ND(Navigation Display) |
NDはMAP(マップ)モード及びPLN(プラン)モードの時に飛行ルートを画面内に表示します。又、VORモード及びAPP(アプローチ)モードの時には、在来機で使用されていたHSIをデジタル化したものが画面内に表示されます。アナログ機では、パイロットはチャートにより飛行ルートを確認し、HSIの針から飛行ルートとのズレ等を把握しなければなりませんでした。しかしB757/767といったいわゆる第4世代の飛行機からはHSIを電子化してCRTに表示させるという手法が採用され、飛行ルートがカーナビのように画面に映し出されるようになりました。これは画期的な事です。在来機のHSIでは次のwptまでの情報しか得られませんでしたが、EHSIやNDではFLT全般に渡り飛行ルートを把握する事が出来るようになったのです。
MAPモードはTRK UPで |
PS1シミュレータではND画面において、MAPモード及びPLNモードの時にヘディングアップとトラックアップのいずれかを選択出来るようになっています。実機でも会社毎に選択する事が出来、日本の航空会社はいずれもトラックアップを採用しています。世界の趨勢としてもトラックアップが主流なので、特別な意図がない限りはトラックアップを選択するといいでょう(英国航空とルフトハンザ航空の−400においては、ヘディングアップを使用しているとの事です)。
Preferences Menuをクリック
ND MAP MODEの所でTrack upの手前のボックスをクリック
![]() |
![]() |
![]() |
実際の状況 | TRACK UP表示 | HEADING UP表示 |
《TRACK UP表示》
飛行方位がND表示の基準となります。エアプレーン・シンボル(△)は飛行方位を示し、真上に向かってエアプレーン・トラックの白い線が表示されます。このエアプレーン・トラックは画面上に固定されます。機首方位は▽シンボルで表され、コンパス上を左右に移動します。又、コンパスの上に『TRK○○○』と現在の飛行方位が表示されます。左図のように左側から横風を受けている時、機首方位を示す▽シンボルはエアプレーン・トラックよりも左にずれています。この時、コクピット・ウインドウからは滑走路は右側に見えます。NDの表示はコクピットからの実際の見え方とは矛盾しているので、慣れるまでは違和感があるでしょうね。但し一度慣れたらこちらの方が便利なんですよ。実機でもMAPモードではこのTRACK UPが使用するエアラインが多いです。
《HEADING UP表示》
機首方位がND表示の基準となります。エアプレーン・シンボルは機首方位を示し、コンパス中央部に▽シンボルが固定されます。また、コンパスの上に『HDG○○○』と現在の機首方位が表示されます。左図のように左側から横風を受けている時、エアプレーン・トラックは中心よりも右にずれています。NDの表示はコクピットからの実際の見え方と同じなので、わかりやすいですね。
それではND内に表示されるシンボルや文字について解説していく事にしましょう。右側には、NDのどのモードで表示されるのか示しています。
≪凡例≫ ●=エクスパンドモード及びセンターモード、OK
○=エクスパンドモードのみOK
▲=センターモードのみOK
×=表示不可
シンボル及び文字表示例 | 解説 | APP | VOR | MAP | PLN | |
GS417 TAS452 | ・対地速度:GS(Ground Speed) ・真対気速度:TAS(True Air Speed) |
● | ● | ● | ○ | |
180/24 ↓ |
風向・風速 | ● | ● | ● | ○ | |
|
グリッド方位.極圏でのみ定められている特別な方位で、北緯73°以北 及び南緯60°以南の空域に入ると表示. |
× | × | ● | ○ | |
MAGGY 1855.1Z 39.4NM |
・アクティブwptの名称. ・アクティブwptに到達すると予測される時刻 Z=グリニッジ標準時 ・アクティブwptまでの自機からの距離 |
× | × | ● | ○ | |
ILS L109.90 CRS314 DME6.5 |
・使用しているILS受信機の名称と周波数. オートチューン(自動選局)の場合はマゼンタ色、マニュアルチューン( 手動選局)の場合は緑色で表示. ・ローカライザー(LLZ)のフロントコース ・スラント距離(局から自機までの斜めの距離)をマイル(NM)で表示. DME局は通常GS電波を発射する施設に併設されている. |
● | × | × | × | |
VOR L 115.50 CRS250 DME0.6 |
・使用しているVOR受信機の名称と周波数. オートチューン(自動選局)の場合はマゼンタ色、マニュアルチューン( 手動選局)の場合は緑色で表示. ・VORコース ・スラント距離をマイル(NM)で表示. DME局は通常GS電波を発射する施設に併設されている. |
× | ● | × | × | |
VOR L ADF R |
・ND最下方左右に表示. ・VOR L又はADF Lは左側に、VOR R又はADF Rは右側に表示. ・EFIS C/PのVOR/ADFスイッチでセレクトした時に表示. |
● | ● | ● | × | |
(VORの場合の表示例) 115.50 か TH |
・(VOR)VOR局を認識していない時にはそのVOR局の周波数を表示. VOR局を完全に認識すると、その名称を表示. ・(ADF)ADF局を認識していない時にはそのADF局の周波数を表示. ADF局を完全に認識すると、その名称を表示. ・VORは緑色で、ADFは青色で表示される. |
● | ● | ● | × | |
HDG | ・ND上部に表示され、ヘディングアップである事を示す. | ● | ● | (×) | (×) | |
TRK | ・ND上部に表示され、トラックアップである事を示す. | × | × | ● | ○ | |
MAG か TRU |
・MAG:磁方位 ・TRU:真方位 *ヘディング・リファレンス・スイッチがNORM(ノーマル)ポジションの時 は通常MAG方位が使用され、北緯73°以北及び60°以南では自動 的にTRU方位に切り替わる.ヘディング・リファレンス・スイッチがTRUポ ジションの時は常時TRU方位が使われる.PS1ではヘディング・リファ レンス・スイッチが備わっていないが、『NORM』ポジションにあるものと して設定されている. |
● | ● | ● | ○ | |
![]() ![]() |
飛行方位 | ● | ● | × | × | |
![]() |
飛行方位とNDレンジ | × | × | ● | × | |
![]() |
気象レーダーをオンにした時、レンジアーク(弧)が表示される. | ○ | ○ | ○ | × | |
![]() |
・ヘディングバグ *MCPのHDGウインドウでセレクトした機首方位の位置にヘディングバ グが表示される.HDGウインドウに別の方位をセットすると、10秒間だ け自機シンボルからヘディングバグへ向けて点線が表示される. |
● | ● | ● | ○ | |
![]() (ADFは青色) |
VOR/ADFスイッチでセレクトしたVOR L若しくはADF Lの局の方位 を表示.矢印の向かっている方が局の位置. |
● | ● | ● | × | |
![]() (ADFは青色) |
VOR/ADFスイッチでセレクトしたVOR R若しくはADF Rの局の方位 を表示.矢印の向かっている方が局の位置. |
● | ● | ● | × | |
![]() |
NDのレンジが80NM以上の時に、出発地及び目的地の空港の位置に 空港のシンボルと名称(4文字)及び滑走路ナンバーが表示される. |
× | × | ● | ○ | |
![]() |
NDのレンジが40NM以下の時に、出発地及び目的地の滑走路の位置 に滑走路のシンボルと滑走路両端からの延長線及び滑走路ナンバーが 表示される. |
× | × | ● | ○ |