「最近感じること」 前回までの文章

 INDEX
 38.新型コロナウイルスの問題
 37.官公庁の身障者雇用水増し問題
 36.最近の授業内容について
 35.原発事故は再び発生する?
 34.豊洲市場の安全性と管理体制について
 33.三菱自動車の虚偽記載について
 31.32、アベノミクス新3本の矢について
 30.オリンピックのエンブレムについて
 29.日本年金機構のセキュリティ漏えいについて
 28.アベノミクスの第3の矢について(3)
 27.アベノミクスの第3の矢について(2)
 26.アベノミクスの第3の矢について(1)
 25.アベノミクスは成功するか?
 24.アベノミクスの課題について。
 23.原発のコストのからくり。
 22.日本の自然エネルギーについて。
 21.日本の家電業界の衰退について(韓国企業との比較)
 20.日本の外交について(外国で生活していた人間が感じること)
 19.日本の政治家について(民主党になっても日本の政治家は程度が低い)
 18.企業の信用について(最近は最も大切な企業の信用が落ちている)
 17.日本に最適な自然エネルギー(潮流エネルギーは日本の全世帯の電力を賄える)
 16.新時代のピラミッド(現在の最高の技術の粋を集めた巨大プロジェクトの必要性について)
 15.産業のパラダイム(新しい技術でも10から20年で変化して行く)
 14.以前の日本の技術開発と現在の技術開発(短期に成果を求める傾向になっているのでは?)
 13.カメラ技術開発における政府の役割(基幹産業にするには国の方針が必要)
 12.11.10.福島原子力発電所爆発に対する感想。
  9.8.7.日本人の資質(国民性)に合った今後の産業について。
  6.5.4.今まで日本を背負ってきた電気産業、自動車産業、等について。
  3.2.1.私が海外の企業から帰った時に感じた日本の企業の変貌。


(37)2020年4月9日記載分

「新型コロナウイルスの問題」
 昨年末に中国から発生した新型のコロナウイルスが世界中に猛威を振るっています。
日本でもクルーズ船で香港の乗客1名感染していただけで、乗客の内、600人以上の人に感染して、大騒ぎになりま
した。この新型ウイルスはまだ不明なことが多く、感染しても軽症者が大多数ですが、高齢者や疾患のある人は重症に
なっています。当然、ワクチンも治療薬もまだないので、対応が大変難しい感染症です。中国での臨床試験で富山化学
のアビガンが治療薬として有効であるとの情報もあり、少しづつ改善されて行くようですが、ワクチンの開発には半年
以上の期間がかかりますので、当分、予防は不可能と思われます。私は素人ですが、このように世界中に拡散した状況
での現状の対応としては、ウイルスの侵入や拡大を防ぐ遮断と、感染した人々を治療し安静にしておく隔離しかなく、
どちらも国民と経済に多大な影響を及ぼします。また、中国のような共産圏では強制的にこの2つの対策を実施できま
すが、欧米や日本では不可能です。したがって、欧米や日本では状況を見ながら、この遮断と隔離のコントロールをす
るしか方法がないと思われます。しかし、この方法では、短期間に収束するのは困難であり、相当長い期間の対策が必
要になります。日本では感染者数は世界では少ないと発表されていますが、この新型ウイルスの検査数を外国に比べて
限定しているので、実際にどれだけの人が感染しているか不明であり、いつ収束するかも分かりません。
残念なことに、日本のウイルス検査数が少ないのは韓国や欧米に比べてウイルスの検査に対する能力が遅れていて、や
ろうにも出来ない状態だそうです。従って、症状の出ない軽症者は相当数いると思われますが、幸か不幸か症状の出た
感染者のみを早期に治療できるので、死亡者は少なくなっています。しかし、この状態ではいつ感染者が爆発的に多く
なるか心配です。
さらに問題はアフリカや中南米のように衛生環境が発達していない国々では、この遮断と隔離がコントロール出来ず、
いつまでもウイルスが残っていて、これが欧米や日本に逆流入することが考えられます。したがって、この新型コロナ
ウイルスはインフルエンザのように、いつまでも人類とつきあわねばならなくなる疾病となるのではないでしょうか?
世界のスポーツイベントも次々と中止になっていますが、今年、日本で開催されるオリンピックも、やっと延期が決定
したようです。これは日本でもまだ終息の目処も立っていない上に、欧米では拡大期の最中であり、この状態では今年
のオリンピックは不可能であることは明白です。

(37)2018年11月9日記載分

「官公庁の身障者雇用水増し問題」
 最近、厚労省から発表された事で、大変驚いた事があります。
それは、各省の身障者雇用者数をごまかしていたことです。それも、少々の間違いでなく、大幅に故意に水増ししていた事
です。
私も以前は会社勤めをしていましたので、企業でも、ある比率で身障者を雇用せねばならないことは知っていましたし、こ
れが法律で定められた義務だと認識していました。私の勤めていた会社でも部に1名ほどの割合で身障者が配属されていま
した。彼らは仕事には熱心で、業務も普通にこなしていました。ただ、当然、障害の内容である事項については普通の人よ
り劣ります。しかし、そのことを認識しておれば、それに合った業務をしてもらう事ができていましたので、業務に特に大
きな問題ではありませんでした。それなのに、率先して進めるべき官公庁で身障者雇用数を大幅にごまかしていたと言うこ
とは、どういうことでしょうか?
よく考えてみると、これは1事例でしかなく、税金で成り立っている、官公庁や役人の色々なごまかしや不祥事が最近目立
ってきている気がします。
公文書を改ざんしたり、税金をごまかしたり、違反をした身内をかばったり、禁止されている過度な接待を受けたり、表面
に出ていることだけでも数にいとまがありません。なぜこのような事が起きるのでしょうか?
単純に言えば「組織が腐っている」のではないでしょうか?すなわち、「上司に能力が無くて、抑制がきかない」ことであ
ると思います。官公庁のトップは誰でしょうか?
それは大臣になるのではないでしょうか?そう言えば、日本の政府の大臣はその業務の専門家ではなく、当選何回と言って
たらい回しで就任していますよね。従って、大臣が何かを発表するときは、必ず、役人の書いた文書を読み上げているだけ
です。たまに、文書以外のことを言うと、変なことを口走って墓穴を掘っているのをよく見かけます。
このような人がトップであれば、当然、その下の役人の意識も下がってくるのでは無いでしょうか?その結果が、「少々の
ことはごまかしても大丈夫」と言う意識になっているのではないかと思います。
歴史の本を見ても、政治家は日本の将来を考えていたり、官僚も日本を発展させる手段を考えて行動していたように思われ
ますが、このような時代は過ぎ去って、今や、政治家も官僚も自分たちの事だけ考えて行動する時代になっているようです。


(36)H30年7月6日記載分

「最近の授業内容について」
  最近のよく聞く話に、学校の先生は忙しくて時間がないといわれています。私は昭和30年前後に小中学校に通ってい
 ましたので、最近の小中学校の先生の仕事内容についてはよくわかっていません。
 ただ、孫の生活を見ていると授業以外にクラブ活動があり、クラブ活動に熱心な学校では先生は休日もない状況であるこ
 とは察していました。
 しかし、よく考えてみるといくつかの疑問が出てきました。

 まず一つ目は、前述のクラブ活動ですが、私の子供時代でもクラブ活動はありましたが、先生から教えてもらった記憶は
 ありません。学校はその場所を用意してくれただけで、先輩や自分たちで工夫しながら進めていました。時々、雄志のOB
 がコーチに来てくれていた程度です。私は軟式テニス部でしたが、それでも地方予選を突破して県大会まで進むことがで
 きました。先生は試合の時だけ来てくれた記憶があります。これを考えると今は先生がお節介を焼きすぎなのではないで
 しょうか?もっと生徒の自主性を重んじるクラブ活動はなぜできないのでしょうか?
 二つ目は授業内容がおかしくなっています。先日、中2の孫がぼやいているので、悩みを聞いていますと、技術の時間(
 ?)に抵抗のカラーコードを覚えないといけないと悩んでいました。多分、多くの親御さんは何のことかわからないと思
 います。たまたま私は電気関係の技術者でしたので抵抗のカラーコードはよく知っていましたが、これはかなり専門の技
 術者しか使用しません。その上、最近は抵抗もチップ部品になり、カラーコードもなくなっています。こんな時代遅れの
 専門的なことをなぜ中学校で生徒に教えるのでしょうか?電気関係の授業でも、もっと基礎的で大切なことがあるように
 思います。
 三つ目は授業内容と試験の内容がおかしくなっているのではないでしょうか?
 孫は女の子なので、授業の内容をきれいにノートに整理しています。私は見てもびっくりするほど整理されていました。
 それなので試験では100点が取れていません。なんとか70点から80点のようでした。通常は先生が大切な内容は黒
 板に書いて生徒に教えるのが授業のはずであり、それを理解しても100点が取れないと言うことは、それ以外の内容を
 試験に出していることになります。今の学校では授業と試験が乖離しているのではないしょうか?これでは生徒は何が大
 切な内容かわからなくなります。その結果、塾に行って勉強し直さざるを得ない状況が発生しているのではないでしょう
 か?私の小中学生時代は学校の授業について行けない生徒が塾に行っていましたが、現状では全く反対になっています。
 これらを考えると学校の先生が忙しいのは無駄な教育方針に主原因があるように思われます。

(35)H29年2月5日記載分
  
 「原発事故は再び発生する?」について
  最近、原子力発電所の再起動が各地で問題になっています。福島の事故以降、審査が厳しくなったことと、住民感情が
 再起動に慎重な方向に変わって来ました。それでも政府や電力会社は何とかして再起動を模索しています。
 ここで、もう一度、原子力発電の安全性とコストについて考えて見たいと思います。まず、簡単なコストですが、これは以前
 に、この欄で述べたように、原発が最も安いと言う、政府が発表している各種の発電コストは、色々なファクターを都合の
 良い数値にしてごまかしています。その一つである稼働率を同じにすれば、それだけで原発は最も高いコストになります。
 (詳細は「最近感じること」の前回までのNo.22を参照して下さい。)
 
