グレッグ・キニア&ボビー・ファレリー


ピーター・ファレリー、マット・デイモン、グレッグ・キニア、ボビー・ファレリー




映画『メリーに首ったけ』の監督で脚本家のボビー・ファレリーは生まれつき体のつながった双子を扱った最新作『ふ
たりにクギづけ』が人の感情を損なわないように作っていることを語り、主役の一人を演じたグレッグ・キニアは共演し
たマット・デイモンの人柄と二人の関係について話してくれた。


Q:さてボビー、あなたはどこまでやれば気が済むの?

B:誰かを傷つけるようなジョークはやりすぎだと思うけど、僕らの映画はそうじゃない。「体のつながった双子のコメデ
ィなんてやりすぎだ!」って言われるけど、実生活の中に彼らは存在してるし、僕らは彼らを笑い飛ばしたりせずに物
語を作っている。この映画の中の二人はヒーローなんだ。僕らは二人を愛してる。二人は困難な状況をものともせず、
それをバネにして頑張っている賞賛すべき人達なんだ。

Q:この映画はあなたと兄のピーターの関係を反映してると思いませんか?

B:映画が出来た後、知り合いに見せたら「これって君達のことじゃないの?」ってよく言われたよ。でも僕ら自身はあ
まりそのことを意識してなかった。脚本を書いたのはかなり前のことで、その当時は今のように二人で映画を作ること
になるなんて思いもしてなかったし。だから今回のリライト作業の途中で少しづつ僕らの関係が反映されてきたんだと
思う。

Q:シェールがハリウッドの大物女優という自分自身の役を演じていますが、彼女がこの役をやってくれると
思ってましたか?

B:いや絶対無理だって思ってた。無理だろうって思ってたけど、ダメもとで頼んでみたんだ。シェールにとって代わる
ような他の女優なんてハリウッドには見当たらないしね。映画の中で双子の兄弟がハリウッドで出会うのはシェール
じゃなきゃならなかったから。彼女にやる気があるかどうか聞いてみたら、一度は断られたけど「とても面白そうなアイ
デアね」って言って戻ってきてくれたんだ。彼女はすごくユーモアのセンスがある人で計り知れない才能の持ち主だ。
あんな風に自分を演じるのは初めてだっただろう。彼女のセンスはみんなが彼女に対して思ってるイメージのずっと
先をいってるよ。

Q:メリル・ストリープはどうやって引っ張り込んだの?

B:僕らはニューヨークで一度彼女の会ったことがあって「いつかあなた達の映画にも出たいわ」って言われたんだ。
僕らはからかわれてるんと思ったんだけど彼女は「本気よ。私の元に送られてくるのはシリアスな脚本ばかりであな
た達のようなコメディの脚本がないの。だから私に適役があったら考えて頂戴ね」って言ってくれた。撮影中、グレッ
グと踊ってる途中で足首の骨を折りかけたんだけど、ちゃんと仕事をこなしてくれた。彼女はとても勇気があってクー
ルだったよ。

Q:グレック、君はたぶんもう誰よりもマットのことをよく知ってると思うけど、もううんざりだって思ったことは
ある?

G:最初にピーターとボビーに会った時、「どういう仕組みで僕ら二人はくっつけられるのかな?」って聞いてみたら、二
人は「時間をかけずにすぐにくっつけてあげるから心配ないよ」って言われたんだ。そしたら出演前にロープとベルトで
ぐるぐる巻きにされて、撮影が終わった後も、次の撮影までずっとそのままで待たされた。初日は騙されたって思った
けど、仕方ないから受け入れることにしたよ。共演相手は慎重に選ばなきゃならないことがよくわかって、体のつなが
った兄弟を演じる僕らにはいい教訓になったし。マットでラッキーだったよ。お互い首の絞めあいをせずに済んだから
ね。



Q:くっついていることで一番つらかったことは何ですか?

