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 HOLDページ 


−アクティブルートの中にホールド(空中待機)が存在していない時に『HOLD』キーをプッシュすると、ACT RTE LEGSページのライン6上部に HOLD AT ラインタイトルが現れ、ホールディングを希望するFIX名の入力が可能となる。

−1つ以上のホールドが既にアクティブルート上に存在している時に『HOLD』キーをプッシュすると、ACT RTE HOLDページが表示され、最も近くのホールド・ポイントのデータが表示される。

−ACT RTE HOLDページのLSK6Lの『<NEXT HOLD』をプッシュすると、アクティブルート中の他のホールド・ページへアクセス出来る。

−ACT RTE HOLDページのLSK6Rの『EXIT HOLD>』をプッシュすると、ホールディングパターンを離脱して元のアクティブルートに戻って飛行を続ける。


アクティブルート中にホールドが存在しない時、『HOLD』キーをプッシュすると、左図のように HOLD ATページが表示される。ホールドするFIXをLSK 6Lに入力(左図で例えばLSK2LのPENNSでホールドするという時、まずLSK2LをプッシュしてPENNSをスクラッチパッドに移動させ、その後LSK6LをプッシュしてボックスにPENNSを転送)すると、下図のACT RTE HOLDページが表示される。 

*PPOS=Present POSition(現在位置)……現在位置を基点としてホールドする際に使用する。LSK 6Rをプッシュすると、現在位置がwptとして登録され、スクラッチパッドに現在の緯度・経度が省略された名称で表示される(例:N3330.9W11556.6の地点の場合、N33W115となる)。次にLSK 1Lをプッシュして、作成したwptを1Lに移動させる。すると現在の飛行経路上にホールドパターンが作成される。『EXEC』キーによってデータをアクティブにすると、飛行機はホールディングパターンに入る。

FIX ライン (LSK1L)

ホールディングの基点となるFIX名を表示する。

QUADRANT/RADIAL ライン (LSK2L)

QUADRANTのラインへは8方位を入力する。但しRADIALを入力すると自動的にQUADRANTとINBD CRSラインにデータが入力される仕組みになっているので、通常はRADIALのみをマニュアルで入力する。またRADIALの入力の際は/の入力は必要ない。

*8方位=N/北,NE/北東,E/東,SE/南東,S/南,SW/南西,W/西,NW/北西
*RADIAL=ラジアルの方位はアウトバンドコースと一緒である。つまり
FIXから遠ざかる方のコースがラジアル方位となる


INBD CRS/DIR ライン (LSK3L)

インバウンドコース(FIXに向かうコースの方位)を入力する。DIRラインには初期設定としてR TURNが入力されている。ホールディングパターンは右旋回が原則なので、通常はR TURNのままにしておく。
 

LEG TIME ライン (LSK4L)

LSK4LのLEG TIMEとLSK5LのLEG DISTはいずれかのみセレクト可能。LSK4Lに入力出来るのは、インバウンドコースの飛行時間。初期設定では、14000FT以下のホールディングでは1分、14000FTよりも上の高度では1.5分(つまり1分30秒)となっている。LSK5Lをセレクトした場合は、LSK4Lはブランクとなる。

LEG DIST ライン (LSK5L)

インバウンドコースの距離を入力する事が出来る。最初は点線が表示されている(ナブデータベースに予めそのFIXのHOLDポイントの距離に関するデータが収録されている場合はその距離が表示される)。

SPD/TGT(ターゲット) ALT ライン (LSK1R)

@SPD

 高度2万FT未満では、待機速度はVREF30(フラップ30度での進入速度)を基準として重量により変化する。45万ポンドから60万ポンドの間では大体VREF30+80ノットとなり、以後85万ポンドでVREF+100ノットになるよう直線的に速度が変化していく。より低い速度でホールディングしたい場合、フラップを1度まで下ろし、速度はVREF30+60ノットを使用する。2万FT以上では、待機速度は最も効率の良い速度が選択される。
 

ATGT ALT

 TGT ALTには、そのホールディング・フィックスに到達する時の予測高度が小文字で入力されている。この予測高度はLEGSページのHOLD ATレグにおける予測高度と同じ値である。但しパイロットが高度を入力した時、若しくはナブデータベースに元々通過高度が入っている場合、大文字で表示される。
降下時においてVNAVがエンゲージされていてVNAV PTHモードである時、事前に高度制限を入力していると、ホールディングに入る前にホールディング・スピードまで減速する。その他の場合はFIXを通過してからホールディング・スピードまで減速する。
TGT ALTにレグスページのHOLD ATラインに入力されている高度と別の高度を入力した場合、ホールディング・パターンに入った後、ホールディング・スピードを維持したまま上昇・降下する事になる。

ホールディングパターンへのエントリーの仕方

ホールディングパターンへの進入の仕方は、ダイレクトエントリー、パラレルエントリー、ティアドロップエントリーの3種類あり、ホールディングFIXの通過角度により自動的にいずれかのエントリー・プロシジャーが選択される。ホールディングパターンへのエントリーの際、ホールディングパターン・コースをキャプチャーするまでは独自のルートにより飛行する。この際NDに表示されているホールディングパターン以外の場所を飛行する事になるが、LNAVとA/Pをエンゲージしていれば自動的にコースをキャプチャーする(コースをキャプチャーするまでの独自の飛行ルートはNDに表示されないので注意が必要)。

