KTM LC4-E
(ケーティーエム・エル・シー・フォー・エンデューロ)
2003年 オーストリア製 

エンジン : 水冷625CC 4ストローク・4バルブ単気筒
        セル付

キャブレター : MIKUNI BST40

フレーム : クロムモリブデン鋼

サスペンション:前 : 倒立式WP 後:WP

ホイールトラベル : F270/R300mm

燃料タンク : 11ℓ リザーブ : 2.5ℓ

最低地上高 : 310mm

シート高 : 925mm

半乾燥重量 : 149kg
 同じエンジンスペックを持ちながらアフリカツインより大柄なAdventureや、FCRキャブレターを装備し、軽量で、シート高があり、レーサー的ななSXCと比べると、250cc並みの車格で、扱い易く、林道をメインと考えるツーリングモデルとしては最高の1台です。
 ヨーロッパではオフロード・コンペティションEXCモデルとして現役車種ですが、日本での発売は2003年だけとなりました。売れたのはなんと20数台という噂も。
BMWから650X Challengeが発売された今、同レベルのバイクとして日本で再発売されてもおかしくないモデルだと思います。
BMW R80GS basic
 素晴らしいバイクでした。経済的な理由があるから、仕方ないけど、手離したことを後悔してなくはありません。
街中から高速までトルクがあって扱いやすく、音も振動もマイルドなフラットツイン、低重心で安定感は特筆もの、時速40kmから150kmまでストレスなく5速で走れます。それでいて、結構荒れた林道もそこそこ走ってしまう。変なたとえですが、よくできた真空管アンプのような味わいがありました。


 そんなBasicでしたが、ダートを走ることが億劫になったり、林道の奥まで入って行くことをためらったり
重い、曲がらない、コーナーでフロントからくずれやすいなどネガティブな面が気になってきました。フレーム強化、タイヤリムのアルミ化など思いつく改善策は多々ありましたし、どんなバイクでもライディングスピードは乗り手によって、大きく変わることもわかっていますが、でもこれから必ずある定番トラブルのシャフトドライブ交換掛かる費用、リセールバリュー等々を考えると手離すなら今かなと考えるようになりました。

何故LC4?
 
街中や、高速を走るよりは、みどりに囲まれた気持ちの良い林道を風になって走りたいと思う僕にとって、、ダートでの扱いやすさはバイク選びの大きなポイントです。
でも高速移動も多いから、250は辛いし、ツアラータイプは重くなる。としたら選択肢はおのずからいわゆる大排気量のエンデューロレーサーとういうことになってきます。スズキではDR350、本田ならXR400、XR600、XR650、川崎、ヤマハには適当なのがないし、輸入車といえばハスキー、tm、KTMなど軽く、足が長くて、本格的なレーサーばかり。唯一KTMにアドベンチャーシリーズと称してツーリングタイプのバイクがありました。

 3年ぐらい前から(そんな前から浮気してたんです?!)いろいろネットを検索していましたが、640ADVの書き込み、記事が多かったです。田中ユキさんはGS乗りに対して「ADVはきっと1週間でいやになるから・・・」と。元GS乗り松本さんはKTM 640ADV試走記事のなかで「買うならLC4-E」なんてことを書いておられた。そんな折、白州組会で「KTMいいんだよね~」とタバコを燻らせながらポツリとつぶやいていた寺崎組長がXR600を手離し、LC4-Eに乗り始め、組会で実車に初めて出会いました。組員・地下鉄氏のLC4に試乗もさせてもらいました。車体もエンジンも機能美溢れ、無駄な飾りがありません。そこんとこはbasicにも通じるところがあります。Back Offの寺崎氏「購入記」は何度も何度も読み返し、これしかないと思うようになりました。

 先にも書いたように、KTM LC4-Eは現行車ではありません。中古車市場の玉数も極端に少なく、結局、関東にあるKTMディーラーのホームページから探し出し、ツーリングをかねて、深夜高速バスに乗り、引き取りにました。購入記・初乗車感はこちら
  田中ユキさんがGS乗りに対して「ADVはきっと1週間でいやになるから・・・やめた方がいいと書いたことは、的を得たご意見です。ダートが好きだといっても、ツーリングはほとんど舗装路になり、GSの快適さが際立ちます。他のバイクだったらそうでもなかったでしょうが、なにせGSは個性の強いバイクです。僕も1年間乗ってようやく沁みついたGSライディングから抜け出し、LC4に慣れてきたような気がします。


ここで
の1年の使用感


① GSからの乗り換えで一番違和感を覚えたのは、街乗りでのギアチェンジの多さと、80kmを超えたぐらいからの安定感でしょう。、高速では初めはGSの3割 増 しのスピードを感じました。峠で少し攻めてみようとした時は、ピックアップも素晴らしくその気にさせてくれます。軽く、優れたボディ剛性、サスのおかげでしっかりと回っていきます。林道走行ははるかにLC4-Eの方が楽しめます。今お世話になってるディーラーさんには、フロントサスの動きが悪いですとオーバーホールを薦められていますが、僕のスピードではすこぶる快調です。GWにぬたぬたの町道高嶺線を走りましたが、フロントを気にもせず楽しく走れました。

  トルクで乗るGSに対して、LC4は積極的に回して乗るバイクです。低いテンションでは乗っていて面白くありません。安全第一で楽しみましょう!!
  

② エンジン音はゆったりとツインのそれと比べて、ガシャガシャとうい金属音がやや耳障りです。朝早く家でエンジンを掛けるときは気を使います。


③ 初めてGSに乗ったときも振動でひどく手が痺れました。それに比べるとやや硬質な振動ですが気になりません。でも、660rallyのオプションにスポンジ製グリップがあったので、今はそれに替えています。  いいですよ!


④ ノーマルシートは巷の噂ほどひどくはありません。やや固いですが走るlことに徹するには良い形状です。今はオプションのコンフォートシート(1.3万円)をネットで安 く手に入れ装着していますが、尻の移動はやや難ですが、GSのシートより快適です。


⑤ ポジションはノーマルのままで極自然です。

⑥ ライトは暗く、配光も良くありません。ライト内の反射板のメッキが剥がれてきます。これは多くのオフ車の宿命でしょうか。
僕の買った中古車にはEXCのライト周りが付いていました。それをバハ・デザインズのガラス製ヘッドライトに換装しましたが、まだ暗く、配光がもうひとつ。そこで、ジェベル250XCのヘッドライトを加工し装着しました。
Maintenanceコーナーに記事があります。ご覧ください。



⑦ 燃費はツーリングペースで25km/L、高速道路を制限速度で走ると30km/Lなんてビックリするような計測値が得られます。



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