 ここでは、もう一つの問題である安全性について考えて見たいと思います。現在、世界で原発は434基が存在しています。
 その内、日本は第3位で43基の原発があります。今まで原発が稼働してから50年ほど経ちますが、事故ランク5(放射性
 物質が外部に放出された重大事故)以上の事故は7件発生しています。当然、福島の事故はレベル7の最も深刻な事故
 にランクされています。しかし、よく考えて見ると、世界で434基の原発が、約50年で7件の重大な事故を起こしているので
 す。即ち、1.6%の確率で重大事故が発生している事になります。福島の事故は想定外と言っている人もいますが、確率
 で考えると、今後、50年以内に日本でも重大な事故が発生する可能性があります。さらに日本は立地条件では他の国より
 悪いため、その確率は高いと思わざるをえません。日本の原発は安全だと言っても、もうだれも信用しないのは当然の事
 です。すなわち、このままであれば確率から見て原発事故は再び発生するでしょう。
 
 福島の事故処理に発生する費用は最初は10兆円ほどと言われていましたが、最近は21兆円に膨れ上がっています。
 原発1基のコストは1.3兆円程度ですので、すでに16基分の費用はドブに捨てる事になります。当然この費用はどのよう
 な形にせよ国民が税金か電気料金で負担せねばなりません。
 しかしながら、それでは原発をすぐにやめると、1.3X43=56兆円の費用の償却をどうするのかが問題になります。
 従って、残念ながら、重大事故が発生しない事を祈って、徐々に原発を終息の方向に向かわれるしかありません。


(34)H28年10月8日記載分
  最近、豊洲市場の問題が各種報道で取り上げられています。私は大阪在住なので直接の関連はないが、連日の報道を
 見ていると、何かピントが外れているような論議もされている気がしてなりません。
 確かに、食の安全は大切であり、原因追及はおろそかにはできないが、それ以外に問題がありそうに思われます。
 
 一つは、いろいろな人が言っているように、都の役人は専門家会議の提案を無視して盛り土をせず地下に空洞ができてい
 ることであり、都の体質にかかわる問題であります。これはこれで明確にする必要がありますが、犯人探しが問題の解決
 の本質ではないと思われます。これは役所の役人は市民の方向を見ず、誰も責任を取らない組織になり、民間の会社では
 絶対にありえないことです。通常、ISO9000で全ての懸案には起案から完成まで詳細な報告書が義務付けられていて、いつ
 誰がどのような決定をして、次の部署に引き継いだかがファイルされています。役所は勝手になんでもできる部署なのでし
 ょうね。また、これを監視する議会は、その議員の大多数はマスコミで報じられている野々村議員や富山の議員などと同じ
 ようにお金に汚い人種で、選挙に通った瞬間から市民のことにはまったく意識がなくなることにあります。
 しかし、このような議員を選出しているのは市民であるので、結局、この問題は役所の時代遅れの管理体制と、それを監視
 する市民に戻ってきているように思われます。
 もう一つの問題は出来上がった建物の地下の空洞に水が溜まっていることです。空洞になっていることについては、都の役
 人は配管に必要だと言ったり、汚染物質が出たときの処理に必要だ、などと口から出まかせのようなことを言っていますが
 、今からもう汚染物質が出ることを想定しているのでしょうか?そもそも自分の家の床下に水がたまる構造になっていたら
 どうするかを考えたことがあるのでしょうか?地下の水がたとえ環境基準を下回っていても、床下に水が溜まっていれば、
 カビもはえるし、湿度も高くなり腐食も発生します。そのうち、ネズミの死骸が浮くことになるのはごく自然のことです。
 たとえ床が30cmのコンクリートであったとしても、地下との隙間はいくらでもあり、最初からこのような建物で都民の食品
 を扱うこと自体がおかしいのではないでしょうか?
 これこそ役人や議員は、誰のために何の市場を作ろうとしていたのか、何の討議をしているのか、全く理解できません。
 今回は私が都民でなかった事は喜んでいいのでしょうか?
 
 


(33)H28年5月6日記載分
  最近、思いもしなかった色々な出来事が起こり、大きなニュースになっています。
 最も大きな出来事は九州熊本の地震です。断層地震による自然災害とは言え、大変な被害を見て、被災された方々のご苦
 労は大変なものと察します。この件についてはもう少し落ち着いた時点で考えて見たいと思います。
 次に起こった事件に、三菱自動車の燃費の虚偽記載の問題があります。今日はこの問題について私の思っている事を述べ
 て見たいと思います。
 私もそうでしたが、多分、日本人の大多数の方々は自動車会社のカタログに書かれている燃費は全く信用できず、その数
 字の半分程度だと思っていると思います。このように、日本の国内で発表されている燃費とは実際の使用状況とはかけ離
 れた単なる数字の記載でしかなかったのです。従って、今回の三菱自動車の燃費不正の件も一般の人からはおかしいとは
 思われなかったはずです。しかし、今回はたまたま日産自動車にOEMをしていたため、日産自動車が自社で検査してみて、
 この数字のおかしい事を見つけたのでしょう。即ち、日本の燃費の基準は絵空事と言えるようなおかしな数字で、実際の
 消費者にはあまり役に立たない数字なのです。一方、欧米では様子が全く違うようです。例えば、日本で燃費の優れたある
 ハイブリッド自動車の燃費は38Kmと公表されていますが、米国では21Kmの表示だそうです。たまたまこの車に乗ってい
 る友人に聞くと市街地では20Km弱と言っていますので、米国の燃費の表示に近い数字がでています。なぜこのように日本
 の表示と、欧米の表示とでは大きな差があるのでしょうか?
 この理由は日本では国交省が定めた燃費測定モードは実使用ではなくシャーシダイナモ上での測定であり、しかもこの測定
 モードに合わせたスペシャル設定の状態で測定しているので、当然、実使用とはかけ離れた数値になります。一方、欧米で
 はその国の試験機関が平均的な都市部で走らせた燃費データなのだそうです。どちらが消費者の立場に立っているかは明
 確ですね。このように日本では実使用とかけ離れた燃費の数値を容認している限り、三菱自動車のような会社が出てくる要
 因にもなっているでしょうし、今回の10%弱のごまかしは消費者のための真実の燃費とは異なる次元の話ではないのでし
 ょうか? しかし、「嘘つきは泥棒の始まり!」ですよね。
 
 
 
 


(32)H28年2月6日記載分
  今回は素人ながら新3本の矢の一つである「強い経済でGDP600兆円」について、私なりの思いを述べさせていただきま
 す。
 私は経済学者でも経営者でもありませんし、もう一線から退いた人間ですが、戦後の日本経済の発展のほんの一部を携わ
 った人間としては、現状の日本経済の停滞を憂いている一人です。バブルのはじけた現状とそれ以前の日本では状況が大
 きく変わりますが、2000年頃に、一時、外国に住んでいたので、バブル前後の日本の社会を見ると、日本の良い所は無く
 し、悪い所は残っているように感じています。例えば、私が関係していた電気製品でも、世界一になる大きな目標に対して、
 改良に次ぐ改良を重ねて、たえず先頭を走っていました。それが現状では見る影も無くなっている様に思えます。
 例えば、スマホやTVでは世界のシェア―ではどこに居るのかもわかりません。また、半導体、液晶なども青息吐息の状態で
 す。なぜこのようになったのでしょうか?後から追っかけてくる韓国、中国、台湾などは当然日本の真似をして、さらに追い
 越そうとしたのは当たり前のことです。すなわち日本はその先に行けなかったので、世界から淘汰されただけではないでし
 ょうか?とても単純な事だと私は思います。その中で唯一まだ光っているのが自動車産業です。
 なぜ自動車産業はまだ世界の先端を走れているのかは明白ですね。世界の先端を見て、今までにないものを絶えず開発し
 続けているからです。私の甥に自動車産業に携わっている者がいますが、彼の眼は世界を見て輝いています。
 すなわち、他の産業でも、改良に改良を重ねて世界一を走っていれば、日本全体も発展し続けていたはずです。ではなぜ大
 多数の産業は改良に次ぐ改良ができなくなり青息吐息の状態になったのでしょか?
 それには多くの要因があるでしょうが、その一つが非正規社員の増加と固定化であると私は思います。日本の企業での非
 正規社員の割合は40%を超えました。いつ解雇されるか解らない非正規社員に改善や改良を言っても無駄な事です。一
 方、雑用の増えた正規社員は改良や改善を考える暇が無くなっています。また、社員の親睦も無くなり、効率のみを追求す
 る社会になっています。これではその時だけは良いでしょうが、長い時間で見ると、日本の良い所を取り入れた外国に負け
 るのは当然ではないでしょうか・
 
 
 
 


(31)H27年11月8日記載分
  今回は先日政府から発表された新三本の矢について、私の感想を述べて見たいと思います。
 まず、最初の旧三本の矢の成果を見て見ますと、一本目の「金融緩和」に関しては日銀の施策により、為替が日本の現状
 に合った値になり、ある程度の成果は出てきました。しかし、大多数の企業はすでに生産部門を海外に移しているため、
 急に為替が戻っても国内の生産はそれほど上がらなくなっています。第2の矢の「財政出動」に関しては、相変わらずの公
 共事業へのばらまきであり、一時的な効果しか見えません。そして、第3の矢の「民間の投資を刺激する成長戦略」に関し
 ては、具体策が見えず、ほとんど何の成果も上がらなかったのではないでしょうか?
 一方、物価は石油製品以外、特に食品は上昇傾向にあるが、給料は一部企業を除けば、まだ上がっていません。
 従って、旧三本の矢は一部の人達は恩恵にあずかれたようですが、一般市民にはほとんと効果が無かったのが実情です。
 そういう中で、政府は新三本の矢を発表しました。一本目は「強い経済でGDP600兆円」、二本目は「子育て支援で出生
 率1.8%」、三本目は「安心な社会保障で介護離職ゼロ」、となっています。今回は、目標数値は出ていますが、
 そのための具体的施策は何も出されていません。それらを出すのは政治家でなく官僚なのかも知れませんが、最近発生し
 たマイナンバーに関する役人の収賄事件を見ても、高級官僚は部署を渡り歩いているだけで、管轄の業務知識さえ持たな
 いのが大多数なので、政治家を補佐する官僚から良い施策は出ないのではないでしょうか?
 国の政治家や官僚から地方の政治家、役人まで一般の市民とは比べ物にならない給料を取っているうえに、政治資金や政
 務活動費と称して、だまし取っている政治家や役人が多数居ることを見ても良い施策が出るとはなかなか思えません。
 また、今の日本では貧富の差が広がり、貧しい人が多くなっています。これを是正して、かつ、全体を上げる施策をしな
 ければGDP600兆円は無理なのではないでしょうか?
 政治家や官僚は襟を正して、このための具体的な施策を出してほしいものです。
 
