいることでいい刺激にもなり、よい作品が生まれてくる効果もあるということです。
工房の前に、乾燥し、施釉され絵付けされた作品のこわれが無造作に
積み上げられていました。日常、なにげなく使っている陶器は土の生まれ変わりなんだ・・・
としみじみ実感させられました。窯だしするまでは、どういう風に出来上がっているのかどんな色合いになって出てくるのか、すべては炎のなせる技なのです。
火入れは三昼夜の間、薪を入れ続けるそうです。窯の温度は1240度〜1250度まで達するそうです。
やちむんの里
沖縄県中頭郡読谷村座喜味2653-1 098-958-4468 休業日 : 火
読谷村内の15人の陶芸家が集中している。
大きな登り窯や窯元直売の売店もあり、割安でやちむんが購入できる。
緑に囲まれた敷地内では赤瓦屋根の建物が映えていて、のどかな雰囲気が心をなごませてくれる。
アクセス : 沖縄道沖縄北ICよりR58経由、喜名交差点より座喜味城跡方面へ5分

