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《EICASメッセージ》
EICASメッセージは機体の状況やトラブル等を乗員に知らせるもので、メッセージにはウォーニング(警告)、コーション(注意)、アドバイザリー(助言)、メモの4種類あり、状況に応じてプライマリーEICASに表示されます。
ウォーニング・メッセージ
(赤色)3種類あるアラート・メッセージの中で最も緊急度の高いメッセージ。EICASメッセージ表示スペース最上方に表示される。警告の状況が改善されると自動的に表示が消えるが、それまではキャンセルスイッチを押しても消えない。
コーション・メッセージ
(アンバー色)2番目に緊急度の高いアラート・メッセージ。ウォーニング・メッセージの下の方に表示される。状況が改善されていなくても、キャンセルスイッチをプッシュすれば表示を消すことが出来る。
アドバイザリー・メッセージ
(アンバー色)最も緊急度の低いアラート・メッセージ。コーション・メッセージの下に表示され、表示色の同じコーション・メッセージと区別する為1マス右に表示される。状況が改善されていなくても、キャンセルスイッチをプッシュすれば表示を消すことが出来る。
メモ・メッセージ
(白色)乗員に認知させておきたいシステムの状況を表示。EICAS表示スペース最下方に表示される。キャンセルスイッチを押しても表示は消えない。但し『DOORS AUTO』メッセージについては離陸出力にセットされた時点で表示が消え、着陸後1分経過すると再度表示される仕組みになっている。
リコール
(白色)リコールスイッチを押すと表示。スイッチから手を離すと1秒後に『RECALL』表示が消える。
ページナンバー
(白色)EICASメッセージが1ページでは収まらない場合、現在表示されているメッセージが何ページ目であるかが表示される。
《フラップ位置表示計》
フラップが下りている時、フラップの状況を表示します。フラップが完全に格納されると10秒後に表示は消えます。フラップの制御に故障が生じていない場合フラップ制御システムはプライマリーモードで運用され、フラップの状況を表示します(前縁フラップと後縁フラップは、フラップレバーでセットしたフラップ角度に応じて自動的に制御されます)。フラップの制御に故障が生じると自動的にセカンダリーモードへ移行し、前縁フラップ(内側、中間、外側の3つのグループ)及び後縁フラップ(内側、外側の2つのグループ)各々の状況を表示します。又フラップレバーによる制御が不可能な場合(例えば前縁、後縁フラップの駆動に必要な第1、第4油圧系統の油圧が抜けた場合)、代替手段としてオルターネート・フラップにより電動で全てのフラップを制御する事が出来ます。
アクチュアル・フラップポジション
現在のフラップ角度を表示する。
<UP>全ての前縁フラップ及び後縁フラップが格納されている状態。
<UPと1°の間>内側及び中間の前縁フラップが作動中で全ての後縁フラップは格納されている状態。
<1°>内側及び中間の前縁フラップが下がり全ての後縁フラップは格納されている状態。
<5°〜30°>最も作動速度の遅い後縁フラップの状態を表示。
コマンド・フラップポジション
フラップレバーでセットした角度を表示する。
(マゼンタ色)フラップが作動中の時。
(緑色)全てのフラップが指示した角度と一致している時。
アクチュアル・トレーディングエッジ・フラップポジション
内側及び外側各々の後縁フラップの角度を表示する。個々のグループのフラップ角に不均衡が生じた場合やフラップの駆動装置が故障した場合、表示がアンバー色に変わる。
アクチュアル・リーディングエッジ・フラップポジション
<UP>(外枠が白色)前縁フラップが格納されている時。
(外枠がアンバー色)前縁フラップが指示した位置と違う時(当該フラップは格納されなければならないのに格納されていない時)。
<DOWN>(枠の中が緑色)前縁フラップが下りている時。
(枠の中がアンバー色)前縁フラップが指示した位置と違う時(当該フラップは下りていなければならないのに下りていない時)。
<IN TRANSIT>(白色の縞模様)前縁フラップが作動中の時。
(アンバー色の縞模様)通常の作動時間が経過したにも拘らず作動中の場合、若しくは途中で作動しなくなった時。
★フラップレバーの角度と実際のフラップの位置関係★ |
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フラップレバーの角度 |
前縁フラップ |
後縁フラップ |
UP |
格納 |
格納 |
1° |
内側前縁 展開 中間前縁 展開 外側前縁 格納 |
格納 |
5° |