 
 
 
 
 


(30)H27年9月8日記載分
  今回も予定を変更して、最近世間を騒がせているオリンピックのエンブレムについて、私の考えを述べてみたいと思って
 います。
 私は商標やエンブレムの様なデザインについての専門家ではありませんが、以前にある電気会社の研究部門で仕事をし
 たので、発明考案をして特許申請をすることは日常業務の一つでした。
 このことから考えると、今回のエンブレム騒動の関係者の言動は全く理解できません。色々な論点がありますが、まず、エ
 ンブレムが模倣しているか、していないかが問題ではなく、新規な創作であるかどうかが問題ではないのでしょうか?
 通常、特許を申請する時は、当然、発明者は先行例を調査しますが、それでも特許庁からいつも帰って来る最初の拒絶理
 由のほとんどは、「先行例から容易に類推される。」であり、その中で新規性と効果を主張し語句を修正して行きます。
 すなわち、今回のエンブレムも途中経過で何種類かあるようですが、公表されたどれも、誰が見ても先行例から容易に類推
 できる範囲のものではないでしょうか?この時、先行例とは、すでに登録されているかどうかではなく、書物や看板でも要す
 るに、公知になっておれば先行例になる事は当然です。
 従って、無理やりにこのエンブレムを押しとおしても、商標登録になることはあり得ないと思われます。そうすると、このエン
 ブレムは公知となり、誰が使用しても良いととになります。
 これらから考えると今回のエンブレムの選考は出来レースであり、IT技術に疎い古臭い専門家と称するお友達ばかりで考
 案選考されたとしか思えません。
 今回問題となった専門家のエンブレムより、オリンピック招致の時の大学生が作成したエンブレムの方が、はるかに優れて
 いると思うのは私一人でしょうか?
 せっかく白紙撤回されたのですから、今度は多くの人達から募集して、大多数の国民がなるほどと思われるエンブレムを選
 考されことを期待したいと思っています。
 
 
 
 
 


(29)H27年7月8日記載分
  今回は最近話題になった日本年金機構のセキュリティについて、私の感じた事を述べて見たいと思います。
 私も定年退職してしばらくは働いていましたが、72歳の今は完全に年金暮らしの身になっています。従って、我々が40年
 以上払い続けて、やっといただけるようになった年金には十分すぎるほど関心があります。それを管理している年金機構
 の今回の情報漏えい問題は酷いとしか言いようがありません。私はセキュリティの専門家ではありませんが、日本年金機
 構とは「ITのセキュリティに全く無知な組織や職員の集団」にしか思えません。お役所のIT環境については知る由もあり
 ませんが、TVや時々役所を訪ねた時に見る光景ではずいぶん遅れているとしか思われませんでした。昨今では、中小企
 業でもインターネットは必須なアイテムであり、組織としてセキュリティの専門部署が存在し、常に組織として監視していて、
 社員にもインターネットへの接続にはかなりの制約があります。それが、この日本年金機構にはセキュリティの専門部署
 が存在しているのでしょうか?存在していても機能しているのでしょうか?存在していれば年金情報のサーバーと、職員
 がインターネットに接続できるサーバーは別系統になっていて、年金情報のサーバーは絶対にインターネットには接続で
 きない様になっているはずです。いや、たとえ存在していても、機能していなかったので、このような情報漏えい問題が発
 生しているのです。インターネットとは、世界中から誰でも接続が可能で、どのような悪い事でも不可能ではないと言う事
 が解っていないのでしょうね。もう一つ不思議なのは、職員のセキュリティに対する知識が全くないと思われる事です。
 通常は、ウイルスが入れば瞬間にパソコンの動作がおかしくなります。そして、LANで接続されている機器全体に飛び火
 します。従って、ウイルスに感染すれば、もうその時点では対処は遅いのですが、それでもウイルスチェッカーが入ってい
 れば何らかの警告が出ていているはずです。対応に何日もかかっているようでは、ウイルスチェッカーが本当に入ってい
 たのか、職員のITやセキュリティに対する知識が全く無かったとしか思われません。このような組織と職員に、今まで何
 十年も納めてきた年金を預けていると思うと、背筋が寒くなります。しかし、これが誰も責任を取らないお役所仕事なので
 しょうね。もう私の人生は終盤に差し掛かっていますが、これから日本を支える若い人たちのためにも、国民を守る役所
 や、その職員はもっとITやセキュリティに対する知識を持ってほしいものです。
 
 
 
 


(28)H26年11月9日記載分
  今回は予定を少し変更して増税と経済情勢について話してみたいと思います。
 消費税が4月から8%に増税されましたが、現在の経済指標はあまり芳しくありません。政府と日銀はそのうち良くなると
 言っていましたが、その気配はありません。それは庶民の給料は上がっていないのに、増税と便乗値上げで我々庶民には
 かなりの痛手になっているからです。5%の税込み価格に慣れていたせいか、あまり気にしていませんでしたが、8%にな
 り税別価格で表示されて、戸惑った上に、さらにその税別価格がそれまでの5%時の税込み価格になっている店もあり、総
 じて商品価格が約1割アップになったと感じています。マスコミや政府は円安のせいもあると言いますが、円安は2007年
 当時に戻っただけです。従って、我々庶民は財布のひもを固く締め、出来るだけ安いところを探して、買い物を控えるよう
 になってきたのは当然だと思います。
 それがさらに10%に増税されると、庶民はどのような行動をとるか政治家や官僚は理解できないのでしょうか?私も含め
 て年金世代の者は、決して高い物は買わなくなると思います。その上、さらに相続増税、燃費増税など、取れるとこはどこ
 からでも取ろうとしています。昔の代官と悪徳商人が「おまえも悪よのう」言いながら、庶民が爪に火をともしながら稼いだ
 お金を巻き上げていましたが、今もそのようになっているのではないでしょうか?政治家と言う種族は国も地方もやりたい
 放題で、自分たちの身を切ることは決してしないで、庶民からお金を巻き上げる事しか考えていません。その代表が消費
 増税ですが、原発も一例です。正確には原発は火力や水力に比べて最も高くつく発電方式ですが、稼働率や送電コスト等、
 コスト計算を都合のよい方にすり替えて、原発が最も安い発電方法と言い、莫大な税金を電力会社や関係法人にばらまい
 て来ました。これはその一例に過ぎず、多くのところで税金の無駄遣いがあります。そのうえ、諸外国に比べて多い代議士
 たちに一人当たり年間1億円も払っています。それらは我々が爪に火をともして稼いだお金の一部です。当然、私も国民で
 すから納税の義務は理解していますが、最近の政治家の国民をだますやり方には敬服(?)しています。
 国の財政の健全化には、まず政治家から率先して身を削り、小さい政府にして無駄をなくすることと、産業を振興する政策
 によりGNPを向上させ、その結果として、納税額多くする事ではないでしょうか?
 今の政府の、まず増税で財政を健全化しようとする考えは間違っていると思います。
 このままでは、庶民の消費意欲が減退し、消費税増税の効果も少なく、日本の経済はますます困難な方向に進むでしょう。
 なによりも今の政治家は国も地方もお金に汚い人達だとしか思えないのは私だけでしょうか?
 


(27)H26年9月10日記載分
  今日は第3の矢、つまり、日本を再び元気にする方策について、私の考えを話してみたいと思います。
 もちろん、その中には日本の農業の活性化もありますが、私は農家の出身ですが、専門ではないので、農業以外の産業に
 ついて、私の思っていることを述べて見たいと思います。今までの私の経験や、多少、外国にも住んでいたので、日本人と
 外国人との考え方の違いなども考慮してみますと、日本独自の成長戦略とは外国がまねをできないような日本人の特長や、
 日本の国状に合った、すそ野の広い産業を興す事につきると思っています。
 現在の日本で考えられる日本に適した産業の具体例としては、
 1.再生可能自然エネルギー産業
 2.中小型航空機産業
 3.老人の手助けをするロボット産業、等だと思います。
 まず、1番目の再生可能エネルギー産業ですが、これは現在の日本の電力は、日本には殆ど存在しない化石燃料やウラン
 燃料主体で発電していますが、これを日本に永久に存在する再生可能エネルギーで発電しようとすることです。しかも原発
 が他の発電(火力や水力)と比べてコストが低いと発表されているのは数字のごまかし(稼働率や送電コスト等の)であり、
 実際は最も高コストの発電方法なのです。従って、電力コストの面からも、新しい産業を勃発させる面からも最も有望な手
 段です。確かに、日本はすでに50数基の原子力発電所(原発)を設置していますので、一基が5000億円としても25兆円
 以上の投資がなされています。これをすぐにゼロにすると、この25兆円の内、償却されていない莫大な金額が電気料に加
 算れることになりまので、現実的ではありません。
 しかし、一方で最近の日本に起こっている地震や津波、水害などの自然災害を考えると、今後、日本にどのような自然災害
 が起こるか誰も想像がつきません。また原発事故が起こっても、今までの様に、その当事者が想定外の出来事だと言って済
 む事なのでしょうか?また、中東、ロシア、中国等の世界情勢を見ても、今までの様に安定した世界を想定することは難しく
 、非常に不安定な世界になって行くことは確実です。
 このような状況の中で、幸いにも日本には膨大な再生可能自然エネルギーが存在していて、これを活用しない手はないでし
 ょう。すでにドイツではこのような事を想定してか原発ゼロへと大きく舵をきりました。
 日本も国策で再生可能な自然エネルギーの開発に乗り出し、これを日本の一大産業にするべきではないでしょうか?
 (具体的な再生可能自然エネルギーや各発電コストについては、22回、23回に述べましたので参照して下さい。)