G:スポーツで二人一緒に肉体を使うシーンはこれまでやったことがなかっただけにやりがいがあった。撮影前に僕ら
はテニスコートでテニスをしたり、他のスポーツをしたり、一緒に散歩したりしてなんとかコツをつかもうとした。最初の
2週間ほどは何度も壁にぶち当たったけど、次第にコツがつかめて、二人でも滑らかに動けるようになったんだ。

Q:実際に体のつながった双子たちから意見を取り入れましたか?

B:この映画を作るにあたって、僕らは体のつながった双子の姉妹と一緒に仕事をしたんだ。彼女達にリアルだと感じ
てもらえるような映画にしたかったからね。とても協力的で物語の中の双子がリアルに見えるように助言してくれた。
彼女達は頭の部分でつながっていて、一人がカントリーシンガーで、もう一人は病院で働いている。すごいだろ?映
画の中でも彼女の歌う歌を使ってみた。いい仕事をしてもらったよ。

Q:このような物議を醸し出すテーマは映画会社にとって売りにくいことはわかってますよね。

B:ご存知のとおりこの作品の映画化には何年もかかってる。『メリーに首ったけ』ではメリーの弟は知恵遅れだった
から、会社側は彼を映画に出さないように言ってきた。実はあの役は僕らの幼馴染みの友人をベースに作ってる。ま
わりのみんなが映画に出てるのに彼のような人間だけが映画に出れないのはおかしいし、その理由が知恵遅れだ
からっていうのは馬鹿げてるよね。会社側はこの映画がうまくいかなかったら、どうするんだって言ったけど、この映
画は大ヒットして、観客はみんなメリーの弟を気に入ってくれた。彼はこの映画で重要な役を果たしてくれたんだ。あ
の映画の後は会社側も僕らのやりたいことを受け入れるようになったよ。映画を見た知恵遅れの兄弟や姉妹、友人を
持っている人たちから、こんな風に描いてくれうれしいって言われたしね。あの映画で会社側もやっと気付いてくれた
んだ。

Q:今回の映画も抗議されることがあり得る題材であることはわかってるんですよね。

B:僕らは素晴らしい物語だから映画にしてるんだ。事を大きくしようなんてつもりはまったくないけど、論争になること
も恐れてはいない。黙ってることができないってこともあるけどね。



Q:グレッグ、君は映画の中で器用にハンバーガーをひっくり返してるけど、あれは俳優をやる前の仕事で
覚えたのかな?

G:ウエイターの仕事はたくさんたけど、自分で焼いたことはなくて、いつも控え室で食べさせてもらってた。(笑) 撮
影中にマイアミへ行ってしまったジャグラー達の話をしてもいいかな。

B:いいよ。僕らがいつもいかに間抜けなことをしてるかよくわかってもらえると思うから。

G:ジャグラーの男達は撮影をしていない時に僕とマットと一緒に仕事をしてたんだ。マットは僕にやり方を教えてくれ
たんだけど、マットは何回も落とすし、やり方がちょっと変だった。だからマットに「どこで覚えたんだい?」って聞いた
ら「確かにあまりうまくないさ。僕はジャグラーなんてやったことないからね。でもあいつらよりうまくできるよ」って言う
から、おかしいと思ってボビーとピーターに言って調べてもらったら、奴らはジャグラーじゃなくてハリウッドから来たダ
ンサーだってわかった。ジャグラーの経験なんてまったくなかったんだ。僕らにやり方を教えはしたけど自分達は実際
にやったことがないなんて、言ってみれば詐欺師みたいなものだよね。

B:あいつら1週間以上撮影現場にいたんだ。「ちょっと曲芸でもやってくれよ」って頼んだらいつも「明日の午後にやっ
てやるよ」って言ってたな。

G:そうそう外ではビーチで寝そべって、ホテルではルームサービスをオーダーしてた。

B:ホテルの部屋の前にたくさん人を集めて「きわめつけのやつを見せてやるから」って言ってたのを何度見たことか。
いつだってうまく切り抜けて「じゃあ、また」って僕らをあざむいてたんだ。でも奴らがインチキだってわかっても僕らは
もう怒る気はなかったよ。ちょっと感心してたからね。







トップへ
トップへ
戻る
戻る