全て展開 |
5° |
10°〜30° |
全て展開 |
10°〜30° |
フラップポジション・インデックスマーカー
後縁フラップ角5°、10°、20°、25°の位置にマークが表示される。オルターネートモードで使用出来るフラップ角は25°までである。
《ギア位置表示計》
ギアが下りている時、ギアの状況を表示します。ギアが完全に収納されると10秒後に表示が消えます。ギアが正常に下りない場合、代替手段としてオルターネート・ギア・エクステンションによりギアを下ろす事が出来ます。
<DOWN>全てのギアが下りダウンロックがかかりギアドア(ギアを格納する扉)が閉まった状態。
<IN TRANSIT>ギアが作動途中の状態。
<UP>全てのギアが収納されアップロックがかかりギアドアが閉まった状態。10秒後
に表示が消える。
《ダクト圧力及び客室高度関連表示計》
ダクト圧力及び客室高度関連表示は、以下の時に表示される。
@ENGディスプレースイッチ若しくはECSシナプティックスイッチを押した時。
AOVHDパネルのランディング・アルティチュードスイッチでマニュアルモードを選択した時
Bダクト圧力及び客室高度関連の計器の数値が、規定値を超えた時。
C以下のEICASメッセージが表示された時。
● CABIN ALT AUTO
● LANDING ALT
● OUTFLOW VALVE
● BLD DUCT LEAK
ブリードエア・ダクトプレッシャー
左右の主翼内から胴体内に伸びている圧搾空気配管内の圧力を表示する。このダクトは各エンジンからの抽出空気を胴体内部の空調システムへ供給する(エンジン始動時はこの逆で、APU若しくは外部の車両から供給された圧搾空気をエンジン内部へ送り込む)もので、圧力計は中間に設けられている。
(白色)ダクト圧力が12psi(ポンド)以上の時。
(アンバー色)ダクト圧力が11psi以下の時。
キャビン・アルティチュード
客室高度を表示する。地上で駐機中にドアが開いている時は与圧されていない状態であるから客室高度は0となる。−400では与圧は全て自動でコントロールされる。
客室高度が10000FTを超えると数値が赤色で表示され、この時は9500FT未満になるまで赤色で表示され続け、9500FT未満になっても8500FTまではアンバー色で表示される。
キャビン・レート・オブ・クライム
客室高度の昇降速度(FPM:フィート/分)を表示する。
ランディング・アルティチュード
離着陸する空港の標高を表示する。オートモードをセレクトしている時には、CDUのRTE(ルート)ページに離着陸空港のアイデンティファー(名称)を入力しておれば、当該空港の標高が表示される(離陸後しばらくの間は離陸空港の標高が表示される)。
A・B両系統のアルティチュード・コントローラーが故障した時、若しくは両方のアウトフローバルブがマニュアルモードの時、表示が消える(*PS1.2シミュレータでは、アウトフローバルブはマニュアルでは操作できません)。
ランディング・アルティチュード・セレクション
<AUTO>(白色)OVHDパネルのランディング・アルティチュード・スイッチにより
オートモードがセレクトされている時。
<MAN>(アンバー色)同スイッチによりマニュアルモードがセレクトされている時。
キャビン・ディファレンシャル・プレッシャー
機内の気圧と外気圧との差をpsiで表示する。駐機中など与圧されていない時は表示が0となる。
(赤色)差圧が9.0以上若しくは−1.0以上となると赤色で表示。この時8.9以下若しくは
−0.4以上となるまで赤色で表示され続ける。
(アンバー色)差圧が8.9以上若しくは−0.5以下となるとアンバー色で表示。
(白色)差圧が−0.4以上8.8以下の時は白色で表示。
トータル・フューエル
各燃料タンク内に入っている残燃料の合計が表示される(表示単位はkgs若しくはlbs×1000)。
フューエル・テンパレーチャー
燃料の温度が摂氏で表示される。フューエル・ジェッション・システムをアームすると表示が消える。
フューエル・トゥ・リメイン
OVHDパネルのジェッション・コントロール・セレクターでA・B両系統のいずれかをセレクトするとフューエル・ジェッション・システムがアームされ、フューエル・テンパレーチャーが表示されていた場所にフューエル・トゥ・リメインが表示されるようになる。OVHDパネルのフューエル・トゥ・リメイン・セレクターにより燃料投棄後の残燃料を設定し、フューエル・ジェッション・ノズル・バルブスイッチをオンにすると、燃料の投棄が開始される。残燃料がフューエル・トゥ・リメインまで減ると自動的に燃料の投棄が終了し、FUEL TO REMAIN表示が点滅してマゼンタ色から白色に変わる。