(26)H26年5月10日記載分
  今回はアベノミクスの第3の矢についての感想を述べてみます。
 前回に述べましたように、第1の矢は行きすぎた為替を元に戻す金融政策であり、第2の矢は公共事業への緊急財政支出
 でありますが、確かに、これらにより長年低迷していた日本の経済は良い方向に舵を切りつつあります。しかし、最も大切な
 のは第3の矢の成長戦略ですが、政府から聞こえてくるのは経済再生に向けた「チームジャパン」や「国家戦略特区」等、
 抽象的な話ばかりであり、具体的な成長戦略はiPS細胞の再生医療やカジノ等の娯楽施設以外何も聞こえてきません。
 これで本当に政府の言う経済の再建が出来るのでしょうか?5兆円にも及ぶ補助金や公共投資の緊急財政支出をして国債
 を増加させただけにならないでしょうか?日本の成長戦略とはいったい何なのでしょうか?それは日本を元気にし、日本でし
 かできない製品や技術を開発生産することではないのでしょうか?
 原発事故以降、火力発電のLNG輸入が増えたので貿易赤字になったと言われていますが、主要因は日本で生産していた
 輸出する製品が無くなった事です。その代表的な製品の一つにVTRがあります。VTRは精密なメカニズムと繊細なビデオ
 テープの組み合わせであり日本人の最も得意とした匠の世界の製品でしたが、半導体の微細化とデジタル化の進展により
 、情報の保存が磁気テープからメモリーチップに移行しました。その結果、VTR関連の産業は消滅し、メモリーに保存する
 デジタル機器に移行しました。しかし、デジタル機器はこれらは部品さえ調達すれば、世界のどの国でも簡単に生産できる
 ため、人件費の高い日本で生産する必要はありません。
 また、別の理由で輸入が急増した製品があります。それは携帯電話(スマホ)です。
 これは2003年頃までは日本の携帯電話はとても優秀で各国の主要メーカーが製品やカタログを取り寄せて内部を検討す
 るほどでしたが、日本はキャリア主導で、市場を無視し機能重視のガラケイに固守してスマホに乗り遅れ、その結果、現在
 主流のスマホは大部分を輸入に頼る後進国になってしまいました。また、情報革命の担い手であるインターネットの普及率
 でも日本は後進国になっています。
 日本を本当に元気にするには、日本を若返らす事と、日本にしかできない付加価値の高い製品を開発し、若者が生き生きと
 働ける職場を作って、輸出立国にする事です。


 (25)H26年2月9日記載分
  今回は政府の経済対策について少し述べて見たいと思います。
 私のような数年前にリタイアした老人が、とやかく言う事ではないかも知れませんが、一国民として戦後の日本の発展の一
 役を担ってきた人間として最近の経済状況を見て感じている事を述べてみます。
 政府の3本の矢の一本目の為替対策と、二本目の公共事業対策については、色々な評価もありますが、確かに経済が上向
 きな方向に進みつつあると感じています。しかし、この前者の矢はその前の政府と日銀の金融政策があまりにもお粗末であ
 っただけであり、後者の矢は一時しのぎのばらまきであると思います。しかも、この5兆円規模の公共事業対策による国債
 増発のつけは、今後大きくのしかかって来ます。
 従って、3本目の矢が重要であり、これによって本当に日本の経済が立ち直るかどうかにかかって来ると思います。
 しかし、政府の発表では経済特区の創設や、経済再生に向けたチームジャパンなど具体性に欠け精神論になっています。
 「企業の利益を従業員に還元せよ!」との掛け声ですが、一体、どれだけの企業の利益を出しているのでしょうか?
 日本の全企業で考えると数パーセントに満たないほんの一握りの企業しか利益を出せていないことを、官僚や政治家は理
 解しているのでしょうか? 日本の企業がこのようになっている原因の一つは生産業の大半が工場を外国に移してしまい、
 以前、企業城下町と言われていた地方都市が空洞化して、今までの従業員は解雇させています。また残っていても外国の
 企業に対抗するために大半は正社員から非正規社員に移行し、給料は大幅に減少させて国内での生産を成り立たせてい
 るのです。また、海外に出た工場は為替が少し戻ってきたからと言ってすぐに国内に移すことはできません。
 二つ目の原因は日本のお家芸であった産業が少なくなった事です。
 その結果として最近の日本の貿易収支は毎月1兆円を超える赤字になっています。新聞でやTVでは円安のため輸入して
 いる原油やLPGの購入価格が増えているためであると言っていますが、これらの国際価格はそれほど上昇していません。
 為替も2007年頃に比べると決して大幅な円安にはなっていません。(2007年ころは120円前後)
 主要因は日本から輸出するものが少なくなってきたためです。即ち、今まで日本で生産して輸出していた製品が海外の工
 場に移されたり、輸出する製品そのものが無くなってきたためです。
 
 次回は第3の矢について私の感想を述べて見たいと思います。
 


 (24)H25年12月8日記載分
  10月1日に安倍総理が消費税を来年4月から8%に上げる事を表明しました。
 これは安倍総理にとって大きな分かれ道になると思います。
 一つは、デフレを脱却して、かつ、財政を健全化した「歴史に残る名総理」になるか、もう一つは、民衆の税金は上げ、大
 企業の税金は下げて、消費を低下させ、やっと立ち直りかけた日本の経済を腰折れさせる「悪代官」になるか、であります。
 当然、国民としては前者の「歴史に残る名総理」になって欲しいと思いますが、今の日本では消費税を上げて消費を低下さ
 せない対策は大変難しい政策になります。
 総理は経済成長と財政健全化は両立すると言いましたが、消費税を3パーセント上げると、普通の家庭では7万円から9万
 円の支出増になります。これは、毎年、収入が下がっている現状の普通の家庭ではかなりきつい金額です。
 これを、企業の税金を下げてその分を賃金に回そうとの考え方ですが、企業の税金を下げても、現状の体制では企業は賃
 金を増やすことはあり(でき)ません。
 理由は簡単で、一つは、税金を納めている企業は上場企業でさえ3割程度であり、その上場企業は日本全体の1%以下で
 すので、大企業より苦しい中小企業も入れた日本の全企業では数%程度になります。したがって、企業の税金を下げても
 恩恵にあずかるのは数%の企業の従業員でしかなく、ほとんどの企業の従業員の賃金は上がる可能性はありません。
 二つ目に、日本に企業の体質は世界の一流企業の体質に比べると、まだまだ低いレベルにあり、世界の企業と戦っている
 企業経営者は利益が上がっても分配率を上げるのではなく、体質改善に力を入れるでしょう。
 三つ目には、その企業体質を高めることが出来るのは、今の日本の企業の業種ではほんの一握りの業種しかありません。
 すなわち、付加価値の高い、世界で日本しかできない業種をさらに育てない限り賃金は上がらないのです。
 それが以前は出来ていましたが、昨今の日本では出来なくなっています。
 今の日本は為替が円安になる分、一部の企業の輸出増や海外子会社からの為替差益にしか頼れなくなっています。
 それらの企業は円安の利益増を一時金や残業代での対応し、本質的な賃金の増加には疑問があります。
 
 次回は経済対策について深掘りしてみたいと思います。
 
 


 (23)H25年9月8日記載分
  今回は原子力発電(原発)のコストについて話してみたいと思います。
 現在、公表されている各種燃料の発電コスト(1KWh)は原子力5.3円、石炭5.7円、LNG6.2円、石油10.7円、水力
 11.9円で、原子力発電は最も安いと言われてきましたが、これには多くの仮定や、算入されていない費用があることが解
 りました。(水力が最も高いのも不思議でしたが・・・・)
 まず、仮定の一つは稼働率です。原子力は83%、石炭、LNG、石油等の火力は40%、水力に至っては20%で計算され
 ています。この理由は、原子力は一度臨界に達すると細かい調整が困難であり、火力は都市部に設置されて原子力の補間
 の役割であり、水力はどうしても必要な時の電力原として扱われているためです。これを火力の稼働率40%に合わせると、
 原子力10.7円、火力7.95円、水力3.9円となり、これだけでも原子力発電が火力や水力に比べて高価になります。
 次に、原価計算に入っている送電費用についてですが、火力は都市部にありますが、原発は遠隔地に立地しています。
 (水力は現在少量なので、ここでは割愛させていただきます。)送電設備は電力会社の固定資産の中で3分の1を占める莫
 大な資産でありながら、1KWh当たりの送電コストには均一に算入されています。これを、距離を考慮した送電コストを比較
 すると火力1.1円、原子力2.3円になり、原子力が火力より1.2円も高価になります。
 原子力発電には火力や水力には無い特殊な費用がかかっています。その一つは加工中等核燃料と日本原発等への出資
 金であり、これらの費用の長期借入金の利息を1KWh当たりに直すと0.2円になります。もう一つは国が原子力関連の予算
 を約3200億円計上していますが、これらを原発コストに含めると1KWh当たりさらに1.5円UPになります。
 これらを設備稼働率40%で計算し直すと原子力13.54円、火力7.95円、水力3.85円となり、これらだけでも原子力は
 非常に高いコストがかかる発電なのです。
 しかも、この上に今まで想定していなかった福島原発の放射能の汚染除去費用やその他の賠償、廃炉費用等(政府試算5
 兆円、民間試算20兆円)を考慮すると、いくらになるか想定もつきません。
 その上、放射能廃棄物の処理方法についてはまったく目処が立っていません。こんな馬鹿げた発電を、我々は「原子力は安
 い。」という言葉で、長年、政府、族議員や原子力村に騙されてきました。
 資源が無いと言われて来たわが国でも、今までと異なる考え方では無尽蔵の資源がある事も解りました。(前回に解説。)
 償却の問題があるので、今すぐ原発を止めるわけにはゆきませんが、将来を見据えた新電力開発が必須と思います。
 


