SID,STAR,APPROACH PROCEDURE追加の仕方 |
SIDとはStandard Instrument Departureの略で、空港独自に設定された標準離陸経路(チャートで公示されている)の事です。
トランジションとはSIDを補足するもので、SIDの最後のFIXからエアウェイ上のFIX(CO
ROUTE最初のFIX)を結ぶものです。
APPROACH PROCEDUREとはVORアプローチやILSアプローチ、ビジュアルアプローチの区間で、当該区間のルート(LNAVデータ)およびVNAVデータが収録されています。
FMCのNAVデータベースにはSID、STAR、APPROACH
PROCEDUREのLNAVルートおよびVNAVデータが入っています。CDUのDEP/ARR(Departure/Arrival)ページでSID、STAR、APPROACH
PROCEDUREをセレクトする事により、当該区間をLNAVおよびVNAVで飛行する事が出来るようになります。アナログ計器で飛行していた在来機では、SIDやSTAR、APPROACH
PROCEDUREをVORやNDB、ILSアプローチ時にはILSといったナブレディオを用いて、当該局からの方位、コース、距離といったデータとチャートとを見比べる事によって操縦してきました。しかし-400のようにFMCを装備した飛行機では、これらのルートがND画面に表示されると共に、VNAVデータはCDU
VNAVページに表示されるようになり、操縦しやすくなりました。
実機ではトランジションルートと言って、SIDとエアウェイ(航空路)とを結ぶルートが設定されている事があります。また国内ではないのですが、アメリカではエアウェイとSTARとを結ぶトランジション(TRANS)が設定されている事があります。実機ではDEP/ARRページでSIDやSTAR、APPROACH
PROCEDUREと同様にTRANSをセレクトする事が出来ますが、PS1.3ではTRANSデータがないのでTRANSを設定する事が出来ません。そこでもときちが作成したCO
ROUTE(カンパニールート:そのエアライン独自に設定した飛行ルートで、FMCのNAVデータベースにメモリーされている)にはTRANSのデータも含める事にしました。
さて、SID、STAR、APPROACH PROCEDUREの追加は、空港の追加に比べるとはるかに簡単です。ダウンロードしたファイルはZip形式で圧縮されていますので解凍します。解凍したファイルはフォルダごとPS13フォルダ内のDeparrフォルダに入れます。このDeparrフォルダは、各空港のSID、STAR、APPROACH
PROCEDUREのデータが収録されているフォルダです。これでOKです。
デフォルトのAPPROACH PROCEDUREの消去の仕方 |
PS744ではVMMC(マカオ空港)とVHHH(香港チャップラップコック空港)以外、実際の空港に則したAPPROACH
PROCEDUREが入っていません。この2つの空港以外はどのようなAPPROACH PROCEDUREになっているのかと言うと、デフォルトのILSアプローチデータおよびビジュアルアプローチのデータが挿入されます。ILSアプローチのPROCEDUREは当該滑走路にILSが設置されている場合に自動的に作成され、グライドパス角度、OM(アウターマーカー)とMM(ミドルマーカー)の有無を基にLNAVおよびVNAV経路、通過ウェイポイント(wpt)が作り上げられます。具体的にはLNAV経路としてILSアプローチ区間最初のwptが滑走路末端から15マイル手前の地点に設けられ、wptの名称がIFXX(XXはランウェイの名称)と名づけられます。このwptは空港標高から3500FT以上で通過するようにVNAV経路がプログラミングされています。またビジュアルアプローチのPROCEDUREは当該滑走路にILSが設置されていない場合に自動的に作成され、滑走路末端から15マイル手前の地点にビジュアルアプローチ区間最初のwptがIFXXという名称で挿入されます。そしてこのwptは空港標高から3500FT以上で通過するようにVNAV経路がプログラミングされています。これらのプロシジャーは、CDU
ARRIVALSページにXILS24やX24などのようにAPPROACH PROCEDURE名の前にXが付けられています。
ところで、前ページのDEP/ARRファイルをダウンロードして貴方のパソコンにデータを入れたのちは、当該空港におけるデフォルトのAPPROACH
PROCEDUREは必要ありませんので(何故なら実際に即したAPPROACH
PROCEDUREを作成しているからです)消去する必要があります。その消去の仕方を今からご紹介します。
まず、PS744フォルダ内の747app.inhファイルのバックアップを取ります。次に747app.inhファイルをダブルクリックします。開くアプリケーションを指定していない場合、『ファイルを開くアプリケーションの選択』というタイトルのボックスが現われ、「ファイル’747app.inh’を開くアプリケーションを選んで下さい」というメッセージが出るので、下の一覧からWORDPADを選択(左クリック)します。その下に「このファイルを開くときは、いつもこのアプリケーションを使う」というメッセージが表示されており左側にチェックボックスがあるので、ここにチェックを入れておきます。これで次回747app.inhファイルを開く際には自動的にWORDPADによりファイルが展開されるようになります。最後に一番下のOKボタンを押します。これでWORDPAD上に747app.inhファイルが展開される事になります。
"Fictive" computer created FMC
approach procedures (small font entries in
the FMC DEPARR page) will be inhibited for the following airports: VMMC VHHH |
さて、WORDPADには左表の文字が書かれています。ここにはデフォルトのAPPROACH
PROCEDUREが要らない空港の一覧が表示されています。左の表では、VMMCとVHHHの2空港ではデフォルトのAPPROACH
PROCEDUREが消去されている事を示しています。ここの一覧にAPPROACH
PROCEDUREが要らない空港の4レターコードを半角英数字で1空港ずつ改行して記載する事により、デフォルトのAPPROACH
PROCEDUREが消去される事になります。例えば松山空港のDEP/ARRファイルを入れた場合は、VHHHの下の行にRJOMと記載する事で、松山空港のデフォルトのAPPROACH
PROCEDUREが消去されます。DEP/ARRファイルを入れた全ての空港の4レターコードを入れたのちは上書き保存してファイルを閉じます。これで完了です。