シェール







シェールは現在最後のコンサートツアーを行なっている。過去を捨てて新しいことに取り組むために彼女自身でコンサ
ートツアーは今回限りと決めた。女優、歌手、プロデューサーとして57歳の彼女はこれまで数え切れないほどのチャ
ンスをものにしてきたし、それは今後も衰える兆しはない。

その証拠にシェールは今週の金曜日から公開されるファレリー兄弟の最新作『ふたりにクギづけ』に彼女自身の役と
して出演している。マット・デイモンとグレッグ・キニアが演じる生まれつき体のつながった兄弟、ボブとウォルトが俳優
を目指してハリウッドへ行き、シェールはやる気のないTVのアクションドラマの相手役としてわざと彼らを起用する役
どころだ。ニューヨークでこの映画のプロモーションをしている彼女から話を聞くことができた。


Q:あなたがファレリー兄弟の映画に出るなんて思いもしませんでした。

C:私もよ。

Q:出演された経緯について教えてください。ファレリー兄弟からのオファーですか、それともあなたが彼らと
やりたがっていたのですか?

C:二人の作る映画は大好きだったけど、まさか自分を演じることになるなんて思ってもみなかった。最初は自分役だ
なんて言われてなくて、彼らは嘘をついたのよ。脚本では自分の役は単に"女優"としか書かれてなかった。後で「こ
の役をあなた自身として演じたらもっと面白いと思いませんか?」て言われたの。

Q:あなたは一度は役をおりるつもりだったのに自分からやる気になったと聞いています。

C:撮影に入る前は気分が乗らなかったけど、いったん現場に入ったら気持ちがふっきれて「こうなったらとことんやっ
てやろうじゃないの」って気持ちになったの。


マット・デイモン、グレッグ・キニア、シェール

Q:この映画にはどれだけ多くのものを注ぎ込みましたか?自分がもっと滑稽に見えるように自分から何か
提案したことはありますか?

C:一番大きな提案は脚本を書き直させたこと。だって私はちょっと変わった話し方をするから、自分が普段喋ってる
ような言い方でないと不自然でしょ。だから部分的に書き直させたの。わかる?えっ、悪魔のようだって?(笑)でも二
人とも素晴らしいことにちゃんと書き直ししてくれたわ。

Q:あなたについて大きな誤解があると思われるシーンはどこですか?

C:えっ、何?あなたの言いたいことがわからないんだけど。

Q:たとえば大物ぶったところとか、年下の男が好みであるところとか?

C:そんなの全然誤解じゃないわ。(笑)でも大物ぶってるなんて可笑しいわよね。大物ぶるのは好きじゃないけどそ
れって笑えるじゃない。もちろんそれが嘘八百だから笑えるんだけど。

Q:最も面白かったのはあなたがずいぶん年下のフランキー・ムニと一緒にベッドの上にいるシーンでした。

C:それまでフランキーのことを見たことがなかったの。私はテレビは見ないから。名前を聞いて有名人だってことはわ
かってたけど、実際会ってみてびっくり!あの子がベッドへ飛び込んだときは、唖然としたわ。私言ったのよ。「これっ
てまずいんじゃない?」って。だから彼を見て「ママはこのこと知ってるの?」って聞いたら、「うん、ママはあそこにい
るよ」って。


フランキー・ムニ、シェール

Q:あなたは現在最後のコンサートツアーをしています。まだまだエネルギーが有り余ってるように見えるの
に、どうして歌手業を終わらせようとするのですか?

C:他にもやることがあるんじゃないかなって思ってるの。自分でやりたいって思ってることがまだまだたくさんあるし
ね。いつかは映画だって監督したい。『In the Pink』っていう映画がもう予定に入ってる。それにカーネギーホールで
古いスタンダードナンバーを歌ってみたい。だからもうやりたいことははっきりしてるのよ。

Q:今回でコンサートツアーが終わりだと決断したのはどうしてですか?

C:私の信条として、うまくいってるときこそやめどきだと思ってるの。今はすごくうまくいってる状態だからね。

Q:これまで会ったあなたのファンの中で一番変わったファンってどんな人でしたか?

C:体重が100kg以上あるドラッグ・クイーンがレンガ建ての建物から出てきて、私のところへ一直線でやってきて言っ
たの。「ハロウィンであなたの真似したことがあるわ」って。「すごい!どんな扮装したの?」って聞いたんだけど、彼
はとっても興奮して、私にもそれが伝わってきたわ。

Q:この業界で働く若い人達に何かアドバイスするとしたら。

C:私から言えるアドバイスはただひとつ。「誰が何言おうと気にしない」ってことよ。



マット・デイモン、グレッグ・キニア、シェール




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