 (22)H25年3月10日記載分
  今回は日本の自然エネルギーの賦存量と利用可能量について述べて見たいと思います。
 賦存量については各種の統計がなされていますので、公式に発表されている数字を使用しますが、利用可能量について
 は色々な意見があり、必ずしも一致した数字ではない事を予めことわっておきます。
 まず、太陽光と太陽熱の賦存量は533x10^3TWHと1918x10^3PJと言う莫大な数字のエネルギーが存在しますが、
 太陽光エネルギーの利用可能量は300TWHと0.1%であり、太陽熱に至っては50PJと0.01%であります。
 これでは太陽光発電と言っても利用可能量を全部発電しても、日本の年間発電量1787TWH(204x24x365)の16%
 にしかなりません。また、太陽熱の50PJを発電量に変換すると139TWHですが、熱を電力に変換するのは太陽光発電の
 ように簡単な設備ではなく、効率もあまりよくありません。
 次に、風力を見ますと、賦存量は陸上で1392GW、洋上で7727GWであり、騒音での問題はある陸上より、環境に殆ど
 問題の無い洋上の方がはるかに多い賦存量を有しています。これは日本が周囲を海に囲まれた国であるからです。
 この洋上風力発電の利用可能量は年間732TWHもあります。これに陸上の利用可能な風力発電140TWHを加算すれば
 日本の必要発電量の半分近くをまかなえる事になります。(利用率1.1〜1.2%)もう一つ日本の特長である地熱発電に
 ついては、賦存量が23470MWで世界有数の地熱大国ですが、現在利用されているのは2.3%の535MWにすぎません。
 これを25%程度まで引き上げると5.5GWとなり年間48TWH、すなわち、原発5基分の電力を創出させる事が出来
 ます。
 その他に日本独特の潮力や波力の自然エネルギーの賦存量も60GWと膨大な量があります。これらの利用可能量は100
 TWHと言われていていますので、これらでは日本の全原発の発電量と同等になります。(利用率は潮力5%と波力27%)
 日本の現状の技術で計画的に実現可能な利用可能エネルギー分だけでも日本の必要総電力の60%以上は賄える計算に
 なります。他にも海洋温度差発電やバイオマス発電などの自然エネルギーによる発電があり、これらは自然エネルギー
 ですから環境を汚染する事もなく、その資源も太陽や月や地球が存在する限り無尽蔵にあります。
 資源の無い日本と言われていたのは古い技術(化石燃料)での話であり、これからの新しい技術で考えると日本には莫大な
 資源があります。
 これらを活用してこそ日本の将来があるのではないでしょうか?
 


 (22)H25年2月12日記載分
  今回は日本の自然エネルギーについて話をしてみたいと思います。
 福島原発が爆発して以来、今後の日本のエネルギーについては、原発廃止や卒原発など原子力発電をやめる話のみ先行
 していますが、原発を削減するにしても、将来のエネルギーをどうするか、また、それまでの過程をどうするか、の話
 がなされていません。
 原子力は1KWあたり5〜6円で最も安いとされていますが、今回の原発事故や将来も発生する可能性のある事故を考
 えると処理費用は数100兆円になると思われ、このような安価なコストで出来るはずがありません。自然災害の多い
 日本では危険が明確になった原子力発電から次のエネルギー源に切り替えるにしても、その将来に姿を明確にして、道
 筋を立てて確実に開発推進する必要があります。
 一部の人達が言っているように、自然エネルギーに変換するとしても、まず日本に存在する全エネルギー資源を整理す
 る必要があるのではないでしょうか?今まで日本には化石エネルギーも含めてエネルギーの資源は殆ど存在しないと言
 われてきましたが、実は化石エネルギーも自然エネルギーもかなり豊富に存在していることが解って来ました。
 今日は日本の自然エネルギー資源について考えて見たいと思います。
 今までは、日本の自然エネルギーの資源としては、太陽光のみ大きく取り上げられてきました。しかし、そのほかに、
 太陽熱、風力(地上、海上)、地熱、潮力、波力、水力、バイオマス等、多くの資源が存在します。その中には世界有
 数の賦存量を誇る自然エネルギー資源もありますが、これらは今まであまり顧みられずに来ています。これら日本に存
 在する全ての資源を、今までのしがらみや権益に捉われることなく、公平にその賦存量と利用可能量を検討して、その
 なかで有望なものを将来の日本のエネルギー減として開発推進して行く必要があるのではないでしょうか?
 
 次回は自然エネルギーの賦存量と利用可能量について述べてみます。


 (21)H24年12月2日記載分
  今回は日本の家電業界の衰退について述べてみたいと思います。
 世界に代表されていた日本の家電企業のソニー、パナソニック、シャープの3社がそろって巨大な赤字を出す状況にな
 りました。
 私はたまたまこの3社に中の1社に勤めていて、定年後に韓国の会社に勤務しましたので、日本の家電業界の会社と韓
 国の電気業界の会社の違いを述べて見たいと思っています。
 まず、感じるのは早さと大胆さと外向き指向とが大きく違っています。早さは、決断の速さと、行動の速さです。
 昨今はデジタル時代への遷移と相まって、スピードが勝負を決する時代になりました。市場が要求している商品をいか
 に早く製品化できるかが勝ち残る要因になっています。そのためには、当然、何が市場で要望されているかを見つける
 市場調査力と商品企画力が大切になって来ます。そして、市場が求める商品を早く商品化するためには、今までの開発
 手法を大きく変えねばなりません。すでに韓国の会社では1から自社で開発設計するのでなく、外部の力も含めて、
 どうすれば一日でも早く開発設計して商品化するかを大胆に進めています。それに対する日本の企業ではISO9000に縛
 られているのではないでしょうが、今までの順序立った開発手法から抜け出ていない様に思われます。
 韓国の企業はまったく新しい商品を出せているのではありません。世界の市場がどの商品を欲しがっているかを見つけ
 て、あらゆる手段でその商品を最短時間で開発し、全世界に販売しているのです。
 確かに日本の企業が苦境になっている原因には為替の問題もありますが、それだけではなく、特に家電メーカーは、今
 の時代についていけない体質になっているのではないでしょうか?


 (20)H24年10月7日記載分
  今回は少し予定を変更して国と国との関係について述べてみたいと思います。
 それは私には専門的な知識のない事柄でありますが、最近、我が国は外国の国々とあまり良い関係になっていません。
 そこで私が感じている国と国の関係について話してみたいと思います。
 以前にも話をしましたように、私は定年後に外国の会社に勤めていましたので、国と国の関係も一般の方々に比べると
 シリアスな感覚を持たざるをえませんでした。
 当時も、私が赴任していた国ともあまり良い関係では有りませんでしたが、さらに最近では国境の問題が大きくなり、
 ついにはMailの交換にも支障をきたすようになっています。確かに、国と国の間では、長い歴史の経緯があり、戦争以
 外には明確に決着のつかない問題が多々あります。これらを、平和的にうまく処理し、将来を見据えてお互いの平和と
 繁栄を守るのが国の仕事(外交)ではないでしょうか?しかしながら現在の日本も含めて各国の政治家も官僚も、その
 機能を果たしていません。これでは国と国とが衝突するのは当たり前であり、この事はお互いに不幸の要因にしかなり
 ません。私は外交の知識は全く持ち合わせていませんが、私が外国で暮らして心がけていた事を話してみます。
 まず、第一に、お互いに尊重しあう事が大切だと思います。国と国の間は長い歴史がありますが、特に文化面では多大
 な影響を受けて、その上にお互いが発展してきたはずです。その事を考えればお互いが尊重しあえます。
 もう一つは、各国にはそれぞれの国民性(考え方)がある事を理解せねばなりません。日本では当然と思われる事でも、
 他の国では特異な事も多々あります。それらを理解するにはやはり数年間、彼らと一緒に生活しないと理解できないと
 思います。当然、経験のない政治家には無理でしょうが、そのために専門の外務省があり、彼らが十分にその事を理解
 して政治家に助言せねばなりません。しかし、現状では外務省もこの機能も果たせなくなっている様に思われます。
 これらを理解した上で、今出来ることと出来ない事をお互いが理解し、話し合ってこそ、国と国の間の友好が保たれる
 のではないでしょうか?


 (19)H24年8月5日記載分
  今回は余りにも酷い日本の政治について述べて見たいと思います。
 今までも日本の政治は3流であるとよく言われていましたが、最近の政治は目を覆うばかりの惨状です。以前にもお話し
 しましたが、世界に羽ばたく産業技術は政府の方針と深い関係があります。しかしながら、今の政府を見ると何か新しい
 産業を創出する方針らしきものは何も出ず、このままでは日本は沈没するのではないでしょうか?
 このように感じているのは私だけではないと思います。
 私は最近の政治家を少し厳しい表現ですが、以下の様に感じています。
 1.政治家とは嘘を言う人種である。
 「嘘を言う事は泥棒の始まり」と親や先生から教えられてきた私達世代の人々は、今の政治家が平気で嘘を言っているの
 には驚きを隠せません。政治家にとって公約とは何なのでしょうか?政治家は当選するためには何を言っても良いとしか
 考えていない人々の集まりなのでしょうか? 信念を貫く政治家がなぜ現れないのでしょうか?最近の政治家は誰も国民
 をばかにしているとしか思えません。また、このような政治家を選出した私たちにも責任の一端があります。
 2.政治家とは能力は無いが権力欲の塊の集団である。
 昨今の政治家の言動にはあきれてものが言えない事例が多過ぎます。すなわち、するべき事をしないで、しなくても良い
 事をしているのです。卑近な例では、福島の原発事故時の対応でも、専門的な知識のない首相や大臣が間違った事を口
 走り、必要な処置をせず被害を大きくしてしまいました。一方、政治家としてやらねばならない事には何の方針も出されて
 いません。これは原発の事だけでなく、エネルギー政策を見ても官僚も含めて首をかしげる事ばかりです。また、今後の日
 本を支える産業に環境と医療を上げていますが、これらは、以前の電気産業や現状の自動車産業の様に多くの雇用を生
 み出す世界に冠たる産業になるのでしょうか? また、日本の衰退の要員の一つになっている少子化対策にも、これと
 いった効果のある対策はなされず、政変に明け暮れています。また、これらを補佐すべき官僚たちも、金勘定だけにたけ、
 日本を動かす気概も能力もなくなっているのが現状ではないでしょうか?


