レニ・ゼルウィガー






本人はインディー映画の頃からほとんど変わってないと言うが、レニー・ゼルウィガーの評判は驚くほど大きくなってい
る。

「やめてよ。そんな風に持ち上げられると、いけすかない人間だって思われるじゃない」女子高生みたいに頬を染めな
がらレニは言うが、レニーが受けているようなやっかみを手にすることができるなら、どんなことだってするって言う女
優もいるはずだ。『ザ・エージェント』でトム・クルーズの恋人のドロシー・ボイドを演じて以来、それほどまでに人もうら
やむほどの名声と幸運の両方をレニは手に入れてきた。出演した映画で不発に終わったものもあるが、レニーの評
判はまったく影響を受けていない。『ブリジット・ジョーンズの日記』の映画版の主人公は女優なら誰もがやりたがる
役だが、レニーはこの役も射止めて現在ロンドンで撮影をしている。

身長165cm、テキサス出身のレニーはファレリー兄弟のコメディ最新作『ふたりの男とひとりの女』のプロモーションの
ための小休止中。ボーイフレンドのジム・キャリーと共演したこの映画は今週金曜日に封切られる。



ジムは二重人格のロードアイランド州の州警察官を演じいて、ジムのふたつの人格は任務から一緒に逃避行するよ
うになるひとりの女性(レニー)と恋に落ちる。

前作『メリーに首ったけ』や以前にジム・キャリーと組んで作った『ジム・キャリーはMr.ダマー』と同様、この最新作に
もクレイジーで馬鹿げたシーンがいっぱいある。

レニーとジムは昨年の夏、撮影終了後に一緒にいるところをたびたび写真に撮られるカップルになった。シャイなレニ
ーは初めはジムとのことをメディアにさらされることにショックを受けたが、それも次第に慣れてきて、とうとう受け入れ
るまでになった。

「かなり成長したわ。特に去年はね」レニーは言う。「受け入れるようになって気分が楽になった。うんざりすることもあ
るけど、生活はとては充実してるわ」

レニーは遊び心があって陽気な『ふたりの男とひとりの女』を確かに気に入っている。



レニーはメリル・ストリープと共演した重苦しいドラマの前作『母の眠り』の出待ちのトレーラーハウスでは憂鬱な時間
を過ごしたことから、ちょっと軽めのものがやりたかったらしい。

ピーターとボビーのファレリー兄弟はジムの相手役にレニを起用する自分達のアイデアを気に入っていたけど、2千万
ドルのギャラを稼ぐスターのジムがそれに同意してくれるか確信を持てなかった。ところがジムもレニの起用に賛成し
た。

ファレリー兄弟は自分達の「撮影終了!」のかけ声のすぐ後に二人がデートするようになったことをまったく知らなかっ
た。

ボビー・ファレリーは映画の撮影中の二人は単なる友達だったと固く信じていたらしい。「撮影現場でレニを見てても、
つきあってることを隠してるようには見えなかったよ」ボビーは言う。「逆に僕はレニを好きになったことを隠しそうとして
たけどね」

レニの愛嬌に魅了されたのはジムだけではない。

「ジムはうぶな恋に落ちたんだ」ロケでロードアイランド州からヴァーモンド州へ移動していた時のジムの様子をピータ
ーは話してくれた。「僕はジムにはあの娘はありふれたどこにでもいる女優でそんなにすごい才能を持ってるわけじゃ
ないって言い続けてたんだ」ピーターはレニの演技にダメだしをするジムの気持ちを和らげるためにそんなことを言っ
ていたが、ピーターも密かにレニのことを好きになっていたそうだ。「彼女は成長したよ」ピーターは言う。



撮影に入ると、レニは撮影中に共演するスターを含む俳優やスタッフとはデートしないというポリシーを持っていること
がわかった。

ピーターとボビーがこのように言っているにもかかわらず、内気なはにかみ屋な一面を持つレニはジムがこの映画の
撮影中に自分を好きになったということを信じるのをためらった。

「ジムは私を口説こうともしなかったわ」レニは強い口調で語る。「現場で私を探しまわるようなこともなかった。ジムは
仕事に対して本当にプロフェッショナルだった」レニはファレリー兄弟が言ったことについても、シリアスさを装う口調で
反論した。「どうして二人がそんなこと言うのかわからないわ。二人とも撮影中ずっと酔っ払ってたのにね」

一方ジムはレニのことをこのように述べています。「レニはシャイなんだ。でも自分の意志をしっかり持ってる」

スイス人の父とノルウェー人の母を持ち、テキサス州のヒューストンの近くで生まれ育ったレニーはもともと内気では
あったが、頭の回転の速いお転婆娘でもあった。高校卒業後はオースティンのテキサス大学に進み、そこで演技に
のめり込むようになり、TVコマーシャルに出た後、『Dazed and Confused』というドラマでの小さな役を得て、地元の
TV局で作られる低予算の連続ドラマに出演するようになった。『Love And A.45』でギル・ビロウズと共演、『The
Return Of The Texas Chainsaw Massacre』でマシュー・マコナニーのクラスメイト役を演じた。他には『The Whole
Wide World and A Price Above Rubies』にも出演しているが、その後の『ザ・エージェント』や『母の眠り』ほど注目を
集めなかった。去年はブラックコメディ『The Bachelor』にも挑んだ。



『ふたりの男とひとりの女』でレニーは本来のポジティブな役に戻ってきた。『ベティ・サイズモア』の出演依頼も舞い
込み、この作品は先月カンヌ映画祭に出品され、来年の公開を控えている。ヘレン・フィールディングのベストセラー
本を映画化した『ブリジット・ジョーンズの日記』の主役の座も他の女優たちとの厳しい競争を経て勝ち取った。ケイ
ト・ベッキンセールやミニー・ドライバーのような経験豊富な女優たちを打ち負かし、いい男を求めてダイエットするロン
ドンのキャリアウーマン役を射止めた。

「周りを気にせずに思う存分に食べれるなんて本当によかったわ」撮影当時の面影がないぐらいスリムになったレニ
ーは言う。「スタッフがスニッカーズのバーを持ってきて薄ら笑いしながら"これ食べてね"なんて言うの」

レニーとジム・キャリーはもう結婚してると巷では言われているが、それは間違った報道で、彼女にはまだそんな気
持ちはなく、婚約指輪もしていない。

「浪費になるから宝石は好きじゃないの」彼女はそう言って、有名なボーイフレンドについても話してくれた。「ジムは
とっても特別な存在。私はとても幸せだわ。ああ、でもこんなこと言うとまたいけすかない女だって思われるわね」しか
めっつらをしながら笑うレニーはどんどんビッグになっているようだ。







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