太線=エントリーの際に飛行する
   独自のルート

細線=ホールディングパターン

ダイレクトエントリー(インバウンドコース・キャプチャー)

ホールディングFIXを通過するとアウトバンドコースへ向けて旋回し、ホールディングパターンを周回後、インバウンドコースをキャプチャーする。

ダイレクトエントリー(アウトバンドコース・キャプチャー)

ホールディングFIXを通過するとアウトバンドコースへ向けて旋回し、アウトバンドコースをキャプチャーします。

パラレルエントリー

ホールディングFIXを通過するとインバウンドコースと正反対になるよう旋回し、インバウンドコースと並行に飛行する。並行区間の距離は通常ホールディングパターン半径の2.41倍となるよう調整される。その後ホールディングパターンの内側へ向けて旋回し、インバウンドコースに対して45°の角度で接近し、インバウンドコースをキャプチャーする。

ティアドロップエントリー

ホールディングFIXを通過するとアウトバンドコースに対して40°の角度で接近し、その後インバウンドコースへ向けて旋回しインバウンドコースをキャプチャーする。ティアドロップ区間の距離は通常ホールディングパターン半径の2.95倍となるよう調整される。






ホールディングパターンの離脱の仕方

@現在、A地点からエントリー・ホールド・ポイント(ホールディングに入るFIX)へ飛行機が向かっているとする。ホールド・ポイントはNAVISである。管制から、ホールドの取り消しが伝えられる。つまりNAVISでのホールドがキャンセルとなった。A地点でのLEGSページの内容が左真中の『ACT RTE 1 LEGS』ページである。ホールドを取り消すには、LSK 2LのHOLD ATをDELETEすればよい。何故ならば、まだホールドはアクティブになっていないからである。
HOLD AT NAVISを削除するには、まず『DELETE』キーをプッシュしてスクラッチパッドにDELETEと表示させる。その上でLSK 2Lをプッシュする。するとLSK 2Lに表示されていたHOLD AT NAVISが消え、3Lに表示されていたCUGARのデータが2Lに移動する。これでNAVISでのホールドが削除された事になる。ここで注意したいのは、あくまでもこの方法はホールドがアクティブになっていない、つまりエントリー・ホールド・ポイントを通過していない時にのみしか使ってはいけない、という事である。
HOLD ATがアクティブルートから削除された為、NAVIS通過後は次のwpt、CUGARへ向かうようになる。

A現在、NAVISを通過して飛行機はホールディングパターンを飛行しているとする。管制からエグジット・ホールド・ポイント(ホールディングからアクティブルートへと戻るFIX)へ向かえ、という指示が伝えられる。つまりホールディングを終了せよ、という事である。

この時のやり方は3通りある。最も簡単なのが、『ACT RTE 1 HOLD』ページにおいてLSK 6RのEXIT HOLD>をプッシュする方法である。LSK 6Rをプッシュすると、エグジット・ホールド・ポイントであるNAVISを可能な限り早く通過できるようインバウンドコースへ向けて旋回する。例えば現在、飛行機はB地点を飛行中であるとする。LSK 6Rをプッシュすると、C地点に到達後も右旋回を続け、NAVISを通過しアクティブルートへ戻るようLNAVはコマンドする。またC地点を通過しE地点を向かっている時にLSK 6Rをプッシュすると、LSK 6Rをプッシュした任意の地点(仮にD地点としよう)で右旋回を開始しNAVISへのインバウンドコースをフォローしてNAVISを通過しアクティブルートに戻るようLNAVはコマンドする。この他の方法として、『ACT RTE 1 LEGS』ページにおいてダイレクト・トゥ・NAVIS若しくはインターセプト・レグ・トゥ・NAVISを用いてコースを設定しNAVISを通過 しアクティブルートに戻る、という方法も使用できる。ここで注意したいのは、上の『ACT RTE 1 LEGS』ページにおいてHOLD AT NAVISを削除する事によりアクティブルートに戻ろうとしてはいけない、という事である。ここで@のように削除しようとすると、正常に機能しなくなってしまう。何故ならば@と違ってホールドがアクティブとなっている状態であるからだ。

ホールディングパターンの種類

マニュアリー・ターミネート

パイロットによるCDU操作によりホールディングを終了するタイプ。最も一般的なホールディングパターンで、パイロットがマニュアルで作成するもの。元の飛行経路に戻る場合、ACT HOLDページ LSK6RのEXIT HOLDプロンプトをプッシュする事によりホールディングを終了する。この際コンピュータは最も短時間でホールドFIXを通過してホールドを終了するようホールディングパターンのサイズを調整する。

フィックス・ターミネート

1回だけ周回するとホールディングを終了するタイプ。NAVデータベースに入っているホーディングパターンで、降下時にたまに存在するホールディングパターン。ホールディングは1回のみ行なわれる。つまりFIXを通過し1回パターンを周回すると再び元の飛行経路に戻る。フィックス・ターミネートの場合、LSK4RのHOLD AVAILラインがブランクとなっているので、他のホールディングパターンと区別がつく。

アルティチュード・ターミネート

設定した高度に到達するとホールディングを終了するタイプ。NAVデータベースに入っているホールディングパターンで、上昇中に制限高度として『〜FT以上』という制限がある時のみ存在するホールディングパターン。上昇中ホールドFIXを通過する時、制限高度に到達していないとホールディングへ移行し、制限高度をクリアした段階でコンピュータは最も短時間でホールディングFIXを通過してホールドを終了するようホールディングパターンのサイズを調整する。