 (18)H24年7月7日記載分
  今回は少し話を変えて、企業の信用についてお話したいと思います。
 私は昨年の11月に三越のカタログギフトをいただく機会がありました。
 たまたま、私の家の自転車が壊れて廃棄処分にしていたので、リアサスペンションの自転車を指定して三越に回答しま
 した。ところが運悪く品切れになっていて、2月まで待ってほしいとの返事か来て、2月まで待っていたところ、指定してい
 た自転車のメーカーが倒産したので、他の機種で色も異なる自転車を送りたいとの1枚の通知が来ました。
 私はどのような自転車が来るのか解らない状態では了解できないので、三越のお客様相談室にMailで経過の説明と、な
 ぜカタログに載っている商品が無いのか?今後どうしてくれるのか?三越の信用はどこに行ったのか?の回答を求めま
 した。すぐに三越の担当者から電話がかかってきて、謝罪とすぐに別のカタログを送るので、その中で選んでほしいとの
 ことでした。
 1週間ほどしてカタログが来たので、その中で元要望していた機種に良く似た、リアサスペンションの自転車を指定して
 回答しました。そして、翌週にやっと自転車が配達されましたが、その段ボールに別の機種の品番が印刷されていたの
 で、不思議に思いながら開けてみると、やはり、別の機種の自転車が入っていました。また担当者に電話をかけると、大
 変恐縮して、すぐに送り直すとのことでした。そうして、やっと最初の注文から4ヵ月後に色は別として希望の機種に近い
 自転車が手元に届きました。
 三越は日本のデパートの中でも最も信用のある会社と思っていましたが、三越でさえ、このような状況である事は、日本
 の会社全体の信用が失墜しているではないでしょうか?
 私は退職するまである電気機器の製造会社に勤めていましたが、会社で最も大切なことは信用であると教わって来まし
 た。それがなぜ日本の代表的な会社でこのような事が起きるのでしょうか?


 (17)H24年5月6日記載分
  まず、自然エネルギーの分野についてお話します。
 自然エネルギーには大きく分けて2つに分類されます。その一つは太陽光や風力、波力など気象条件に左右される自然
 エネルギーです。もう一つは地熱や潮力などの気象条件に左右されない安定な自然エネルギーです。
 これらはどちらも、今の日本が必要とする技術であることは皆が認識している所です。日本には資源がないとよく言われ
 ますが、世界有数の大きな資源も有ります。太陽光や風力は必ずしも世界有数ではありません。しかし、日本には火山の
 多い国の特長である地熱と、海に囲まれ複雑な海岸線を持つ独特の地形の産物である潮力は世界有数の資源であります。
 (また、化石エネルギーですが、メタンハイドレードも日本の近海には多く存在しています。)これらの自然エネルギー
 は地下のマグマや月の引力が源ですので、季節や天候に関係なく一定で莫大なエネルギーが常に存在していますが、今の
 日本ではそれらを殆ど利用されていません。例えば、ある機関の論文(大島商船高等専門学校、大畠瀬戸の潮流発電に関
 する研究、第39号)によれば、潮流エネルギーは年間2190億KWHあり、これは5500万世帯分の消費電力に相当しま
 す。すなわち、潮流エネルギーだけで日本の家庭の全世帯の電力を賄えるほどのエネルギーなのです。
 しかもこの潮流エネルギーの大半は瀬戸内海に集中しています。この瀬戸内海の潮流を利用すれば莫大な発電が出来ま
 すが、瀬戸内海は多くの船舶の航路であり、またここで漁業をされている人々も多く居られます。そこで、船舶の航路には
 水路(運河)を建設し、漁業に対しては養殖で付加価値の高い魚を育てて出荷する方策も可能です。瀬戸内海に水路(運
 河)を作り、潮力発電の基地と、魚の養殖の基地にすれば、潮力発電で日本の必要な電気エネルギーの大半と、養殖で日
 本の消費する大半の水産物を生産加工する産業のプロジェクトと水路の建設で、大きな雇用を生むと同時に、海外からの
 輸入に頼っていたエネルギーと食糧のかなりに部分をまかなえるように出来ると思います。
 今の日本には、このような巨大な新時代のピラミッド建設が必要ではないでしょうか?


 (16)H24年3月3日記載分
  今日は新時代のピラミッドについて述べて見たいと思います。
 皆様もご承知の通り、エジプトにある大ピラミッドは紀元前2400年頃に当時の最高の技術を駆使して建設されたもので
 すが、一説によると農閑期の失業対策でもあったと言われています。
 新時代のピラミッドはこのような石の巨大な建造物を意味するのもではありません。
 現在の最高の技術を導入して、将来の日本の発展に役立つ巨大なプロジェクトであり、かつ、多くの雇用を生み出せる事
 業を意味しています。現在の将来にもつながる最高の技術とは何でしょうか?
 原子力はまだ開発途上、しかも、よちよち歩きの技術です。起動することは簡単でも、停止することが難しく(瞬時に停止
 する方法が無い)、また、燃えカスの核廃棄物の処理方法も確立しない段階ではリスクが大きく、現状では東大を中心に
 した原子力村と言う白アリのたかる未完成の技術と言わねばなりません。
 それではIT技術や生化学の分野でしょうか?これらも有望な技術分野である事は間違いありませんが、今までの電気産
 業や、現状の自動車産業のように、多くの雇用を生むすそ野の広い産業になるでしょうか?米国のApple社を見ても雇用
 のほとんどは中国のセット企業であり、米国内に利益はもたらしていますが、雇用を増やす産業にはなっていません。
 日本人の資質に合っていて、日本の雇用を増やし、将来有望な産業として、自然エネルギーの分野と航空宇宙産業の分
 野が有望であると、私は思います。
 自然エネルギーと言っても、不安定な太陽光発電や風力発電の事ではありません。日本の特長を生かし、安定的に電力
 を発電できる自然エネルギーです。
 


 (15)H24年1月9日記載分
  今回は産業のパラダイムとその対応策についてお話ししてみます。
 今までに確立した技術が永遠に続くのであれば、それでも問題ありませんが、何度もお話しましたように製品にも技術に
 も寿命があります。即ち、産業にもパラダイムがあることです。従って、このパラダイムに合わせて、次世代の産業の種を
 まき育てて行かねばなりません。そして、これらの種が実を結ぶには10年から20年の月日が必要であることは、私の関係
 していた事業からも明白です。そしてその後の20年では、さらに次の世代の技術に移り変わって行きます。
 たまたま私が携わっていた電子カメラの技術も研究を開始して10年余りはほとんど成果が出ず、学会でいつも同じメンバ
 が顔を合わせていました。それでも、当時の日本の企業は電子カメラ技術の将来を信じて研究を続けさせてくれました。
 その結果が今日のデジタルカメラ産業の成功につながっています。
 国(政府)も仕分けと称して目先のことのみの効率化に注目しています。
 また、現状の日本を見ると製造業が海外に出て行かざるを得なかったせいもありますが、若者たちの就職先さえなくなっ
 てきています。この問題は特に深刻です。大学を卒業しても希望の持てる仕事に就けないことは、若者自身の生活の問題
 もありますが、同時に日本の活力にも大きく影響します。
 今こそ、10年20年先を見据えた研究開発と同時に、若者たちに希望の持てる仕事を作ることが必要ではないでしょうか?
 今の日本はこの2つの大きな問題を同時に解決せねばなりません。
 


 (14)H23年11月8日記載分
  以前にお話ししましたように、私は定年退職後に韓国の会社で仕事をしていました。その会社には多くの外国人が働いて
 いて、当然、日本人も多くいました。その中で、日本の超一流大学を出て超一流企業の研究所から来た一人の若い技術者
 と話をする機会がありました。彼が韓国に来た理由は、元の会社では自分のやりたい研究ができなくなり、ここでは何でも
 好きな研究が出来るからだそうです。日本の企業はバブルがはじけた以降は長期の研究は切り捨てて短期で成果の上が
 ることに集中しました。その結果、たしかに企業の実績が上がりつつあります。しかし、将来への大変大きな犠牲を払った
 ことも事実です。企業が長期の研究を縮小せざるを得ない時に、なぜ国がそれを補完できないのでしょうか?
 その結果、外国に出て行かざるを得ない若い優秀な研究者が多数出てきました。
 このように、バブル以降の日本の企業は長期の研究をする余裕が無くなってきましたが、国も仕分けと称して目先のこと
 にのみに注目しています。
 その結果、今までの元気な日本の企業は外国ではできない商品を作って来ましたが、今日の日本の企業が生産する商品
 は、外国の企業が生産する商品と、ほとんど変わらなくなってきました。日本は外国と同じことをしていては、コストの上で
 も、政策的なことでも太刀打ちでないことは皆様も御承知のとおりです。
 当然、(政治家と異なり)経営者はそのことを十分に解っていますので、ほとんどの製品は外国で生産せざるをえなくなり、
 国内の工場は閉鎖し、関連部品を製造していた中小企業は仕事が無くなってきています。
 このままでは日本は衰退の一途をたどるだけではないでしょうか?
 日本は外国の出来ないものを、常に開発し続ける以外に外国に勝てる方法はありません。
 


 (13)H23年6月15日記載分
  今日は次世代の産業を育成するのに国の役割がいかに大切かを、お話ししてみます。
 これまでお話ししてきましたように、私は関西のある電機メーカーに入社以来ほとんどを電子カメラの開発に携わって来ました。
 今でこそ、電子カメラの代表であるビデオカメラやデジタルカメラは日本企業が世界の市場を席巻していますが、その理由の一
 つに国(政府)の方針や援助が大きかったことは一般にはほとんど知られていません。
 以前にもお話ししましたようにCCDは1970年に米国で発明されました。
 これはそれまでの真空管である撮像管に代わって半導体の撮像素子が発明されたことを意味しますが、米国ではなかなか実
 用になる撮像素子は製造できませんでした。
 それを日本のメーカーは家庭用のVTRの入力機器であるビデオカメラ用として、ソニーと松下、東芝、NEC等はCCDを、日立は
 CIS(CMOSセンサー)の開発を進めました。
 しかし、半導体としては今までにない大きさのチップで欠陥を皆無にすることは容易なことでななく、政府(当時の通産省)の補
 助金なくしては、その開発は進みませんでした。
 この補助金と各社の大変な努力の結果、性能的には実用になるCCDの開発に成功しました。しかし、次の問題はコストです。
 イメージセンサーはチップサイズが大きく、1ウエハーからの取れ数が少ないうえに、通常の半導体に比べて歩留りが低く、C
 CDを採用すると、とても採算のある商品にはなりませんでした。(当時の撮像管に比べCCDは3倍から5倍のコストでした。)
 その時、助けになったのが当時の物品税の軽減でした。当時の電気製品は15%の物品税がかかっていましたが、政府の方
 針で撮像素子を採用したビデオカメラはそれが大幅に(記憶では7%だったと思いますが)軽減されました。これにより、全体
 のコストが低減でき、撮像管から固体の撮像素子にあっという間に移行し、その後の日本の撮像関連の技術と産業の進展は
 世界を席巻して行きました。
 これは一例にすぎませんが、一つの技術の革新的な遷移が世界を席巻する産業に育つのに、国の方針が大きな原動力にな
 ることを、身をもって感じました。


 (12)H23年5月10日記載分
  もう一回、予定を変更して福島原発事故について述べてみます。
 人類は20世紀に原子力と言う、第3の火を手に入れました。 しかし、この火は第1、第2の火に比べて点火すると莫大な
 エネルギーを発生してくれますが、消火することが難しい扱いにくい火でした。 今回の福島原発の事故は御用学者や権益
 に群がる官僚、議員、東電、ゼネコン等が長所のみを強調し、困難な問題点を覆い隠して来た結果です。 何度も言います
 が、原発1基の1日に発生するエネルギーでさえ、広島に落とされた原爆4発分のエネルギーを発生するものなのです。
 この莫大なエネルギーを発生する原子力の火を消すことのできない人達は原子力を利用する資格があるのでしょうか?
 残念ながら今日の世界では原子力は必要でしょうが、必要最低限で、かつ、原子力を利用する資格のある人達のみが取り
 扱うべきではないでしょうか?
 この福島原発事故で被災した、何の落ち度もない多くの人々への対応には、人ごとながら大変不満を持っています。
 残念ながら、相当な期間がたたねば、元の地に帰り、元の生活に戻ることは不可能と思われます。東電と政府は莫大な金額
 になるでしょうが、補償金さえ払えば済むと思っているのでしょうか? また周辺の市町村も、ただでさえ過疎化と高齢化が進
 んでいますが、さらに寂れて行くのは確実と思われます。
 そこで、私はこのようなことには素人ですが提案があります。
 1つ目は被災地の近くの安全なところに、被災者住宅を建てて新しい街を作り、そこで原発が鎮まるのを待ってもらうのです。
 そうすると、被災者がばらばらにならずに、また周辺の町村も人口が増えて、過疎化高齢化の防止になり活気も出るのではな
 いでしょうか。
 2つ目はちょうど良い機会ですから、東京の一極集中を是正して政府の一部の機能を福島に移動させることです。新幹線が通
 り、INETも発達した今日では何も東京に集中している必要性はありません。
 特に、政府の情報機能などを移転させても業務にはほとんど差し支えは無いでしょう。


(11)H23年4月11日記載分
  今回も予定を変更して福島原発事故についてもう少し述べてみます。
 この原発事故に関しては私も大変関心を持っていて、新聞やTVで報道される記事や、Internetに書かれている関連のWeb
 を注意して見ていますが、どうも納得がいきません。政府も原子力安全委員(保安院も含む)も東電も本当の事を言っていな
 いような気がしています。
 日本は世界で唯一の原爆被害国であり、原子力や放射能の恐ろしさは最も良く知っている国です。それなのに、日本には原
 子力の恐ろしく巨大な力を知って、かつ、それを制御する技術的な細部まで理解している人がいないのでしょうか?
 当然、政府は技術的には無知でしょうが、何を根拠にしてか「たいしたことない大丈夫だ」と言い続け、東電は原子力の巨大
 なパワーの恐ろしさも知らず、それを制御する技術的な操作を全く放棄し、原子力安全委員(保安院も含む)は現場も良く見
 ず、原子力ありきの東電のスポークスマンか評論家であるとしか見えません。
 4月8日の日経新聞に記載された上記3者の対応経過を見れば、それを如実に示しています。これらの人達は原発のパワー
 (発熱量)の巨大さをどれだけ理解しているのでしょうか?
 実に、福島第1原発1基が1日間発熱する熱量は広島原爆3〜4発分の熱量に相当します。原発とはこのように恐ろしいほど
 の巨大なパワー(熱量)を出す物なのです。それが緊急停止しても崩壊熱は残り、制御できなくなったら、どうなるかを考えて
 も恐ろしくなります。少なくとも東電と原子力安全委員(保安院も含む)はTVでの会見を見る限り、この事を意識しているとは
 思えません。その結果、福島第1原発では原発停止後の制御(冷却)が出来ず、水素爆発して放射能をまき散らせざるを得
 なくなっています。政府も原子力安全委員(保安院も含む)も、その濃度は低いので「問題ない」と言いていますが、当然のこ
 とながら、そのまき散らしている放射能の積算量は莫大な量になろうとしています。
 残念ながら、それが、今、日本で起こっているのです。


(10)H23年3月27日記載分
  今回は予定を変更して、東北関東大震災について述べたいと思います。
 さる3月11日に三陸沖でM9の巨大地震が起き、東北関東一帯の広い地域に大きな被害が発生しています。
 亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された多くの方々にお見舞いを申し上げます。そして、皆様の
 ご健康と一日も早いご復旧を心よりお祈りいたします。
 私も阪神大震災の時に、息子が神戸に居ましたので、震災に遭われた方の心痛は慮れます。今回の東北関東大震災は
 広範囲に亘っていることと、巨大な津波が押し寄せてきたことにより、特に大きな被害をもたらしたものと思われます。
 その中で、特に次の2点が大変気になりました。
 第1点目は津波の恐ろしさと今後の対策です。
 私は津波の恐ろしさを初めて画面ではあるが身近に見ました。人ではとても持ち上げることができない自動車や船を紙の
 模型のように、動くとは思えない家でさえも簡単に押し流して行く恐ろしい津波の力を見て、自然の力の巨大さに恐怖を
 感じました。残念ですが、いままで地震や津波に遭遇した地域では、必ずまた来ます。現状が大変であることは解ってい
 ますが、将来に向けて知恵を絞って方策を出すことも必要です。これは衆知を集めて対応すれば必ず出来て、これこそが
 日本人の特長です。
 第2点目は原発事故の対応のまずさです。
 今回の福島第1原発の事故の半分以上は人災だと思います。この原子力発電所は効率も考えると1基の原子炉で200
 万KW程度の発熱をしています。それを急停止させ、1%の余熱(崩壊熱)であったとして、まだ2万KWの熱を発生して
 います。これが一カ所にあり、冷却設備がなくなったらどうなるかは素人でも想像がつくことです。原子力安全委員の斑目
 委員長と菅首相が現地をヘリで視察して「大丈夫で安全です。」と言いましたが、海側にある補助設備は大被害を受けて
 いることは明白であり、冷却無しではこの膨大な余熱で不測の事態が起こることが解らなかったのでしょうか?
 案の定、水素爆発が起きて原子炉の建屋が崩壊しました。政府も原子力安全委員も東電も、それでも安全だと言い続け
 ましたが、物を組み立てた経験がある人であれば、この建屋の崩壊具合を見て、たとえ炉心は壊れなくても付帯設備は使
 い物にならなくなり、この原発は廃炉にせねばならないことはすぐに解ります。
 「まだらめ」さんは「でたらめ」を言いっているのではないでしょうか?今回の政府、原子力安全委員、東電の対応は後手、
 後手に回っていて、多くの人々に不安を与え、被害を拡大しているようにしか思えません。


(9)H23年2月14日記載分
  もう一つ、日本人の資質に合い、すそ野の広い産業と思われる航空機産業について述べてみます。
 ただし、私はこの分野は専門ではありませんので、私の個人的な意見でしかありません。しかし、この航空機産業の分野
 は日本人に資質に最も合っていて、しかも産業のすそ野も広く、将来的にもまだまだ有望な分野と思います。
 これこそ日本が世界を相手にした日本人に最適な基幹産業になるのではないでしょうか?
 また、この狭い日本にも大小合わせて102カ所の空港があり、国内輸送でも今後のLLCを考えると、世界的にも高額な料
 金で悪評なJRの鉄道輸送に対して、安価で有望な高速交通手段になるでしょう。
 ご承知の通り、日本の航空機産業は、戦前は戦闘機から輸送機、長距離爆撃機まで多くの世界に誇る優秀な飛行機が開
 発製造してきました。しかし、第2次大戦後はGHQの方針でYS-11以外の航空機産業は、ほとんどが米国のライセンス製造
 で航空自衛隊の戦闘機を製造修理する程度でしたが、近年やっと、細々とではあるが、三菱重工業のMU2、ホンダの小型
 Jet、そして新聞等を賑わしている開発中のMRJが、今まで培われて来た航空機技術を発揮されようとしています。
 航空機は最先端の技術と、数百万個の高信頼性の部品との大型精密システム機器商品です。これこそ細部まで綿密に計
 画通り仕上げる日本人の資質に合い、外国に負けない優秀な機器を作れる産業分野であると思います。
 現在、旅客航空機は米国Boeingや欧州のエアバスの独占場と思われますが、ブラジルやカナダでも中型の航空機を製造し
 います。日本でも良く故障をすることで有名なボンバルディアはカナダの航空機メーカーの中型旅客機です。
 私も田舎に帰るのに前述のYS11にはよく乗りましたが、一度も故障に出会ったことはありませんでした。これも日本人の資
 質に合った航空機ならではの結果であったものと思っています。また、良く知られている様にBoeingの部品の多くは日本の
 メーカーが生産しています。国が航空機産業を方針として育成するとBoeingやエアバスに劣らない航空機を開発製造できる
 のではないでしょうか?そのためには、開発製造以外の販売や保守サービス分野でも、もっともっと国が援助して航空機産
 業を日本が牽引する、すそ野の広い産業に育成すべきではないでしょうか?
 最近、話題になっているロケットは航空機以上に精密で複雑な機器でありますが、官民が協力して素晴らしい成果を上げて
 いるのは、それを証明していると思います。


(8)H23年1月15日記載分
 もう一つのロボットの民生応用として、教育ロボットは現在の日本の教育境界に大きな役目を果たすと思います。
 現状の日本の学生のレベルが世界の学生のレベルに比べて劣ってきたことは、新聞等でも書かれているとおりです。
 この原因は国のゆとり教育と称した教育方針にもあるでしょうが、一方では一部の学校が荒廃して教育をする環境にな
 らなくなっているのではないでしょうか? それは教師の資質の低下にもあるでしょうが、生徒のレベルがあまりにもばら
 ついてきて1名の教師では全体のレベルを上げられなくなっているからだと思います。
 そこで、教師の補助ロボットがあれば各々の生徒のレベルに合わせて指導することができ、生徒のレベルがばらついて
 いても、その子供たちに合わせた教育ができ全体としてもレベルを上げることが出来るのではないでしょうか?
 このようなロボットは、動作は殆ど必要ありませんが、生徒とともに学習能力が必要となり、今までの単純にプログラミン
 グされたロボットと異なり、ロボット自身も生徒と一緒に学習し、最適の方向へ導くことが必要であり、将来の人工知能の
 開発にも役立つと思われます。
 現在の日本では裕福な家庭では子供を塾や進学校に行かせて勉強を進ませ、裕福でない家庭の子供は荒廃した学校
 でますます遅れて来ていることは、将来の日本にとって大問題ではないでしょうか?
 
 


(7)H22年11月30日記載分
 日本人の資質にマッチしていて、今後の日本を支える産業としてはロボット産業と、航空機産業が大きな比重を占める
 と思います。その理由は両者とも日本人の資質が最大限に発揮できて、かつ、すそ野の広く、寿命の長い産業であるか
 らです。(精密メカと精密制御技術の塊であり、かつ、繊細で大量の部品の信頼性と調整が必要な産業分野。)
 まず、ロボット産業ですが、ロボットは機械技術、エレクトロニクス技術、材料技術、情報通信技術等、幅広い技術の
 統合システムであり、すでに産業用ロボットは日本の代表的な製造機器産業になっています。しかし、その他の分野で
 はまだ目立ったロボットの活用は行われていません。今後、どのような分野でロボットが活用されるのか、色々な意見
 があると思います。特にサービスロボットの分野では大きな市場が期待されますが、それでは実際にどのような利用分
 野があるのでしょうか?
 私は日本の現状をみると、パワーアシストロボットと教育ロボットから進むのが有望ではないかと思います。パワーア
 シストロボットはすでに多くの企業や研究部門で開発を進められていますので、詳細は省きますが、最近言われている
 介護用のロボット以外にも、農家の力仕事を助ける収穫物の移動用ロボットも、今後の老齢化が進む日本では必須の
 分野になるでしょう。
 私も先日、実家でミカンの収穫を手伝いましたが、20Kg以上あるミカン箱をトラックへの積み下ろしや、倉庫での積み
 上げ作業は大変な重労働でした。


(6)10月18日記載分
 日本人の資質(国民性)に合った産業とは、周知を生かし、切磋琢磨して細部まで積み上げて行く技術に基づいた産
 業であり、精密光学、精密メカニズム、精密制御と複雑な電子回路などの技術の集合体であります。
 以前(現在を含む)は自動車、電気機器、半導体、精密光学等の産業でしたが、産業のパラダイムにより状況は大きく
 変わろうとしています。
 即ち自動車は高性能、高品質から省エネ、ローコストに、そしてなにより部品の多いエンジン自動車から部品の少ない
 電気自動車に、電気産業は個別商品から情報通信を巻き込んだ複合商品に、半導体はウエートがノウハウから設備と
 投資へと重点が変わってきています。
 このような中で、まだ優位性を保っている産業は精密光学、精密機械、超小型部品、高機能化学製品等がありますが、
 何分、すそ野がそれほど広くなく、今までの日本全体の成長を持続させるのは力不足です。
 日本人の資質(国民性)にマッチして、日本国内に製造工場を持ち、それでも付加価値がある産業、しかもすそ野の広
 い産業とは、どのようなものでしょうか?
 私はその一つがロボットであり、もう一つが航空機であると思います。(他にもあるでしょうが・・・)


(5)9月20日記載分
   前回にお話ししました日本人の資質に合った今までの産業を見ると、ある特徴があります。
  例えば前々回にお話ししましたVTRですが、これは米国のAmpex社が発明して放送局で使用されていました。これを日本の
  数社が家庭用に商品化しようとして、かの有名なVHSとβ陣営で熾烈な開発競争をし、日本を代表する商品とななりました。
  その結果、家庭用VTRは日本が世界を席巻しましたが、なぜこのような商品が日本では出来て、外国では出来なかったので
  しょうか?それは日本人の資質(国民性)と商品の構造にヒントがあります。
  日本人の資質は以前にも述べましたように、突飛な発明は苦手ですが、周知を集めて粘り強く、細部までコツコツと少しず
  つ改良するところにあります。一方、VTRは精密メカニズムと精密制御技術、それと複雑な電子回路の集合体であり、力ずく
  で金まかせであれば外国でも出来ましたが、それを体積と価格をともに1/100以下にするには日本人の資質がマッチしてい
  ました。(私は外国でも仕事をしていましたが、外国人の資質は細やかさや周知を集めることでは日本人よりかなり劣ります。
  他に優れた点はありますが・・)
  即ち、日本人の資質を発揮する産業は精密光学やメカニズムと、精密な制御技術、それに複雑な電子回路の集合体もしくは
  ノウハウの塊の技術に基づいた産業なのです。こうして見ると現在の高品質高性能な自動車産業や光学電子機器も日本の
  得意分野でありことが理解できます。


(4)8月23日記載分
  私は固体撮像素子や、これを使用したビデオカメラやデジタルカメラの仕事をしていましたが、この固体撮像素子はCCD
 (Charge coupled device)と言い、1970年に米国人によって発明されました。しかし、その米国では民生で実用になる製品
 は製造できませんでしたが、日本の半導体メーカーや家電メーカーの開発技術者と製造技術者とが、このCCDの性能と
 歩留りを上げるために、知恵を絞り、切磋琢磨して、血のにじむような努力の結果、日本でのみ大量生産が可能となりま
 した。即ち、CCDは最先端の生産設備よりノウハウが重要であり、このような半導体素子は日本人の資質(国民性)に最
 も良く合っていました。
 その結果、日本の得意な光学系と相まってビデオカメラやデジタルカメラが世界に大きく躍進した原動力になりました。
 実はその時に大きな助けとなりましたのに税制の優遇措置がありましたが、このことは後日にお話ししたいと思います。
 しかしながら、この固体撮像素子も発明されてから40年もたつと、ノウハウの塊であるCCDから最先端の設備の比重が大
 きいCMOSセンサーへと移行しつつあり、日本の優位性は徐々に低下しています。どのような製品であろうと製品には必ず
 寿命があり、日本の優位性を保つには絶えまざる改良の努力と、次の新しい種を育てねばなりません。
 その時、どのような次世代の種を蒔いて育てるかが重要になって来ます。当然、今後の日本に必要な医療産業や、昨今、
 よく言われている環境産業も重要であることは言うまでも有りませんが、やはり、日本人の資質(国民性)に合った技術に
 基づく産業が世界を席巻するのではないでしょうか?


(3)7月26日記載分
  今日は一般労働者の派遣が多くなることにより日本の企業が衰退すると思われる理由を述べてみます。
 今までの日本企業と日本人の資質(国民性)を考えてみましょう。日本人には欧米人のような全く新規なものを発想する資質
 はあまり豊かではありません。しかし、欧米で発明されたが商品化出来なかったり、民生用まで小型化ローコスト化が出来な
 かった商品を、多くの社員の知恵と熱意で根気よく細部まで詰めて、歩留りを上げたり、精密な機器や機構を手際よく生産する
 ことにより、日本で改良された商品の品質を世界一に押し上げてきました。その代表的な例が、自動車であり半導体であり、
 電気機器等です。これを可能としたのは勤勉な日本人の資質であり、従業員のたゆまざる努力と愛社精神でした。
 しかも、これらの産業は多くの部品や素材、生産設備が必要なため、広大な裾野が広がっていて、関連の中小企業を含む日本
 全体の2次産業を押し上げてきました。
 しかしなから、これらの産業は産業のパラダイムにより大きく変革しています。自動車は高品質からローコスト化や構造の簡単
 な電気自動車へ移行しつつあり、半導体はノウハウより装置や資金力のウエートが高くなり、最も象徴的なものは電気機器の中
 のVTRのように商品そのものが消えてしまった商品もあります。
 このような産業の変革期の中で、非正規社員である一般派遣労働者が多くなった日本の企業で、日本人の資質に合った新しい
 すそ野の広い産業が生まれるでしょうか?
 今までの日本の産業を支えてきたのは、勤勉で愛社精神に燃えた人々と、そのすそ野を支えた多くの中小企業の人々ではなかっ
 たのでしょうか?


(2)7月13日記載分
  以前は、企業で業務が忙しくなった時に、特定の技能を持つ方々が派遣社員として来ていただき、その多忙な業務を一緒に
 こなしていました。これらの人々は特定の技能を持っていて、かつ、その派遣会社の社員であり、派遣が終了後は派遣元の会
 社に帰り、その派遣会社から賃金が保障されていました。(特定労働者派遣事業)
 しかし、今回目立つのは工場の作業員や技術者の補助をする一般業務の派遣社員が多くなったことです。これらの人々は派遣
 会社の社員ではなく派遣先の業務により派遣が終了した時は、失業者となる人々です。(一般労働者派遣事業)
 このような雇用形態では、企業は短期的な効率は上がるでしょうが、今まで日本の特長であった愛社精神や改善提案等は生ま
 れてこないのではないでしょうか?また、企業には長期的視野や戦略が無くなり、その結果、今まで日本で開発されてきた世界
 を席巻する商品も生まれて来なくなるのではないでしょうか?
 そして、これは日本を衰退させる原因の一つではないでしょうか?


(1)6月27日記載分
  私は2001年に定年退職し、縁あって韓国の会社で仕事をする機会を得ました。
 数年後に日本に帰り、再び日本の会社に勤めましたが、職場の雰囲気がずいぶん変わっていることに驚きました。
 それは、以前にも派遣社員はいましたし、彼らは技術者で社員と同様な仕事をしていましたが、今回の派遣社員はその派遣
 会社のTシャツを着たアルバイトと同然の人たちが多いことでした。
 企業にとっては、このような派遣社員を多く採用することは短期的には効率が良いでしょう。
 しかし、長期的に見ると疑問があるのではないでしょうか?


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